“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

フクシマ原発事故と対応、報道

2011年09月09日 17時42分51秒 | 臼蔵の呟き
2つのことに触れます。

1つ目は、鉢呂吉雄経済産業相は9日の閣議後会見で、野田佳彦首相に同行して8日に東京電力福島第1原発などを視察した際の印象について「残念ながら周辺市町村の市街地は人っ子一人いない、まさに死の町という形でした」と述べた。周辺住民は原発事故の影響で避難しており、担当閣僚の発言として配慮を欠くとの批判も出そうだ。

以上が朝日、日経新聞ニュースで流れています。何が問題かと考えれば、当事者としての自覚、責任意識があったのかという点だと思います。実態はこの地帯は誰もいなく、静寂でそこに立っても音のない世界です。そのことを表現する仕方として「死のような世界」は認識としては事実です。その現実を東京電力、政権中枢、当事者がどのような自覚、責任意識で触れたかではないかと思います。経済産業省の最高責任者として当事者責任を自覚し、このような事故を2度と起こさないぞと!分かる言葉、会見であれば問題にはされなかったのだと思います。次々に政治家が入れ替わり立ち代り、現地視察を行う、しかし何も事態は変わらない現状。その苛立ちを理解した上での発言と感じられたかどうかではないかと思います。

2つ目は、原発事故による放射能汚染を恐れる人からのメールなどを理由に福岡市内での出店が中止となった福島県産品店「ふくしま応援ショップ」。
 事実が明らかになった8日、「残念だ」との声が上がる一方で、汚染を恐れて避難してきた被災者からは「出来るだけ危険を避けたい」との本音も聞かれた。東日本大震災から11日で半年。被災地支援の難しさが、改めて浮き彫りになった。
 同ショップが出店する予定だった福岡市西区の商業施設「マリノアシティ福岡」。買い物をしていた元病院検査技師○さん(52)(福岡市)は「そうしたメールの意見が福岡県民の大多数の考えと思われると残念」と表情を曇らせた。
 かつて仕事で放射線を使用する機器を扱っていたと言い、「基準値以下のものだけを販売するとしており、問題はないと思う。正しい知識が大切」。出店を断念した市民グループ「ふくしまショッププロジェクト」へは「復興支援は息の長いものになる。これにめげず、新しい販売場所を探してほしい」と話した。

1人1人の日本国民がフクシマ問題は東北、福島県の別世界の問題かどうかを考えて欲しいと思います。我々の想像力、考える力、文化(「あいまいな日本の私」)が問われているのだと思います。九州は九州電力のやらせメール事件、玄海原発の稼動問題があります。仮にあってはならない事故が自らの地域で起きたらどうするのでしょうか。九州地区でも反対の立場になったら福岡も汚染地域、圏内に入ります。どうするのでしょうか?福島、東北の人は上記のようなことを言うのでしょうか。京都の大文字焼き「陸前高田松」と同じ話です。残念なことです。

興味深い話(フクシマ原発事故)

2011年09月09日 11時15分31秒 | 臼蔵の呟き
以下は京都大学原子炉実験所 新聞社と小出裕章助教との一問一答集です。福島県に汚染物質の中間処理施設を作ることに関して見解です。興味深い話ですので紹介します。

(質問1)菅直人前首相は、事故にかかわる「中間貯蔵施設」を福島に造りたいと言った。

小出助教
 今後、がれきや汚染水処理で生じる汚泥など、大量の放射性物質の保管が課題になる。世界中に飛んで行った放射性物質は、そもそも福島第1原発の原子炉の中にあったものであり、東電の所有物だ。それが東電の失敗で外部に出たのだから、東電に返還するのが筋だ。事故で出た廃棄物は(東京の)東電本店に持って行くべきだ。原発を地方に押しつけてきた東京の人たちはぜひ受け入れてほしいと思う。
 それでは土地が足りないので、福島第1原発敷地の中へ運ぶべきだ。本当に言いたくもないが、福島第1原発周辺で人が帰れない場所を「核の墓場」にせざるを得ないだろう。ただし、一般の原発から出た使用済み核燃料の「中間処理施設」にすべきではない。どさくさに紛れて保管を福島に押しつけることは絶対にあってはならない。

(質問2)経済産業省原子力安全・保安院が環境省の外局に設置される「原子力安全庁(仮称)」として再出発することをどう見ている?

小出助教
 経産省であろうが環境省であろうが、「原子力の推進」が国策なら立場は同じ。原子力推進の国策の中で、原子力の安全を確保できるわけがない。なぜなら、原子力は危険なものだからだ。
 私は毎日毎日事故が起きると言っているわけではない。しかし原発は時として事故が起きてしまうものだということを理解しなければならない。原子力を推進しながら、安全を担保できるかのように言うことは間違いだ。つまり、原子力をやめる以外に安全の道はないというのが私の主張だ。あり得ないが、もし私に「原子力安全庁長官になってほしい」と要請してきてもお断りする(笑い)。どんなに願っても「安全な原発」はあり得ない。

農業団体の放射能学習会に参加して

2011年09月09日 10時16分46秒 | 臼蔵の呟き
おはようございます。今日も仙台は快晴、湿度が低く秋らしい天気です。ゴーやは葉が黄色くなり、そろそろ終了の感じです。ススキも穂が出て月見の準備も出来ています。みやぎ、東北は3.11以降半年で追悼行事が今週末は多くなっています。仙台は定禅寺通りで音楽祭が開催されます。

昨日、圏内の農業団体の放射能学習会に参加しました。出席者は農業団体、農家などで会場いっぱいの出席者となりました。講師は大学教授でフクシマ事故のスクリーニングにあたっている研究者でした。感じたことを報告します。

1つ目は、農業者、農業団体が放射能汚染、生産物に汚染が広がることを非常に恐れているということです。一般的には当たり前の話ですが、生産物の汚染は即、収入なし、生活手段の崩壊に直結するとの危機意識が非常に強くあります。

2つ目は、生産者と消費者は完全に分断されているということです。消費者は少しでも放射性物質が入っていれば利用しない、買わないです。生産者は自分の土地から逃げることが出来ず、とにかく、自分の生産物から汚染物質が出て欲しくないとの思いです。この関係は頭で分かっていても解決しがたい矛盾、苦しみです。

3つ目は、政府、東京電力の対応が遅く、現場で何が起き、どうしたらよいかが分かっていないなと感じました。学習会も研究者によって話すことが違います。放射能汚染などはたいしたことがないとの姿勢、汚染は大きな問題だ、などなど科学的な事実の解釈を巡っては全く違った見解があります。それぞれの組織、団体が自分に都合の良い学習等を行う傾向があります。この点は、今後大きな問題を発生、残すこととなる可能性があります。

4つ目は、問題の本質が話されないことです。研究者なので自分の専門分野しか話はしません。そのことは参加者から見ると「一部」が「全体」のような誤解を生じさせています。さらに、自分たちが安心できればよいとの雰囲気も出てきます。なぜ、事故が起きたのか。事故が起きないようにするためにはどうすべきか。土地が汚染されたのはどうしてか。除染は必要なのかも分かりません。ただ、農業者が研究者の学習会を受けることはよいことですし、自分たちの今後を考えるきっかけになることを希望します。しかし、このようなことをしなければならないこと自身が原発事故、放射能汚染の深刻さと異常さを証明しています。

節電の温度差

2011年09月09日 07時53分55秒 | 蜂助の呟き
 おはようございます。蜂助です。今朝は九州の博多にいます。

 こちらは節電なんか関係ないようです。JRのガード下も真昼のように明るく、ホテルも飲食店もネオンや建物、オブジェなどのライトアップも・・・ここはどこの国?という感じです。仙台や東京のあの薄暗さは何なのでしょう。

 玄海原発は再開する必要は無いなと実感しました。

 テレビでは、あさズバ、めざましテレビ、NHKは全国放送ですので電力区制限令や節電、原発、震災の記事が報道されています。電力制限令が今日解除されますが、何とか会社でもやりきれたのですね。

 節電により特需があったのは、LED、扇風機などいくつかのものがあったそうです。私の家では、自慢じゃないがエアコンは持っていません。8月の電力料金は昨年に比べ2500円以上も節減して5300円で済みました。