豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

大切な日

2007年09月10日 | Weblog
その細部まで蘇えるような日というのがあります。日付で記憶するような特別な日ではなくても、深く心に刻まれている、そんな日です。
嬉しかった日、驚いた日、悲しかった日、辛かった日、楽しかった日、・・・。記念日とは名づけられなかった数々の日に、励まされ鍛えられ慰められ来た数十年。
大きな躓きもなく、重大な挫折もなく、ほとんど身の丈にあった出来事をそれなりに楽しみ、時には持て余し過ごしてきました。
年女だった去年。次の年女の還暦までは、このまま元気に強気で頑張れると思っていました。本当にあと十二年なんて、軽く過ごしていけると思っていましたが、ひょっとして去年は体力気力とも人生のピークだったのかもしれません。少なくとも気力に体力がちゃんと付いていっていました。
しかしながらこの夏。猛烈な暑さにやられたわけでもないでしょうが、坂を下り始めている自分に気が付いてしまいました。
そうか・・・。
こうして人は少しずつ年を取っていくんだね。
まさに「老婆は一日にしてならず」です。
あのオードリーだって、ちゃんとおばあさんになってしまっていましたもの。
見渡すと、みんな大小それなりの老いを抱えて生きている。当たり前ですね。
このごろは、私たち世代の人の佇まいをじっと観察するようになってしまいました。生涯に燃やすべき薪の在庫が気になり始めました。これから起きる事柄に備えて、ゆっくり計画的に消費していくのが賢明というものでしょう。でも、時には残りの生涯に焚くべき薪を短い時間に注ぎ込んで輝く炎も見たい、そんな時間があってもいいじゃない、そういう気もします。

「夏深む」

「夏深む日の午後、山科勧修寺の庭が、青金色の空と水にかこまれていた。・・・・・・・やはり、これはその時の巡り合わせというものだろうか。」