痛みと腫れがひどくなり、
もう限界……とばかりに、来月の診察予定を変更してもらい、
先日病院に行った。
病院に着いて、待合室にいる間、
今日からしっかり、治療していこうと思っていた。
……と、そこに、赤ちゃんを抱っこした若いお母さんが。
ここは専門科なので、赤ちゃんかお母さんのどちらかがリウマチなのだろう。
ましゃか、赤ちゃん?? なわけないよね???
と思いながら、Mがチラ見していると、
お母さんは手首をかばいながら、赤ちゃんと接していた。
「赤ちゃんがいるとキツイよね」と、Mが声をかけると、
「そうなんですよぉ、この子は待ってくれないし」と、
その若いお母さんは、笑って答えた。
だよね……
母親の都合なんて関係ないもんね。
お腹すけば泣くし、おむつが汚れたら泣く。
朝は特に辛いって言ってた。
うん、たしかに。
同じように辛くても、Mは何もしないで済むけど、
この若いお母さんは、やらないわけにいかない。
今でも大変なのに、これからもっと重たくなるし、もっと手も掛かる。
しかも、彼女はまだ若い。
お母さん、無理しないで頑張って~~。
Mなんて自分ごとだけでヒィヒィ言ってる。
まだまだ、Mは甘いな……。
たしか、今は「オマケの人生」のはず。
そう思いだしたとたん、Mは治験に参加することにした。
Mみたいな年齢の人間が、積極的に治験しないでどうする?
薬の開発は、どんどんすすんでいかなければ、
若い人が気の毒だ。
名前を呼ばれて診察室に入ったとき、Mは言った。
「センセー、治験よろしくです」
もう、アチコチ腫れまくりの痛みまくりだったので、
センセーはスンナリ治験の準備をしてくれた。
「でも、4ヶ月はヘタしたら痛いことになるよ?」と、センセー。
Mは覚悟したデスよ。
「へい、ガッテン」
「100%の薬に当たれば言うことないんだけどね」
そうセンセーが言った時、Mは思った。
宝くじは当たらないけど、こういうものにはチマチマ当たるのよさ。
途中で治験を辞めると言えば、すぐ別な薬で治療に入れるし、
万が一、プラセボが当たってしまっても、体がヒドイ状態になる前に、
ドクターストップがかかるはずだから、
その辺はちっとも心配はない。
ただ、これからの仕事の事を考えるとちょいと不安だけど、
知らない痛みじゃない。
経験したことのある痛みだから、耐えられると思った。
いや、だからそれは最悪パターンのバヤイ。
あまりこれでシミュレーションしちゃうと、
現実になりそうなので、なるべく最悪パターンは考えない。
てかね、あの若いお母さんと赤ちゃんを見てしまったら、
自分ごとでは済まないっすよ……。
本来なら、使い物にならないこの体だけど、
治験をすることで、今後の役に立てるんだもの。
そんな有意義なことって、ないもんね。
最初の治験はプラセボに当たらなかったので、
今回も、きっと当たらない……と、信じるっきゃない。
いや、万が一当たっても、あのお母さんの大変さを考えたら、
「痛くてだめぇ~~」だなんて、言っていられないもんね。
なんか……前向きになってきたデスよ。
来週、治験のための診断をして、
条件に合わなければ治験はできなくなり、素直に治療に入るけど、
条件に合えば、治験参加と言うことになるデス。
で、DNAも提供することに同意しました。
いろんな研究があって、これはリウマチの人のDNAがどうなっているのかを
調べる研究らしい。
お役に立てると思えばこそ、病気になっても悲観しないで済むっちゅ~もんだ。
良い世の中だわ。
ほんのちょっと前までは、しっかり治療をせねば! と言っていたMだが、
心変りは、秋だからでしょうかねぇ……←何かのせいにする。
てなわけで、Mごころと秋の空。
クルクル変わるデスよ。
あ、でも、もう変わらない。
冷やし中華始めました。←既に古い?
……ではなく、
治験第二弾、始めます。