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読書感想文【十三の冥府】

2006年11月10日 03時12分58秒 | 浅見光彦シリーズ
かの有名な(?)キリストの墓が帯に書いてあったので前々から読みたいと思っていた。といっても結局内田康夫なのだが。

『十三の冥府』
作者:内田康夫


十三の冥府

ストーリー:
「なにわより じゅうさんまいり じゅうさんり もらいにのぼる ちえもさまざま」

青森中央大学で考古学を学ぶ神尾容子は、自分の記憶に刷り込まれているこの唄の正体が解らず不思議に思っていたところ、蕪島ですれ違ったお遍路がこの唄を歌っているのを聞いた。が、その数日後、お遍路は新郷という地で殺された。
「都賀留三郡史」の偽書騒動の取材に行くことになった浅見は、途中の新郷というところでお遍路・が殺害された事件を知る。興味を持った浅見はお遍路のたどったと思われる足跡を追い、さらに不可解な連続殺人事件に遭遇した。殺されたのは偽書と言われる『都賀留三郡史』の偽書証言をした大工・谷内と、その下で働いていた男・山下だった。『都賀留三郡史』の正体を知ろうと思い、発見された八荒神社に向かった浅見は、宮司の湊と会い、奇妙な迫力を感じた。
さらに「都賀留三郡史」を偽書として糾弾する青森中央大学の教授までもが変死していたことを知り、ますます湊宮司への疑いは深まる―


感想:
かなり読み応えあった。最初の竹内文書から始まって、「東日流外三郡誌」に材をとった都賀留三郡史の話。これはまんま東日流外三郡誌の事件をなぞっているのだが。調べてみるとこれがまたうさんくささ100%で笑える。
冒頭で登場した唄の正体があっさりわかるのは拍子抜けしたり、複雑な血縁関係とかは途中で読んでて疲れてしまったし、キリストの墓は全然事件と関係なかったりと、マイナス点もいくつかあるが、浅見シリーズの中では一番面白かったかもしれない。タイトルの意味も最後にわかり、秀逸なネーミングだなと感心した。

読書感想文【遺骨】

2006年11月10日 02時58分31秒 | 浅見光彦シリーズ
またまた内田康夫。

『遺骨』
作者:内田康夫

遺骨

ストーリー:
淡路島へ向かうフェリーで浅見光彦と知り合った男は淡路島の常隆寺に骨壷を預けていった。が、数日後、男は都内で何者かに殺されていた。事件に興味を持った浅見は、殺された男―龍満智仁はグリーン製薬の営業職―の死後に常隆寺に預けた骨壷を石森という知人が持っていったことを知った。さらにその後、龍満と同じグリーン製薬の田口と名乗る男も骨壷を取りに常隆寺に来ていたことも知る。だがその後本物の田口は栃木県足尾で遺体となって発見された。
謎を解く鍵は持っていかれた骨壷にあると考えた浅見は石森の行方を追い、山口県の仙崎へ向かう。そこは詩人・金子みすヾの故郷として名高い地でもあり、龍満が少年時代をすごした地でもあった。
一方、足尾の遺体遺棄現場から、犯人は足尾に土地鑑のある人間だと考えた浅見は、かつて足尾銅山で働いていた人たちの名簿から、グリーン製薬と関係の深い男の存在を突き止めた。終戦直後の仙崎で何があったのか―

感想:
最初は金子みすヾがらみの話かと思って読んだら思いっきり硬派な社会派小説だった。まぁそういうの大好きなんだけど。ただヒロイン不在というか、どうもヒロインがいない浅見シリーズは盛り上がらないなぁと思ったりもした。途中、浅見が調査をしている対象が医学会の超大物だったことで兄・陽一郎とぶつかる場面が面白い。
テーマは臓器移植と731部隊。現実にありそうな話だったのでちょっとぞっとした。