豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

幕見

2007年09月30日 | Weblog
オール「伊右衛門」の自動販売機の設置してあるところは、歌舞伎座の玄関横でした。


初めて挑戦してきた「幕見(まくみ)」。普通、歌舞伎の演目は、午前の部と午後の部に別れ、それぞれが数本の出し物で構成されていますが、その中の一つだけ、すなわち一幕だけを見ることを幕見といいます。幕見のチケットは格安なのですが、お席は最上階の四階。一般席への出入りはもちろんのこと、売店に行くことも原則できないというきわめて制限されたお席での観劇です。実際にはどんなものか確かめたいと、朝一番の「竜馬がいく」を目当てに、切符の売り出し開始の一時間半程前から並びました。留学生や外国からの観光客の方もたくさんでした。気軽に歌舞伎に触れられる良いシステムでもあるようです。
幕見専用のお席は、90席ほどとのこと。それ以上は立ち見ということでしたが、首尾よく座席を手に入れることができて、いざ席取りに!



狭くて急な階段をくるくる上り、もうだめ・・・というところに、幕見席の受付がありました。係員の方も、営業用スマイル以上の笑顔で、駆け上がってきた私たちを迎えてくださいました。
踊り場に掲げられていた錦絵の説明書きも英文が添えられています。


転がり落ちるようなお席かと思いきや、舞台も思ったより近くに見えます。一般席の最後列とは太い手すりで仕切られただけの幕見専用席でした。市川染五郎さんの主演という出し物のせいか、立ち見が出るほどのお客さんの数。90分のお芝居が700円(学生は600円)というのは、かなり魅力的ですね。


細かい表情は、さすがに双眼鏡のお世話になりましたが、全体を見渡すにはとてもよいお席でした。舞台の後方を見切ることもなく、声も良く聞こえて、十分楽しめる観劇となりました。
「幕見」・・・。近くだったらはまりそうです。