“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
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※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
第22話 天からの贈りもの
タンギセ率いる親衛隊の横を トクマンが通り過ぎる
トクマンは 皇后の使いで皇帝のもとへ行く途中だと告げる
そこへ タプジャヘが駆けつけ 池から外への抜け道を発見したという…!
スンニャンのものと思われる血痕が 西門の方角で見つかっている
タンギセは 直ちに抜け道を封鎖しろと命じた!
親衛隊が西門へ移動し トクマンは ホッとして皇帝のもとへ急ぐ
タファンによって命を助けられたスンニャンは 事の次第を説明していた
血書を捜し チョクホという人物を捜し当てたのだが
そのチョクホも 血書を持ってはいなかったと…!
コルタに案内されて現れたトクマンは スンニャンの姿を見て驚く
傷の手当てをし 診脈すると トクマンが蒼ざめていく…!
その動揺を気づかれぬよう 出血のせいで気力が落ちていると説明するが
スンニャンが弱っているのは 斬り傷のためだけではないようだ
宮外で待つパン・シヌたちのもとへ 一刻も早く行かねばというスンニャン
しかし既に抜け道は封鎖され 脱出は不可能だというトクマン
タファンは スンニャンを 掖庭宮に匿うと言い出すが
コルタは それさえ 無事に辿り着ける保証はないという
※掖庭宮:皇后・妃嬪が住む宮殿
するとトクマンが スンニャンを掖庭宮に送り届ける役を買って出た
パク・オジンを運ぶ輿の行列を装い 親衛隊の検問を突破する
そして 掖庭宮の中の廃屋に スンニャンを案内した
何人もの側室が自害した場所で 今はもう誰も寄り付かない
トクマンは ここへ ノ尚宮を住まわせ
世話係として イ・ホンダンを付けるという
スンニャンに 何か言いたげなトクマンだが ホンダンの前では言えない
脈診で知ったスンニャンの身体の変化に 本人はまだ気づいていないようだ
翌日 皇后殿では
いよいよ懐妊出来たことが 嬉しくて仕方がない皇后タナシルリ
世継ぎの祖父となれる喜びに 丞相ヨンチョルも上機嫌だ
2人の喜びようを見るにつけ 憂鬱が増すタファン
そこへタンギセが現れ 掖庭宮の捜索を許可してほしいと言い出す
城内で捜索していないのは もはや掖庭宮だけなのだ
そこにいなければ チョクホは 外へ逃亡してしまったということになる
当然のように 許可を促すヨンチョルだが
これを断固として拒否する皇后タナシルリ…!
かつて 男子禁制の掖庭宮に 男性の出入りを許可した皇后はいない
タナシルリは 皇室の権威を貶めた 最初の皇后になりたくないと訴える
いくら父と兄の頼みでも 皇室の人間として 許可することは出来ないのだ
するとタファンが 女官に捜索させるなら問題はないだろうと助言する
タナシルリの強情さが 思わぬ形でスンニャンを救うことになった
皇后殿を出たヨンチョルとタンギセは 血書の行方について話し合う
チョクホが血書を持っているなら 真っ先に皇太后へ渡すだろうと
それに 誰も見た者がいないなら 誰が本物を見分けられるのかと…!
つまりヨンチョルは 偽の血書を書けばいいだけのことだというのだ
それを偽物だと断定出来る人間は まさに誰ひとりいないのだから
掖庭宮では
トクマンが ホンダンに たくさんの食べ物を届けさせていた
籠の中には貴重なミカンまで入っている
味見をするホンダンが 酸っぱい!と顔をしかめるが
スンニャンは 甘いと言って美味しそうに頬張る
一方 タファンは
スンニャンに会いたい気持ちを必死に抑えている
自分が動くことで スンニャンに危険が及ぶことを按じているのだ
するとコルタが パク・オジンの居所へ行けば
裏口から スンニャンの部屋へ行けるという
その夜
オジンの居所へ向かうタファンを タナシルリが呼び止める…!
自分も懐妊している以上 もう側室に会う必要はないと言い
二度と側室には会わぬように! と 厳しく言い渡す
これまで 子を宿さぬ身では タナシルリとて強くは出れなかった
今となれば 男児であろうと言われているオジンのお腹の子が邪魔だった!
『私は 是非とも男児を産まねばならぬ 女ではダメなのだ!』
掖庭宮のスンニャンは 激しく嘔吐し苦しんでいた
それを見たノ尚宮が 懐妊したのでは?と聞く
たとえ気がふれていようと ノ尚宮は 女の勘でスンニャンの懐妊に気づいた
そこへ トクマンが 着替えと薬草を届けにやって来た
なぜトクマンが 部屋を暖め体を冷やさぬようにと言うのか…
理由を聞かれたトクマンは 逆にスンニャンを問い詰める
そのお腹の子は ワン・ユ殿の子かと…!
スンニャンが 身に覚えのある相手は ワン・ユしかいない
身ごもっているのだとすれば 父親はただひとり ワン・ユだけである
追われる身で タンギセに斬られた傷は深いが
トクマンは 強く打つ滑脈を感じたという お腹の子は元気に育っていると!
ただそれだけで有難く スンニャンは 喜びにむせび泣く
※滑脈:懐妊を知らせる脈
『もう女官ではないのだから 責める気はない
ワン・ユ殿に再会できるまでは 私がお前の力になろう』
同じ時 皇后タナシルリは
お腹の子の性別を確かめようと 医官を呼んでいた
医官の表情は強張り どう伝えるべきかと激しくうろたえている
言いにくそうに… 懐妊はしていないという医官
つまり タナシルリは 想像妊娠を 懐妊と勘違いしたのだ…!
父や兄を喜ばせ すでに皇帝にも告げてしまった
今さら 懐妊はしていなかったなどと言えるはずもない!
タナシルリは なかなか身ごもらなかった時より さらに追い詰められたのだ
しかも医官は タナシルリの身体は懐妊できぬ身体だと告げる
この懐妊が偽りなだけでなく 今後も懐妊を望めぬとは…!
一方 掖庭宮のスンニャンは
喜びも束の間 不安でたまらなくなり深いため息をつく
ノ尚宮が 望まぬ懐妊なのか?と聞いた
まるで ノ尚宮を母親のように 抱える不安を素直に口にするスンニャン
お前の母親はどうだった?と聞かれ
スンニャンは 自分を守ろうと命を投げ出した母を思い涙する
無事に産めるのか… 産んでも育てていけるのか… 守り抜けるのか…
その答えは 自分を守って死んだ母親の中にある
母とはそういうものだと やさしく言い聞かせるノ尚宮であった
まさに命は 天からの贈りものであると…
高麗(コリョ)村では
無事に逃げ延びたチョクホが パン・シヌとパク・ブルファに守られていた
親衛隊長ヨム・ビョンスが 兵を率いて現れ 村人を連行していく…!
たとえ村人を犠牲にしてでも ここでチョクホが出て行くわけにはいかない
チョクホを救うため 今度はスンニャンが捕えられた
機会を待ち 掖庭宮から逃がすというトクマンの言葉を 今は信じるしかない
ソ尚宮は 正直に話す機会は今しかないと 皇后を説得する
しかし 皇室の蔵を開け 民に穀物まで振る舞い 懐妊を知らせた以上
今さら嘘だったとは 口が裂けても言えないタナシルリだった
トクマンは スンニャンを逃がす手立てを 着々と準備していた
パク・オジンは 宮殿の外で出産することになっている
オジンの行列に紛れ 脱出する以外に方法はなさそうであった
『決行は4か月後 あと4ヶ月 この掖庭宮で耐えてくれ』
ワン・ユは チェ・ムソンとチョンバギと共に
高麗(コリョ)の都 開京(ケギョン)に到着した
父王は 偽の交鈔をつかまされ 弱り果てていた
担当者が共謀し これまでずっと 偽の交鈔で交易していたのだという
※交鈔:元の紙幣
担当者キム・ジャチは 何者かに撲殺されていた
元の使臣は 共謀者が死に 支払いを引き延ばして滞在しているという
そこでチェ・ムソンが 商人に成りすまし 元の使臣に会う
使臣は 偽の交鈔をどう処分したものかと考えあぐねていた
そこへ転がり込んだ “交鈔を買いたい”という商人に飛びついたのだ
しかし使臣は予想以上に用心深く 渡された交鈔は本物だった
だがワン・ユは 根気強く接触を重ねれば いずれ偽物を出すと確信していた
この分では 元へ戻る日が遠のく
愛するスンニャンへの想いを綴り 書簡を送るワン・ユ
ところがその書簡は タンギセの部下により奪われてしまう…!
これで スンニャンが 高麗(コリョ)に戻っていないことが判明した
同じ時 遼陽行省の長官となったペガンは 皇太后宛てに書簡を送る
この遼陽で 強靭な軍隊を育成しようとするが 資金が足りないというのだ
ヨンチョルもまた 莫大な資金があったからこそ今の地位を得られた
寺で暮らす身ではあるが どうにかして資金を作ろうと画策し
これを伝えたチャン・スニョンもまた 協力を惜しまない覚悟であった
それから 4ヶ月
耐え難い苦痛を伴う 不妊治療に挑み続けたタナシルリだが
その身体には何の変化もなく 懐妊の兆しはない
ソ尚宮が もう諦めるべきでは?と促す
そこへ 皇帝タファンが 側室パク・オジンと共に現れる
間もなく産み月を迎えるオジンのお腹は 大きくせり出している
それに比べ タナシルリのお腹は 詰め物をした偽のもの
皇太后が暮らす感業寺で産みたいという オジンの願いを
タファン自ら 許すようにと取り成しに来たのだ
もともと宮外での出産は 皇室の習わしであると答えるタナシルリ
そして自分もまた 産み月まで皇覚寺で祈りを捧げたいという
このまま懐妊できなければ 何らかの手を打たねばならない
それにはやはり 宮外に出るしかないタナシルリだった
オジンを口実にして やっとスンニャンに会える
そう促すコルタに タファンは まだその時ではないという
スンニャンを守るためにも 今は皇帝としての威厳を取り戻さねば…
無力では何も出来ないと 深く心に刻むのだった
タナシルリは オジンに対する憎しみで煮えたぎるようだった
そこで 兄タンギセを呼び オジンを殺してほしいと頼む…!
タンギセとて 安易に引き受けられる話ではない
もし失敗すれば 妹の皇后としての立場ばかりか 一族にまで害が及ぶ
タンギセは 決して父ヨンチョルには知られぬよう 秘密裏に事を成すという
タナシルリも 生きている限りは誰にも秘密を明かさないと誓うのだった
とはいえ タンギセが自ら兵を率いて行くわけにはいかない
ある男を雇い 山賊を装って オジンを始末させることに…!
掖庭宮では
スンニャンが 何気なくノ尚宮の鏡に触り ノ尚宮が激怒していた
荒々しく奪い返した鏡を大事そうに抱え スンニャンを睨み付ける
『この鏡に触ると死んでしまう! 呪いがかかっているの!』
『ええ もう触りません』
『私のものではないけれど でも 今は持ち主に返せない
返したら その持ち主が死んでしまうのよ』
いつもの ノ尚宮の妄想だと スンニャンは話を合わせていく
そこへ トクマンが訪ねて来る
パク・オジンが 感業寺へ向かう日が 2日後に迫ったというのだ
その馬車に隠れて行けば 宮外へ脱出できると…!
『分かりました それではパン内官に
“皇覚寺のある七峰山で…” と伝えてください』
トクマンは 身重のスンニャンが 宮外へ出てどうするのかが気にかかる
スンニャンは 一刻も早く高麗(コリョ)へ向かい ワン・ユに会いたかった
決して楽な道のりではないが 無事を祈るしかないトクマンだった
一方 高麗(コリョ)では
偽の交鈔が動くまで ワン・ユが仕掛けた持久戦が続いていた
そしてとうとう 元の使臣が 交鈔2万を売ろうと持ちかけて来た…!
有り得ない額の持ちかけに これは偽の交鈔である確率が高い
その夜
銀と交鈔を引き換える取引が行われた
商人に成りすましたチェ・ムソン
護衛の側近に扮したチョンバギ
交鈔を差し出された瞬間…!
潜ませていた弓隊が 元の使臣らを包囲する!!!
この使臣は 本物の交鈔を預かっていながら 偽の交鈔で取り引きした
こうして捕えられた以上 元へ戻っても丞相に殺されてしまう!
ワン・ユは 偽の交鈔を作っている場所を明かせば見逃すという
使臣は命惜しさに 偽造場所は遼陽だと白状した
その地は ペガンが長官として赴任した場所である
『遼陽にある妓楼に 酒を納めている“ホン”という男です…!!!』
感業寺では 皇太后が 皇后の懐妊は絶対にあり得ないと豪語している
出産まで祈り続け 功徳を積むなどと… あのタナシルリがするわけがない
皇覚寺へ行くのにも 何か企みがあるに違いないと…!
パク・オジンが 感業寺へ向かう当日
ヨム・ビョンスが 親衛隊長として行列を護衛する
オジンを乗せた輿には すでにスンニャンが身を潜めていた
タンギセとタプジャヘの兄弟が 離れた場所から行列を眺めている
この襲撃は 一族存亡のためにも 決して失敗できないのだ
行列の後方には ノ尚宮の姿がある
パク・オジンではなく 輿に潜むスンニャンを見送ろうとしているのだ
その手には あの鏡がしっかりと抱えられていた
本来は護衛すべき親衛隊が 行列に近づく賊を黙認している
パン・シヌとパク・ブルファが 反対方向から行列に近づき
隙あらばスンニャンを救おうとしていた
すでにトクマンから スンニャンが身重であると知らされている2人は
これを知ったなら ワン・ユ王がどんなに喜ぶことかと感涙する
ヨム・ビョンスは 口実を作って行列から離れようとしていた
賊が襲撃してくる地点は もう直前に迫っているのだ
すると 輿の中からオジンが合図を送り イ・ホンダンが駆け寄る
オジンが尿意を催したから 林の方へ離れてほしいと言われ
願ってもない口実が出来たと ほくそ笑むビョンス
輿の外へ出るオジンの背に隠れ スンニャンも外へ出た
女官たちが囲み スンニャンとホンダンは しばしの別れを惜しむ
故郷で暮らす母への手紙を スンニャンに託すホンダン
他の女官たちも それぞれに家族への手紙を託した
その中に ノ尚宮の手が伸び 大事に抱えていた鏡を差し出している
あれほど大事だと言っていた鏡なのに どうしてもと言って押しつけた
スンニャンは 鏡を懐に入れ 別れを惜しみながら 皆と別れ歩き出す
何度も振り返りながら歩いて行くスンニャン
その時!!!
突然の悲鳴に驚き 振り返ると 女官たちが次々に斬り殺されていく!
慌てて駆け戻るスンニャン!!!
立ちすくむオジンのもとへ駆け寄ろうとすると 背後から賊が…!
そこへノ尚宮が スンニャンを庇うように飛び出し 斬られてしまう!
赤ちゃんを守れと言い残し ノ尚宮は息絶えた
泣き叫び ノ尚宮に取り縋るスンニャン!
イ・ホンダンが必死に引き離し スンニャンを逃がそうとする
ホンダンに引きずられながら
スンニャンは オジンが斬られる瞬間をも 目の当たりにしてしまう!
大きなお腹を庇うように 息絶えるパク・オジン
任務を完了した賊は スンニャンとホンダンに迫る!
林の中を逃げ惑う2人!
スンニャンは ホンダンだけでも逃がそうと二手に分かれ賊を引き付けた!
追いつかれ 今にも殺されそうになったその時 ブルファが窮地を救う…!
ようやく助かったと思った矢先
ブルファとシヌ そしてスンニャンは 親衛隊に包囲されてしまった
(ここは任せて!)と ブルファが小声でささやく
今は ワン・ユ王の子を宿すスンニャンを救わねばと…!
『お前は 生きねばならない!』
これは スンニャンを逃がすための戦いであり
かつては同僚だったビョンスとの 因縁の戦いでもある
『あの世で キ・ジャオ様に謝れーーーっ!!!』
ビョンスの窮地の救ったのは タンギセの兵だった
矢に射抜かれたブルファを 憎々し気に斬りつけるビョンス!
ブルファは 無念の表情でその場に倒れ込む…!!!
シヌは スンニャンを守って逃げるのに必死だった
足を踏み外し 坂道を転げ落ちてしまったスンニャンは 産気づいてしまう!
洞窟への道まで辿り着き スンニャンのため囮になるシヌ
スンニャンは 洞窟の中で ひとり陣痛に耐えるのだった…!