“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

9.11テロ事件と戦争に関して

2011年09月12日 20時00分00秒 | 臼蔵の呟き
以下は、西谷修氏(東京外国語大学総合国際学研究所教授)の主張です。
参考に記載します。岩波書店「世界」10月号に論文が掲載されています。


9.11から10年、アメリカは「テロとの戦争」に失敗して、アフガニスタンやイラクに暴力的な混迷を作り出した。ニューヨークでどんなセレモ ニーを行おうと、「アメリカの戦争」のために命を落とし運命を翻弄されたアジアの何十万何百万の人びとは、何の慰めを受けることもないだろう。
 ところがこの戦争の「失敗」にもかかわらず「成功」したこともある。それは「ショック・ドクトリン」の適用であり、「衝撃と破壊」に便乗して 「規制」を撤廃し、国富を「自由化」された市場に流して吸い取る、社会的資産の「民営化」である。アメリカが政治的に失敗しても、この国家を操縦 する企業家たちはみずからの目的を果たしている。それを暴き出したのがナオミ・クライン(カナダ:ジャーナリスト)の本だ。
 ミルトン・フリードマンの広めた新自由主義は、市場の「自由」を実現するために、戦争や体制崩壊や災害による社会の崩壊に便乗する。「破壊」は 社会調整のためのあらゆる規制や慣習を一掃し、市場の「自由」を実現する好機なのだ。けれども、そこで利益を得るのは、心をもたず利己的な収益だけを求めて活動する市場のプレーヤーとしての企業である。
 日本の震災後の「復興」も、外部資本の跳梁する「自由化」の機会にさせてはならないだろう。それは被災地の人びとをさらにもうひとつの「被災」 にさらすことになる。

忘れないこと

2011年09月12日 15時30分44秒 | 臼蔵の呟き
姜尚中教授が話しているのを聞いてなるほどと思いここに書きます。

忘れないこととは=自分の問題として捉えること。
問題に寄り添い一緒に問題を考えること。

今、被災地、被災者が恐れることの1つに自分たちの存在が忘れ去られることといわれています。宮城県知事村井知事が震災直後(3月時点で)に「やがて忘れられるので忘れないような取り組みをして欲しい」「復旧、復興支援を継続的にして欲しい」と言っていました。共通した懸念です。
いやなことは忘れる。一見すると当たり前、正しいように感じますが、東日本震災被害は十年単位での復旧、復興事業となります。復興事業、事業への資金投入は継続性が必要と思います。姜尚中教授が言うように自分の問題として捉え、寄り添い考えることが重要だと思います。2001年9.11テロ事件、その後のテロとの戦いで20万人をこえる軍人、民間人が犠牲になったこと、そのことの意味、今後どうしなければならないか(貧困根絶、宗教対立を煽らない、軍事力の行使は問題解決にはならないこと)などは生き残っている(生きている)自分の「現在、未来に向けての課題」だと思います。
また、1995年1.17阪神大淡路大震災の復旧、復興状況、その中での歴史的教訓(仮設住宅での孤独死、地域社会の維持、復旧に当たっての支援策)などを生かすことが自分たちの課題だと思います。





震災復旧と政治

2011年09月12日 13時12分40秒 | 臼蔵の呟き
仙台は快晴、気温が上昇しています。最高気温が30度になるといわれています。10,11日と震災後半年の追悼行事がひと段落しました。半年は「長く」「短く」もあったとの意見が多くあります。津波被害の浜通りは瓦礫が片付けられたのがやっとです。これで本当に復旧、復興できるのかという感じです。

北海道大学山口二郎教授の「日本政治の課題」(岩波書店)と不破哲三さんの読売新聞連載の政治活動の振り返り「時代の証言」(中央公論新社出版)を読んでみて感じたこと記します。山口教授は1990年初頭の細川政権誕生にかかわり、小選挙区制度の導入にも積極的役割を果たしたようです。これは初めて知りました。その理由は長期にわたる自民党政権の政治腐敗、政治の混乱を打開するためには政権交代が不可避であり、その政権交代するための政治制度の改革として「小選挙区制導入」を支持したようです。また、小選挙区制になれば選挙費用も少なく、政治家も選挙活動、集票活動に時間がかからなくなり、政策議論、政策起案に時間が割けるようになると考えたとかかれています。
ところが現実は全く予想を裏切り、政治家への献金問題は減少せず、政治腐敗も減らず、政策論争も盛んにはなっていません。なぜなのか?と教授自身が反省しています。

不破哲三さんの本は読みやすく、日本の政治の流れが自民党、社会党、公明党、共産党などがどのように政策を掲げて動いてきたかが分かります。政治史が非常に分かりやすく、当事者としての言葉で語られています。
その中でビックリしたことがあります。外交問題、アメリカ軍の核の持ち込み問題でアメリカ国務省の資料で密約があることが資料として出ているのですが、国会の場で自民党小渕首相に問いただしたところ「ない」「ない」の一点張りであったと書かれています。不破さんは質問資料を事前に自民党政権に提示しているのですが、その資料を見ていない、理解していないで党首討論、質疑に出ていると書かれています。これが自民党政権のやり方=この不誠実さをみて底知れぬ恐ろしさを感じたそうです。その小渕政権で赤字国債の残高が100兆円も増加したとも記されています。そうだろうな。全く、日本の今後を考えて政策的、予算組みをする能力、姿勢をもっていなかったのだと思います。

面白いのは、政権が代わり、政党の組み合わせが変わっても何も政治が変わらず、政治の閉塞状況が続くことに関して記述しています。それはアメリカべったり、アメリカの価値観を最重視した政治とお金持ち、大企業のべったり(自民党政治の特徴)姿勢が変わらずその結果として日本の政治は閉塞状況から抜け出せない。なるほど。
山口教授の政治改革に関する考察(状況が打開できない)もこの話を読んで納得しました。野田政権がTPPを進めると経団連会長に話したそうです。指摘されている通りの政治課題、行動をとっています。彼らは民主党鳩山、菅氏より自民党的といわれ始めています。

身の回りの放射線量

2011年09月12日 07時28分13秒 | 蜂助の呟き
 今朝、職場から借りてきた線量計で身の回りの「空間放射線量」を測定してみました。この線量計は自治体の消防署などが使っている国産メーカーHORIBAの「PA-1000」という機種で16万円位する精度の高いものです。いくつか特徴的なことがわかりました。

 私は仙台市宮城野区に住んでいますが、仙台市の発表ではだいたい「0.077」です。単位は「マイクロシーベルト/1時間」。さて測定結果は

自宅前の道路    0.079
隣の家の前の道路  0・077
バス停前      0.093
バス停近くの緑地  0.111
家屋解体した跡地  0.054
市が埋めた空き地  0.060

次がわが家
玄関外       0.096
玄関の中      0.090
私の寝室      0.078
食卓        0.087
便所        0.085
茶の間       0.079

そして庭      0.106
向かいの家の庭   0.110

わかったことがあります。
①自宅の屋内の方が道路より放射線量が高い。
②緑地、庭は放射線量が高い
③庭に近かったり、緑地に近いところは放射線量が高い
④解体した跡地は3月には家が建っていたため汚染が少ない
⑤市の工事で土が盛られたところも線量が低い

 このことから屋内にいるより道路に居るほうが被爆量(被爆と言うほどの高い線量ではありません)が少ないことがわかります。一番多く被爆するのは庭や緑地です。森林浴はもっと被爆するのでしょうか。今度、大きな公園や山林を測定してみます。

 私の推測では、庭や緑地では雨などで汚染された放射性セシウムが土と結びついているために放射線量が高いのだと思います。自宅付近の道路は、汚染された3月12日~月末にかけて雨や雪がたくさん降ったので放射性物質が流されたため放射線量が低いのではないでしょうか。
 バス停やわが家の庭や外に近いところは放射線量が高い傾向にありますが、緑地や庭からの放出されている放射線の影響と考えられます。

 家の中に居るより、道路の上に居たほうが放射線による被曝が少ないのは何とも不思議な感じです。


原発の電気は高い

2011年09月12日 06時07分22秒 | 蜂助の呟き
 おはようございます。蜂助です。昨日は、仙台市で開催された「定禅寺ジャズフェスティバル」に行って来ました。

  

 けやき並木の美しい定禅寺通りの片側と中央の遊歩道を使っての演奏会です。仙台の中心部ではいたるところが会場になっていました。雨も、ほんの少し降っただけで涼しく皆さん大いに楽しんだのではないでしょうか。

  

仙台市役所の最上階の電光掲示板が14時46分を示しています。

  

 14時46分 「A」の音が街中に響き渡りました。全員が黙祷しています。終わった後に私の近くの方は涙をぬぐっていました。

 メイン会場の仙台市民広場では、ちょうど気仙沼市のバンドが舞台に立っており、司会が説明しながら14時46分を迎えました。


 ところで、一番安上がりな電源は原子力だと、ず~~~と教えられてきました。しかし立命館大学の大島堅一教授の試算によると原子力が一番高いのです。

原子力  10.68円(政府発表5.3円)
火力    9.90円(政府発表5.7~10.7円)
一般水力  3.98円(政府発表11.9円)

政府発表の計算のおかしいところ(ごまかし)は
①原発を運転開始から40年間稼動したとしての計算をしている。
②原発稼働率は実績で60~70%なのに80%と見込んでいる。
③燃料費、減価償却費、保守費用など発電に関わる直接費用のみで計算。
④送電の経費、使用済み核燃料再処理費用、国家財政から支払っている税金、 事故に伴う被害や被害補償費用は加えられていません。たぶん、一般会計のエネルギー対策費、特別会計の電源3法による関係自治体への箱物建設への補助なども一切計上されていないでしょう。
⑤当然、寿命が終わって廃炉にするための経費も見込んでいないでしょう。

 これでは詐欺と同じです。

 大島教授の試算では、これらをすべて計算して、10.68円/キロワット時と一番高い単価となっています。

 安全もウソ、価格が安いもウソ、本当のものは何も無いようです。原発はすべて廃炉の道しかありません。すぐには無理ですから、代替エネルギーによる発電の計画を早急に作り、電力使用量を減らしながら全原発廃止の道に歩むべきです。

 しかし全原発が稼動しなくなっても、使用済み核燃料、使用していない核燃料、その他汚染している施設、これらは放射線を出し続けたり、放置しておくこともできずに永久に「管理」し続けなければならないものです。 

 それにしても、罪深いものを作ってしまったものです。