“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

末期的新自由主義の政治経済混乱と未来

2015年12月11日 12時46分58秒 | 臼蔵の呟き

資本主義が封建主義に代わって、登場し、世界の多くの国々に採用、適応されて政治経済の指導的原理とされてきました。しかし、アメリカの経済的衰退、大手企業の退廃的な経営姿勢、世界におけるアメリカの指導性の低下と終焉、――そのアメリカに頭を押さえられ、彼らの言うがままの政治経済をし続ける日本の自民党型政治。イギリスの衰退、フランス、イタリア、スペイン、ギリシャの財政破たんなどの経済的な混迷、ドイツの経済的、政治的台頭への恐怖―――中国の経済的な成長と領土拡張主張などーーー先進工業国における経済的な低迷と、軍事力依存の結果、国力の消耗が激しくなり、その補完策としての国民収奪と社会保障制度の後退―――一層の貧富の格差拡大。これらが現在の治安悪化と政治的な混乱、右翼勢力の台頭・排外主義を引き起こしています。

その主要な問題は、多国籍企業、大手金融機関、国際的な闘士集団による利益至上主義、資源の収奪、投機、利益の海外逃避、労働賃金に切り下げーー企業の社会的な責任を放棄した政治経済姿勢にあります。この多国籍企業、大手金融機関、国際的な闘士集団から政治資金を受けて政治経済を彼らに奉仕するように捻じ曲げる。巨額資金で政権、政治を買収するような政治を規制し、国民が主人公となる政治制度に転換しなければなりません。

<内田樹教授の文書>レヴィナス『モーリス・ブランショ』新装版のためのあとがき

「新装版のためのあとがき」

私たちは再び、ほぼ半世紀ぶりに、地殻変動期に遭遇している。そういうときに相変わらず「成長戦略」とか「官製相場」とか「非正規雇用によるコストカット」といった「平時的」イシューにしか頭を使わない人たちと、「そんなこと言っている場合じゃないのではないか・・・」としだいに不安になっている人たちの間では選好する書物に違いが出て来て当然である。
 メディアで行き交っている言葉に納得できず「そのような表層的な知性の使い方では、今起きている出来事のほんとうの意味は把持できないのではないか」と思う人たちは直感的に「非常時用」の書物を探し始める。レヴィナスはそのような文脈の中で選ばれた。私はそう推論している。
 レヴィナスが読まれることは一人の(自称)弟子としては素直にうれしく思う。けれども、レヴィナスのような根源的知性に対する需要が高まるのは、「平時」が終わりつつあることの徴候だと思うと、複雑な気持ちになるのである。


低所得者の対策  まやかしの 軽減税率密室議論

2015年12月11日 11時45分31秒 | 臼蔵の呟き

 「最後に人気取りのツケを払うのは国民であることを忘れてはならない。」消費税率の導入と徴税金額と法人税率減税額が一致するのは、消費税制度が社会保障の充実に使われるのではなく、大手企業の法人税の減額に利用されていることを証明しています。また、財源額なくて、国債を発行すると言いながら、低所得者に厳しい消費税で収奪をしながら、史上最高の利益を上げる多国籍企業、大手企業には減税する。これこそが逆転と悪政のさえたるものです。そもそも輸出企業には戻し減税で、巨額の消費税の戻し利益が還付されているのです。また、大手企業には研究開発費の補助などを通じて減税に相当する制度があり、実際に大手企業が支払っている税金は10%台になっているといわれているのですから、詐欺みたいな話です。

「医療・介護負担の低所得者対策分を税収減の穴埋めに使うというのだから、政府・与党の決定は本末転倒だ。」「 もともと弱者を支える社会保障費が足りないからと消費税を増税すること自体に矛盾があった。再分配機能を強化し公平性を高めることこそが求められる。」

<信濃毎日社説>軽減税率導入 低所得者の対策どこへ

 こうも食料品の値上げが相次ぐと、消費税率は低くしてほしいというのが庶民の願いだろう。2017年4月の消費税増税時に導入する軽減税率について尋ねた共同通信の世論調査では、対象品目が広がるほど支持が多い。

 品目をめぐり攻防を続けた与党協議は自民党が公明党の案をのむ形で合意する見通しだ。対象が広がると喜んでいいのだろうか。

 生鮮食品・加工食品をすべて含む公明案は税率8%だと年間約1兆円の税収減になる。減った分の穴埋めが課題だ。すでに約4千億円分は医療や介護にかかる低所得者の負担軽減策を見送って捻出することになっている。

 何のための軽減税率なのか。

 本来、税制の使命は所得と資産の再分配にある。ところが消費税は収入の低い人ほど負担感が重くなる欠陥「逆進性」を持つため、対策が必要だった。

 与党の論議は低所得者対策として始まった。一般に高所得者ほど食料品の購入額が多いので負担軽減になり、逆進性に対する効果は薄いことが分かっている。値の張る高級品を除くというなら効果も期待できようが、現実の区分は難しい。そもそも軽減税率の仕組みに頼ることに無理がある。

 しかも医療・介護負担の低所得者対策分を税収減の穴埋めに使うというのだから、政府・与党の決定は本末転倒だ

 軽減税率で先行した欧州でも多くの問題が指摘される。よく言われるのは、一度始めると業界の既得権になり、是正したくても後戻りできないことだ。むしろ選挙の票目当てに使われ、品目が広がりやすい。税率10%段階での採用には慎重を要する。

 経済専門家には批判が多いことも踏まえておきたい。学者や弁護士でつくる「民間税制調査会」が格差是正や所得の再分配を重視した税制改革案を公表している。軽減税率は政治的にも理論的にも採用すべきでないとし、低所得者対策は減税と現金支給を組み合わせた「給付付き税額控除」を優先するよう提言した。

 もともと弱者を支える社会保障費が足りないからと消費税を増税すること自体に矛盾があった。再分配機能を強化し公平性を高めることこそが求められる。

 与党協議は安倍晋三首相の指示で合意に向かった。来年の参院選対策の色合いが濃い。財政再建の見通しも一段と厳しくなる。最後に人気取りのツケを払うのは国民であることを忘れてはならない。


党利党略で税制を決めるな

2015年12月11日 10時56分18秒 | 臼蔵の呟き

あらゆる政策、事業には資金が必要であり、その資金の源は税制です。その税制が安倍、自民党、山口、公明党の密室協議で決まる。しかも、その決めるときの要因が選挙に勝てるかどうか。選挙協力が出来るかどうか。――要は、安倍、山口自公政権が多数派となり、政権を維持できるかどうかであった。本当にここで言うように、「自分たちのポケットマネーのごとくに税金が扱われる。」このようなことを糾弾し、やめさせなければなりません。

そもそも、税制は国家財政を構成する主要な財源確保です。その主要な課題として、所得の再配分、――所得に応じた累進課税、法人税、株式配当・取引への課税――これらはその趣旨を税制として実現しているものです。その意味では消費税率などは逆累進、低所得者に厳しい制度であり、止めなければなりません。実際に、アメリカは州別には消費税制度を取っている州がありますが、国としての消費税制度はありません。資本主義国家の頂点にあるような国家でも、税制として採用していません。

生鮮食品、加工食品を課税するかどうかよりも、消費税制度を止めることこそが低所得者の所得再配分、救済に必要な議論です。何か軽減されるかの幻想をふりまく、安倍、山口、自公政権のごまかしと国民を愚弄する密室協議を止めさせなければなりません。また、国会の場で議論し、国民に開示しなければならないことが与党内で談合により決まることこそが国家軽視、異常なことです。

 <東京新聞社説>与党税制大綱 党利党略で決まるのか

 税制改正大綱の決定を前に軽減税率をめぐる与党間のドタバタ劇は、国民が納める税金が選挙協力の取引に使われる実態を見せたようだ。国家の根幹である税制が党利党略で決まっていいのか。

 国民不在の密室協議でまるで自分たちのポケットマネーのごとくに税金が扱われる。

 消費税率を10%に引き上げる際に導入する軽減税率の対象範囲をめぐり、自民党は対象を「生鮮食品」のみと主張、公明党は「生鮮食品と加工食品すべて」と食い違った。減税額はそれぞれ四千億円、一兆円と大きく異なり、幹事長同士が外遊先の中国も含め連日協議したが難航した。

 この間、「六千億円まで」「いや八千億円でどうか」などの交渉が続いた。結局、来夏の参院選での選挙協力を最優先する声に押される形で自民党側が公明党案を丸のみしたのである。

 対象拡大は痛税・増税感を和らげるものとはいえ、こんなやり方がさも平然と行われるのはなぜか。たとえば先に民間税調が指摘したように、国民は税を徴収されるまま、政治家と役人任せの税制となっているためだろう。安倍晋三首相は「成長と分配の好循環」を掲げてはいるが、この税制大綱を見渡しても富める者から弱き者への「分配」の要素を見つけることができない。

 法人税の実効税率引き下げなど、いつもの企業、富裕層寄りばかりである。本来、税制には財源調達とともに所得や資産など富の再配分による格差是正という重要な役割がある。

 財界の要望通りに法人税の実効税率は二〇一六年度に29・97%となり、2013年度の約37%から三年で約7%も引き下げる。

 法人税にはすでに研究開発などのための特別の減税措置も多く、それによって課税対象は本来の三割程度にまで狭められている。こうした政策減税は産業構造が大きく変わる中で役目を終えたものも少なくない。

 税率を下げるなら特別措置を大幅に整理して財源を賄うのが筋だ。税率を下げれば海外企業の日本進出を促す効果があると期待するのも甘い。税制よりも規制や需要の大きさの方が投資条件の上位にある。

 今年は軽減税率にほぼ終始し、所得税などの改革は見送られた。もう年末の短期間にまとめるやり方は改めるべきだ。国民が納得できる税制を築くには、開かれた場の丁寧な議論が必要だからだ。