日記

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「夫に死んでほしい妻たち」小林美希

2023年12月19日 | 読書

再読。

著者は新聞社勤務後、フリーのジャーナリスト。結婚、雇用などの問題を取材、執筆。著書多数。

これは2016年刊。分かりやすい題名につい買ってしまった。中身は今の社会での女性の生きづらさの実例を、著者の感想はなるだけ控えて集めている。

家庭の中、夫婦仲は傍目にはなかなか分からないもの。本音トークの数々を読んで、それぞれ葛藤を抱えて生活する様子が、面白いと言えば失礼。

自分を振り返り、これからの指針として読んだ。

初めて読んだのは60代、今は70代なので、「死んでほしい」と願う妻の気持ちがより分かるようになったのかもしれない。

新しい人ができたのならともかく、私たちの世代ではもう手続き自体が面倒。そう思う人も多いのでは。

先日の友達の話。

娘さんから「お父さん残して死なないでね。あんな粗大ごみ、私は面倒見られない」と言われているそうな。

私たち世代では慣れ親しんだ暮らしへの愛着が大きく、配偶者はその一つのアイテム。信田さよ子さんの本にもあったけど、結婚というのは制度なので、愛情がなくなっても、その制度のいいところを利用すればいい。離婚に少しでもためらいがあれば、カウンセリングに来た人に勧めない。とのことでした。

70代になって、夫への若い時からの恨みつらみを晴らしたいと思う人もいるのですが、認知症になって相手が分からなくなってからでは遅すぎる。それで、ささやかな恨みの晴らし方の実例。

夫の味噌汁に雑巾の絞る汁を入れる。

夫の歯ブラシでトイレ掃除をして元に戻しておく。

悪いことですか?

よくはないけど、そこまでされる夫の側の悪行の数々、不倫、DV、金遣いの荒さ、威張り散らすのに比べたら可愛いものだと私は思う。そのくらいのことしか女は出来ないんですもの。

そして究極は「畳の上で死なないでほしい。高級車にひかれて1千万円でも稼いで死んでほしい」と思うそうです。

私ですか?

そんなことはしないし、思いませんが、30代、連日、あまりに夫の帰りが遅く、帰宅後、日付が変わるころの遅い夕食、人の話は5分も聞かず上の空の時は結構追い詰められていましたね。

仕事だと分かっていても、さすがに温厚でおとなしい(←どこが!!)ので有名な私もキレて、お茶碗にご飯を半量、塩を思い切りかけて、残り半量部で蓋をして「どうぞ」と出す。

出した後で、「塩辛いーー」と怒ったらどうしょうと一瞬後悔したけど、平気な顔で食べていた。

どういう味覚???

上司の方は、奥様がボウルにご飯もおかずも汁物も全部一緒くたに入れて、「どうぞ~♡」と差し出して来たそうな。

猫まんまや。それほど苛酷な職場だったということで。もちろん妻たるもの、そんな夫を支えますが、感情レベルでは時々発散しないとね。

日曜日は家族でどこかへ遊びに行っても、15時頃から職場へ。帰るのはやはり深夜。

子育てを隣の姑に頼るという発想がなかったし、実親は遠いし。幸い私も三人の息子も健康だったので何とか乗り切れました。


この本では共働きの女性の大変な話が多かった。大家族で嫁姑の苦労の話は若い世代にはなかった。しみじみと時代だなと思い、どの時代にも女性の生きづらさがあるのだと思った。

終わりの方で、夫婦同姓を国が強要しているので、女性の地位が低い面もあるとの指摘。私もそうだと思う。いまだ広く家意識が抜けないのはこの制度のため。

希望する人には別姓の道をぜひ認めていただきたいもの。全員が別姓を強制されるんじゃないんですからね。反対する人は、そのような誤解に導くような言い方、していませんか。


昨日嫁ちゃんにラインしたら、13歳の孫の着物姿の写真送ってきた。

浴衣や着物が好きだそうです。

嫁ちゃんの友達の家で着せてもらったらしい。背が高くなってとてもよく似合っていた。その写真は差しさわりがあるので、2歳ころの写真を。

活発な子でした。今はしっかり者。

先日の弟の運動会では、体育館の休憩コーナーで未就学児の知ってる子、知らない子を集めてまとめて面倒見ていた。臨時の保母さん。

バババカ深謝。


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2 コメント

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Unknown (tsubone)
2023-12-19 17:42:38
夫に死んでほしい妻たち かあ
強烈な題名ですね~ そこまで恨みは深いのかあ・・・
時代は変わって今時のツマたちは強くなった気がします。そしてコロナ禍以来、家意識とかはますます希薄になった気が・・・
でもそれは地域差ありますね。フォロワーさんのブログ読んでると、まだまだお嫁さんは大変なんだなと思う事もありますもの。

ウチも子育てはワンオペでしたよ。10日帰ってこないなんてことも 帰ってきても下着を取りにくるだけ、子供の顔もろくに見ないなんてザラでした。
その時代を文句も言わず(文句は言ったかな?)乗り越えたから今は比較的好きな事やれる自分があるんだと思います。
オットたちの現場も働き方改革が導入されるとか・・・
それは良い事ですが果たして現場は回るのでしょうか?
急病でも治してもらえない時代になるのかもね、病気にならない怪我をしない意識がますます必要になるのかもしれないですね。
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tsubone様へ (frozenrose)
2023-12-20 11:09:23
おはようございます。
いかにも強烈な題名ですよね。毒気に当てられないよう、気を付けて本音トークを読みました。
こんな話、ママ友、婆友のランチでも出せないですもんね。
世の中には想像を超えた人がいて、考えられないような関係もあるんですが、もしかしたら夫さんの方も重荷になっているかも。

一度、私が先に死んだら再婚する?と聞いたら、しない、もう気を使いたくないと申しておりました。あれっ、そんなに気を使っていましたっけ???

10日間は大変でしたね。ご主人様、若くて健康で乗り切れたんでしょうね。そして、留守を守るtsubone様、本当にお疲れさまでした。

他に代わる人のいないお仕事は、個人の奉仕精神に頼る面がありますよね。目の前の仕事置いて、時間だから帰りますは出来ないし、声を上げることもできない状態を国の立場から改善していただきたいものです。

ネットの世界で、やっと分かり合える方に出会った気分です。お宅様は我が家より、もっともっと大変でしたでしょうが。

過労自殺した人の母親が、マスコミに涙ながらに訴えるのを見ると、とても他人事に思えません。って、この話なら盛り上がる私たち~

これからもよろしくお願いします。
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