「東京電力福島第1原発事故の収束のめども立っていない。原発を輸出している場合だろうか。インドとの原子力協定の締結は、被爆国としてあまりに短絡的で許されるものではない。」
愚か過ぎて唖然とします。アメリカのご都合主義が、インドとパキスタンの核兵器開発、保持につながり、その流れを助長する安倍、山口自公政権には本当に驚きます。国内における憲法無視、戦争法の強行と一体の動きです。国内だけであれば、日本内での政治問題として国政選挙で決着がつきます。しかし、原発輸出、原子力協定となれば、他国とその周辺国の政治、軍事的不安定要因を日本が誘発させることとなります。
安倍、山口自公政権と多国籍企業・原子力産業が一体となっての暴挙は政治モラルの崩壊を物語っています。本当に亡国、世界の平和の流れに逆行する安倍政権を退陣させなければ、日本自身が世界で孤立し、政治的経済的に異常な国として認識されることとなります。これ以上の安倍、山口自公政権の非知性的な行動と平和敵視政策を止めさせなければなりません。
<琉球新報社説>インドへの原発輸出 核なき世界追求に逆行する
インドを訪問した安倍晋三首相はモディ首相と会談し、日本の原発輸出を可能にする原子力協定締結に原則合意した。インドは核拡散防止条約(NPT)にも包括的核実験禁止条約(CTBT)にも加盟していない。日本がNPT未加盟国と原子力協定を結ぶのは初めてだ。日本の原子力政策の転換であり、唯一の被爆国として追求してきた「核なき世界」に逆行し、日本の外交に大きな禍根を残した。
日本政府は軍事転用を防ぐ歯止め策として、インドが核実験を行った場合、協力を停止する考えだが、どういう仕組みや文言で担保するかは明らかにしていない。
インドは1974年、米国とカナダが提供した重水と原子炉を使って核実験を実施している。このため日米欧などの原子力供給国集団(NSG)が2008年まで原子力協力を禁じてきた。
しかし当時のブッシュ米政権がインドとの関係を重視し、原子力輸出を解禁するNSGルールの改定を提案した。日本も米国の圧力を受けて追認してしまった。改定後は米国、フランスなどが次々とインドと原子力協定を締結した。米国やフランスの原発大手と企業連合を組む日本がその潮流に組み込まれた形だ。核廃絶より経済利益を優先させたと批判されても仕方ない。
さらに日本は、輸出した資機材を使った原発から出る使用済み核燃料の再処理を認める方針を決めている。再処理は核兵器に転用できるプルトニウムを量産することになる。インドが軍事転用しない仕組みをどう作るのか。たとえプルトニウムが民生利用だけに限定されたとしても、インド国内にある希少なウランを核兵器製造だけに集中投入することに道を開くことになる。
インドと隣国パキスタンは長年対立を続け、共に核兵器を保有しているとみられている。パキスタンはインドの動きを警戒しており、核物質と核兵器の増産を着々と進めてきた。日本の原発輸出によって、インドの核兵器開発が進み、地域が不安定化したら、日本はどう責任を取るのか。
東京電力福島第1原発事故の収束のめども立っていない。原発を輸出している場合だろうか。インドとの原子力協定の締結は、被爆国としてあまりに短絡的で許されるものではない。