“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

イスラム国への対策

2015年02月06日 12時59分44秒 | 臼蔵の呟き

報復の連鎖が現実に起きようとしています。アメリカのイラク、アフガン攻撃が、中東の紛争に火をつけ、シリア内戦、シリア内戦がイスラム国勢力の台頭を許しました。そして、イスラム国支配地域への空爆、戦闘行為が関連国への報復、人質殺害へと連鎖しています。

テロ事件、紛争のもとを断つには貧困、格差の是正を行うための政治経済的支援こそが最大かつ、重要な政治課題です。テロにおびえる政治、国家から解放されるのはこの道しかありません。

<琉球新報社説>イスラム国対策 攻撃でなく人道支援で

 過激派「イスラム国」は拘束中のヨルダン軍パイロットを殺害し、その映像をインターネット上で公開した。生きたまま焼き殺すという残忍さである。
 安倍晋三首相は「許し難い暴挙を断固非難する」との声明を発表した。オバマ米大統領の提案で18、19の両日、米ワシントンで開かれるテロ対策会議にも閣僚らを参加させる考えを表明した。
 安倍首相のイスラム国に対する非難は国民の多くが共有するだろう。テロ対策の強化に向けて、日本が国際社会と連携していくことも当然のことである。
 ただし連携に当たっては、日本が果たすべき役割は何かをしっかり見定める必要がある。米英など有志国連合の攻撃とは明確に一線を画し、人道支援に徹するべきだ。
 有志国連合が行うテロ対策は空爆など軍事行動が柱であり、一般市民が被害を受けることは避けられない。米国も「いかなる軍事行動でも民間人が巻き込まれ死傷するリスクがある」(パワー米国連大使)と認めている。
 イスラム国空爆は昨年8月以降、米メディアによると2千回を超えている。この間、多くの一般市民が犠牲になったことは容易に想像がつく。
 何の罪もない子どもを含む市民が犠牲になる空爆を正当化できる訳がない。国際社会はイスラム国の資金源を断つことや雇い兵志願者を出さないことに全力を挙げるべきだ。
 パイロット殺害後、ヨルダン当局は報復としてイスラム国が釈放を求めていた死刑囚2人を直ちに処刑した。イスラム国はパイロット殺害映像の最後で、空爆に参加しているヨルダン軍パイロットとされる男性らの名前や顔写真、自宅地図を映し、殺害を呼び掛けている。
 「憎しみの連鎖」「報復の応酬」が懸念される事態であり、それをエスカレートさせるようなことがあってはならない。
 安倍首相は邦人2人が殺害されたとみられる事態を受けて「罪を償わせるために国際社会と連携していく」と表明した。
 イスラム国はこのメッセージを宣戦布告と判断し、空爆を続ける有志国連合に日本も入ったと受け取る恐れがある。話し合いで解決できる相手ではないだけに、安倍首相は発言に慎重であるべきだ。


死刑制度の是非

2015年02月06日 10時48分40秒 | 臼蔵の呟き

殺人に対して国家の死刑制度を持って対応することに対する疑問です。国家が法により犯罪者を死刑にすることを容認するかどうか。考えなければなりません。

<東京新聞社説>死刑制度 国民的な議論を活発に

 裁判員裁判の死刑判決を破棄し、無期懲役とした二審の判断を最高裁は妥当だとした。死刑廃止が世界の潮流だが、日本では市民が究極の決断を迫られる。今こそ国民的な議論を活発化すべきだ。

 「死刑の適用は慎重に行い、公平性の確保が求められる。裁判員裁判でも過去の裁判例の集積から検討し、その量刑判断を出発点に議論することが不可欠だ」

 裁判員裁判とプロの裁判官とで司法判断が分かれた二つのケースで、最高裁はそう初の判断をした。

 死刑を選択するかどうかは、一九八三年の最高裁判決が、殺害方法や被害者の数、前科など考慮すべき九項目の要素を示した。いわゆる「永山基準」である。

 それ以来、この基準をベースに判例が積み重ねられてきた。究極の刑罰ゆえに、その適用の場合は「どうしてもやむを得ないという根拠を具体的に示す必要がある」(最高裁)のは当然である。それは、職業裁判官でも市民の裁判員の場合でも変わらない。「考え抜いた結論なのに」と戸惑う裁判員がいても、慎重の上に慎重を期した判断が求められる。

 それ以前に死刑制度そのものの理解は国民に深まっているのだろうか。国際的に二〇一三年末段階で、死刑廃止国は百四十あるのに対し、存置国は五十八にとどまる。三分の二以上は死刑廃止なのだ。韓国は、制度があっても十七年以上、執行を停止し、事実上の廃止国である。

 一二年の国連総会では決議の中で「冤罪(えんざい)で死刑が執行されれば取り返しがつかない。犯罪抑止効果がある確実な証拠もない」と表明された。日本に対しても廃止に向けた勧告がしばしば出される。

 一方、内閣府が昨年十一月に行った世論調査では、死刑制度を容認する人の割合が80・3%に上った。過去最高だった前回の〇九年調査よりも5・3ポイント減ったものの、依然高い水準にある。

 だが、英国では81%、フランスでは62%の死刑支持率があっても、死刑廃止に踏み切った歴史がある。無実の人を処罰する可能性が捨てきれないからだ。日本でも死刑事件について、戦後、四件の再審無罪判決が確定している。昨年三月には袴田事件で再審開始が決定されたばかりだ。

 死刑制度には秘密主義の悪弊もある。どんな刑罰なのか、死刑囚の処遇はどうなのか-。裁判員時代には、もっと情報公開も進めなければならない。


論理のすり替えはやめよ!

2015年02月06日 05時08分05秒 | 臼蔵の呟き

国会審議の内容は、ここで述べられた通りです。極右議員集団である次世代の党議員の質問に答える形で、憲法九条の改悪を述べる安倍、自民党極右政権。今回のイスラム国でのテロ事件を自らの憲法改悪に結びつけ、論理のすり替えを行う。彼らは、人命尊重、国民の生命財産を守ると称して、国内外で、日本人へのテロ行為を誘発する言動をとり続けています。

憲法九条が戦後の日本社会を平和で、安定した時代への導き、経済的な発展を保障する土台となったことは明らかです。その憲法九条をテロを理由として改悪の根拠とするとはあさましいというしかありません。

<琉球新報社説>9条改正主張 論理のすり替えはやめよ

 あまりの論理の飛躍にあぜんとするほかない。
 安倍晋三首相が3日の参院予算委員会で、邦人人質事件に絡み、自衛隊の任務拡大を視野に入れた憲法9条改正に意欲を示した。
 安倍首相は筋金入りの改憲論者であり、これまでも9条改正に前のめりの姿勢を隠していない。それにしてもだ。日本人2人の命を救えなかった今回の人質事件を9条改正の必要性と結び付けるのは、我田引水も甚だしく、こじつけ以外の何物でもない。
 首相は「なぜ改正するかと言えば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と持論を述べた。質問に立った次世代の党の和田政宗氏が9条改正を呼び掛け、首相が呼応した格好だ。
 首相答弁を裏読みすれば、自衛隊の活動に制約を課している憲法9条があるから、国民の生命と財産を守ることができない-と主張しているも同然ではないか。人質事件における問題の矛先を9条に向けるのは、論理のすり替えだと指弾せざるを得ない。
 今回、仮に自衛隊を派遣できていたとしても、残忍な過激派「イスラム国」が支配する地域から、居場所すら分からない人質を救出することは不可能だったはずだ。
 安倍政権が何よりもまず、今なすべきことは、この間の政府対応に関する検証作業だ。危機管理やテロ対策、情報収集力は十分に機能したのか、否か。それこそ安倍外交が厳しく問われてしかるべきだ。
 2012年末の安倍政権の発足以降、平和憲法の理念は、ただでさえ空洞化の危機にさらされている。昨年7月には、従来の憲法解釈を変更し、自国が攻撃を受けていなくても他国への攻撃を実力で阻止する集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行った。
 自国の守りに徹する専守防衛は、1954年に自衛隊が発足して以来の基本方針だが、国民的議論もないまま、一政権の一存だけで、安保政策を大転換したことは記憶に新しい。武器輸出三原則に基づく禁輸政策の見直しもしかりだ。
 安倍首相が推進する「積極的平和主義」は、今や諸外国に対し、日本は戦争ができる国になったとのメッセージを発していないかと強い危惧を覚える。首相は9条改正に前のめりになるのではなく、憲法の根本理念である平和主義に立ち返るべきだ。