早春の株分けで配慮すべき重要な点は、
ルバーブの根株にできるだけダメージを与えない即ち
ゴボウ根の部分をできるだけ多く、長く残すことです。
株分けのために掘り上げた時の画像です。
できるだけゴボウ根を残すといっても、
スコップ、ツハシ使用の人力では限界があり、
途中で切れてしまっています。
大きな株を力を入れて分けようとすると、
自然に分かれることもあります。
多くの場合、画像が分かりにくいかもしれませんが根が絡み合っています。
こんな大きな株は、包丁などで縦に切るか、
バールを当ててハンマーで叩いたり、
ノコギリでゴシゴシ切り下ろしたりかなり荒っぽい作業で分割します。
ここで大事なことは、
★ゴボウ根の部分をできるだけ長く残すことと
★根塊の頂部の赤く色づいた芽の部分が数個あるように細かく分割し過ぎないことです。、
下の画像は、切り口のアップです。
株分けした苗はこんな感じでです。
この画像では、茎葉がこんなに伸びてしまっていて、
駄目とは言えませんが遅い時期の株分けです。
長野県富士見町は日本で唯一の赤いルバーブの大産地ですが、
富士見町では春の株分けが推奨されています。
記事中の小さいサイズの画像は、
富士見町にルバーブを持ち込んだエンジェル千代子氏のブログからお借りしたものです。
ほたる農園では、晩秋に株分けしています
春の株分けは、慎重な配慮をしたとしても、
初年度の成長に影響する心配がありまた、
根が長ければそれだけ植穴を大きく掘らなければならないという、
労力上のデメリットも出るように思うねですが・・・。
さて皆さんどちらを選択するか・・・・
ルバーブの株分けをいつやるか?
晩秋と春の何れでもOKです。
秋に株分けするか、春に株分けするかは、
株分けの目的にもよります。
*寒さによりルバーブの地上部が枯れた晩秋~初冬
ルバーブの本場・西欧諸国では赤茎ルバーブについて、
株分けした根塊(正しくは「クラウン(冠))が売買(流通)されています。
根塊(クラウン)は晩秋に株分けし、冬期間に売買しなければならないので西欧諸国では、
晩秋の掘り上げ(株分け)が一般的に行われているようです。
また、晩秋の株分けには、実務上(作業労力)のメリットもあり、
「ほたる農園たつの」では晩秋の株分けを選択しています。
どんなメリットがあるか?、次々回の「秋の株分け方法」で詳述します
*早春の新しい芽の出現前
春を迎え、ルバーブが成長を始める直前ですから、
根株にできるだけダメージを与えないような配慮が必要になります。
次回の「春の株分け方法」で詳述しましょう。
3月中下旬~4月(品種によって時期は微妙にズレる)はルバーブの春の株分け時期になります。
最近は、日本の種苗業者さんがルバーブの種を販売するようになっていますから、
ルバーブ栽培者は結構増えているよです、
植えっぱなしにしていませんか?
株分けの目的、効果は二つに整理できるかと思います。
植物の活力を回復し、生産性を向上させる
植えてから数年すると根詰まり現象,根塊部の腐りなどが入り成長力が落ちてきます。
また、木質化した根塊部に腐りが入って根が次第に劣化してきます。
株分けという作業を通じて腐敗部を除去できるようになります。
自分のお気に入りのルバーブを選抜して増やすためにも、
種をまいて育てたルバーブは色々な個体差(特性)が生じていると思います。
その中から自分のお気に入りのルバーブを選抜して増やすために、株分けは必須の技術になります。
株分けは、ルバーブ栽培上習得しなければならない必須の技術です。
これから、何回かに分けてシリーズで記事投稿していきますのでご一読を!、
先日「ルバーブの畝に防草シートを張る」(クリックするとリンク)を記事投稿しましたが、
少し説明不足があったので補足します。
★防草シートを張る一番の目的は、”病害虫予防のための泥はね防止”です。
ルバーブに病害の発生は少ないと言われていますが実際は、
温暖化に加えて日本の場合多湿もありべと病等が発生します。
病害菌は主に土壌中に生息していますから泥跳ねによる罹患を防ぐためです。
稲わらを敷き詰めて泥はね防止、土壌温度の上昇防止、保湿などを図っている産地もあります。
★防草シートに穴を開ける道具
下の画像はカッターで穴あけしてありますが、
オーストラリア等の大農場では、
「草焼き(ガス)バーナー」を使用しているようです。
「ほたる農園たつの」では、ホームセンターなどで売っている、
ハンディータイプのガスバーナーを使用する予定です。
下の画像は、新富士バーナーの「強力耐風バーナー・パワートーチ」です。
★防草シートを固定するピン
ホームセンター等で売っているマルチ固定具「黒丸君、黒ぼんちゃん等」が最適。
約1メートル間隔。
の
★防草シートは耐用年数まで張ったまま。
追肥などで必要な時はその部分のピンを外して施肥。
私のルバーブに関するスタンスは”ガラパゴス状態の除去”です。
日本では、特定の栽培者が栽培技術、品種などを囲い込んでしまっている結果、
種を買って育てているルバーブ愛好家ですら、
栽培法がよく分からず困惑されているようです。
私のところにもよく”上手く育たない”とメールや電話がきます。
私のスタンスはできるだけ多くの人にルバーブを知ってもらい、
多くの人がルバーブレシピを楽しんでいただきたい・・ですから、
栽培技術は100%オープンにし、
当ブログでもそのスタンスで記事投稿してきました。
また根株(苗)についても、増殖ができたものから順次販売していく予定です。
門外不出などとは言いません。
より多くの方にルバーブ文化を楽しんでいただきたいのです。
さて、前置きは以上にして、
新年度(一か月早かったか?)の、
「ルバーブ栽培技術公開」の第一弾です。!
昨日に続いて、春の嵐が吹きまくっていましたが、
ルバーブの畝に防草シートを張る作業を開始しました。
ほたる農園で栽培中の数品種のルバーブのうち、
主力(今のところ栽培株数が一番多いという意味で・・)品種である、
クリムゾンチェリー・ルバーブは新暦の春とともに芽出しが始まっています。
数品種のうち最も早い芽出しです。
防草シートを張って、芽が上がってくる場所に穴を開けなければなりませんから急がなければなりません。
張り終えた画像です。
順序が逆になったかもしれませんが、
防草シートを張る目的は・・・
*雑草除け
*病害虫防除のための”泥はね防止”
泥はね防止のため稲わらを敷き詰めている産地もありますが。
*夏の過乾防止
ルバーブにとって、過湿もNGですが、乾きすぎもNGです。
夏の水遣り、灌水が非常に大事な作業です。
*穴の直径は約20センチ
*除草シートは透水性で雨水がよく通るものとします。
今年、防草シートを張る予定は、クリムゾンチェリー・ルバーブの4畝(約50株)です。
今日は取りあえず1畝。
他は防草シートを張ることを想定して直線に植えてないので張りつけしません。
さて、この防草シートを張るという栽培技術は私の考案ではありません。
オーストラリアで推奨、普及している技術です。
これはいい!と早速まねしたものです。