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読書感想文【中央構造帯】

2006年11月04日 01時34分44秒 | 浅見光彦シリーズ
最近浅見光彦シリーズばかり読んでるなぁ。

『中央構造帯』
作者:内田康夫

中央構造帯(上) 中央構造帯(下)

ストーリー:
日本長期産業銀行の部長、課長が相次いで死んだ。そして銀行の嘱託医の見立ててで心臓発作と診断されたため事件性は無視された。
長産銀のOL、阿部奈緒美は雲の上の上司にあたる田中次長に食事に誘われて平将門の話をされた。実は奈緒美の実家である茨城県猿島郡岩井町は将門の本拠地であり、今でも将門信仰の篤い土地であった。しかしその後田中は何者かに殺害されて千葉県市川市にある八幡藪不知に遺棄された。
東京大手町にある長産銀のビルの隣には平将門の首塚があり、死んだ3人の席は、座ると将門の怨念が降りかかると言われる「将門の椅子」とよばれる位置にあった。

田中の事件に興味を持った浅見光彦は偶然奈緒美と出会った。二人は大学の同期でもあり、積極的に捜査に協力しようとする浅見だったが、奈緒美は田中の死のショックから抜け出せず、浅見への情報提供を渋る。やがて奈緒美の先輩・前原ひとみや、田中の後任で国際部次長になった川本康助から事件のことを聞いた浅見は事件の真相を突き止めようとする。そして過去に死んだ部長、課長や、長産銀の無理な貸付により自殺に追い込まれた不動産屋や、1年前に死んだ長産銀の課長もみな、将門にゆかりのある土地で死んでいたことを突き止める。

浅見は銀行の特殊な体質に阻まれながらも、徐々に、この事件が将門の名を借りた人物によって仕組まれた事件であることに気づき、やがて川本の祖父・壮明や、奈緒美の祖父・幸正、そして死んだ長産銀の大西相談役が全員戦友であったことを知り事件の核心に近づく・・・。


感想:
今回はミナミにしてはストーリーをうまく書けたかな…?
本編は最初に昭和20年の終戦秘話ともいうべき話と、川本康助の両親と祖母が死んだ飛行機事故(実話)の話、そして千葉県の民家で長産銀の井田部長が死んだ現在の話の3つがプロローグとして書かれている。最初はこの3つがどう話に絡むかで興味をひっぱられる。実は2番目の川本康助の子供時代の話はそんなに重要ではないのだが。
読んでる最中に終戦の話が事件にどう絡んでくるのか見えてきて、最後の犯人が明かされるところではあっと驚かされた。
この話は平将門のまつわる様々な伝説+無理な貸付によって泥沼にはまっていく銀行の体質の2つがメインになっている。正直タイトルはあまり内容に相応しいとは思えないのだが。
事件の終わり方もなんとなく中途半端な感じがした。また、ヒロインの奈緒美は浅見への恋愛感情が全然見受けられなかったのもなんだかなぁという感じだった。