韓国は、日本ほどではありませんが国の財政が赤字、不足分を負債で賄っています。その対策についてこの社説でも論じています。
日本の安部、山口自公政権がとっている消費税率の引き上げ、法人税率の引き下げ、防衛費、公共投資の拡大などは日本経済、自民党型政治経済政策の行き詰まりを象徴的に示しています。
大手金融機関にゼロ金利で金利手数料分を付け替え、預金者の金利を金融機関に回すなどこれ以上ないでたらめな金融政策をとり続けています。同時に、国の赤字、1000兆円になる国債残高は、1%金利で10兆円、2%金利で20兆円、5%金利で税収のすべてが消えるという財政状況はでたらめの極みです。こんなことが永久に続くはずもなく、自民党型の財政政策、経済の成長頼みのでたらめな政治、経済委運営を止めさせなければなりません。
<朝鮮日報社説>借金まみれの韓国、バラマキ財政と決別せよ
韓国政府や政府系企業など公共部門が抱える負債が2014年だけで6.5%増加し、昨年末の時点で957兆ウォン(現在のレートで約98兆円)に達していたことがわかった。企画財政部(省に相当)が明らかにした。この額は国内総生産(GDP)の64.5%で、国民1人あたり1858万ウォン(約190万円)の借金を背負っている計算になる。また今年も負債が増え続けたのは間違いなく、もしかするとすでに1000兆ウォン(約103兆円)前後にまで膨れ上がっているかも知れない。これに現在1200兆ウォン(約123兆円)といわれる家計負債まで加えれば、国全体の借金は2100兆ウォン(約216兆円)を上回り、国全体が借金まみれで身動きも取れないような状況と言っても過言ではない。
負債の急激な増加は、大韓民国にとって今深刻な問題となっている経済全体の規模縮小の一つの現れでもある。その上経済を成長させる力も失われており、その結果、税収も見込み通り得られなくなっている。しかもこの状況を改善するどころか、逆に足下をすくい問題に拍車をかけているのが政治におけるポピュリズムだ。目の前の利益にしか関心のない国会や国会議員、さらに政治のリーダーシップが、限られた税金を優先順位の低いところにばかり投入し、財政に大きな穴を開けているのだ。先日国会で来年度予算が審議された時も、議員らは自らの選挙区向けの小規模な予算ばかりを要求した。公共部門の負債の拡大はまさに政治を危機的状況に追い込んでいるが、このことに国会も議員らも真剣に向き合おうとしないのだ。
減少を続ける税収をそれでも効率的に使うには、まず優先順位を明確に定め、その中でも大きな効果が見込める分野に予算を集中的に投入しなければならない。たとえば研究開発や新しい産業分野の開拓、工業団地や港湾といった産業インフラの建設がそれにあたり、これらの分野には今後も多くの予算を投入すべきだろう。しかし現実は正反対で、無償の福祉といった福祉ポピュリズムや、政治判断が優先された建設事業に巨額の血税が何の制止もなく投入されている。将来を見据えた建設的投資ではなく、1回使えばそれで終わりの単発の支出、あるいはどう考えても優先順位が低い分野にばかり予算が投入され、結果として負債が急増するという悪循環がすでに深刻な状況となっているのだ。
公共部門であれ家計であれ、負債の問題を解決する最善の方法は経済を成長させることだ。それには消費の活性化と雇用の拡大が何よりも求められるが、今のように財政の余力がほとんどない状況で、経済を活性化させる方法があるとすれば、それは構造改革しかない。雇用を柔軟に拡大させ、国民に新たな働き口を提供するには、企業に対する規制を撤廃していくしか方法はないのだ。そのため国会は今からでも労働関連法案や企業活力向上特別法などを成立させて企業の活力を高め、予算の面から構造改革を後押ししていかねばならない。公共部門の負債がすでに限界に達しつつある中、バラマキ公約ばかりを口にする議員や候補者、あるいは政党は来年の選挙で有権者による審判を必ず下さねばならない。 朝鮮日報