“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

膨張する 安倍政権の防衛費5兆円超

2015年12月27日 09時23分17秒 | 臼蔵の呟き

「中期防で定めた総額を守ることは防衛力整備に「節度」を取り戻すための最低条件である。安保法が成立しても総額は維持するという首相の言葉に偽りはないのか。法律を成立させるための方便にすぎなかったとしたら、国民を欺く食言との批判は免れまい。

日清戦争、日露戦争、中国・アジア侵略戦争時は、国家予算の85%が戦費、軍事費として使われました。残りの15%をもって社会保障、医療、公共事業を賄いました。ですから、戦争をするということは圧倒的多くの国民は我慢を強いられます。――勝つまでは欲しがりません。これはこのような財政危機を天皇制政府と日本軍が国民をだますスローガンとして使われました。したがって、尖閣が、南シナ海が中国によって侵されるーーーなどとの安部、極右の「宣伝」で自衛隊の海外派兵、軍備増強が必要との「善意の心配」は結果的に、自らの生活と国の疲弊を促進する安部、極右戦略に加担するものです。

紛争は、軍事行動で解決することはできません。紛争を話し合いで解決する。その基本を確立し、守ることこそが相手国、日本、東アジアの平和と安定に貢献します。そのことはイランへのアメリカブッシュ政権の軍事行動が中東諸国の大混乱が証明しています。その挙句、ISのテロ行動は頻発しているのだと。このような愚かな行動を止めなければなりません。日本国憲法9条は世界が目指し、実現しなければならない平和と安定の政治的目標です。

<東京新聞社説>防衛費5兆円超 どこまで膨張するのか

 防衛費はどこまで膨張し続けるのか。二〇一六年度予算案では四年連続の増額となり、初めて五兆円を突破した。安倍政権は国際情勢の変化を名目に、防衛費の聖域化を進めているのではないか。

 一六年度防衛費の総額は五兆五百四十一億円。過去最高だった一五年度の四兆九千八百一億円から七百四十億円、1・5%増だ。

 2002年度の四兆九千五百五十七億円をピークに2012年度まで減少傾向が続いていた防衛費は、安倍晋三首相が政権復帰後に初めて編成した2013年度で一転、増額に転じた。以後、四年連続の増額だ。

 政権側は、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発など、アジア・太平洋地域の安全保障環境の変化を増額理由に挙げている。

 国民の命や暮らしを守るために防衛力を適切に整備することは政府の役割だが、予算を際限なく増やしていいというものでもない。   

特に、防衛費を増やし続けることは、軍事大国化の意思ありとの誤ったメッセージを国際社会に送りかねない。周辺国に軍備増強の口実を与え、軍拡競争に陥る「安全保障のジレンマ」は厳に避けなければならない。

 防衛力整備の方針を示す中期防衛力整備計画(中期防)は一四年度から五年間の防衛費の総額を二十四兆六千七百億円程度と定め、調達の効率化や合理化などで七千億円程度縮減し、二十三兆九千七百億円程度に圧縮すると定める。

 一四~一六年度の当初予算の総額は十四兆九千百九十億円。現在のペースで防衛費が増加し続ければとても中期防の枠には収まらない。そればかりか毎年二千億円程度が補正予算で計上されており、防衛費はさらに膨らむ。

 気掛かりなのは、安倍政権が九月に成立を強行した安全保障関連法と防衛費との関係だ。

 自衛隊の活動範囲が広がることによって新たな装備や訓練が必要となり、防衛費の膨張は避けられないはずだが、安倍首相は国会で「中期防で五年間の防衛費の総額を閣議決定しており、新たな平和安全法制で全く新しい装備や、装備の大増強が必要になることはない」と答弁している。

 中期防で定めた総額を守ることは防衛力整備に「節度」を取り戻すための最低条件である。安保法が成立しても総額は維持するという首相の言葉に偽りはないのか。法律を成立させるための方便にすぎなかったとしたら、国民を欺く食言との批判は免れまい。


借金まみれの国家財政

2015年12月26日 13時00分24秒 | 臼蔵の呟き

韓国は、日本ほどではありませんが国の財政が赤字、不足分を負債で賄っています。その対策についてこの社説でも論じています。

日本の安部、山口自公政権がとっている消費税率の引き上げ、法人税率の引き下げ、防衛費、公共投資の拡大などは日本経済、自民党型政治経済政策の行き詰まりを象徴的に示しています。

大手金融機関にゼロ金利で金利手数料分を付け替え、預金者の金利を金融機関に回すなどこれ以上ないでたらめな金融政策をとり続けています。同時に、国の赤字、1000兆円になる国債残高は、1%金利で10兆円、2%金利で20兆円、5%金利で税収のすべてが消えるという財政状況はでたらめの極みです。こんなことが永久に続くはずもなく、自民党型の財政政策、経済の成長頼みのでたらめな政治、経済委運営を止めさせなければなりません。

<朝鮮日報社説>借金まみれの韓国、バラマキ財政と決別せよ

 韓国政府や政府系企業など公共部門が抱える負債が2014年だけで6.5%増加し、昨年末の時点で957兆ウォン(現在のレートで約98兆円)に達していたことがわかった。企画財政部(省に相当)が明らかにした。この額は国内総生産(GDP)の64.5%で、国民1人あたり1858万ウォン(約190万円)の借金を背負っている計算になる。また今年も負債が増え続けたのは間違いなく、もしかするとすでに1000兆ウォン(約103兆円)前後にまで膨れ上がっているかも知れない。これに現在1200兆ウォン(約123兆円)といわれる家計負債まで加えれば、国全体の借金は2100兆ウォン(約216兆円)を上回り、国全体が借金まみれで身動きも取れないような状況と言っても過言ではない。

 負債の急激な増加は、大韓民国にとって今深刻な問題となっている経済全体の規模縮小の一つの現れでもある。その上経済を成長させる力も失われており、その結果、税収も見込み通り得られなくなっている。しかもこの状況を改善するどころか、逆に足下をすくい問題に拍車をかけているのが政治におけるポピュリズムだ。目の前の利益にしか関心のない国会や国会議員、さらに政治のリーダーシップが、限られた税金を優先順位の低いところにばかり投入し、財政に大きな穴を開けているのだ。先日国会で来年度予算が審議された時も、議員らは自らの選挙区向けの小規模な予算ばかりを要求した。公共部門の負債の拡大はまさに政治を危機的状況に追い込んでいるが、このことに国会も議員らも真剣に向き合おうとしないのだ。

 減少を続ける税収をそれでも効率的に使うには、まず優先順位を明確に定め、その中でも大きな効果が見込める分野に予算を集中的に投入しなければならない。たとえば研究開発や新しい産業分野の開拓、工業団地や港湾といった産業インフラの建設がそれにあたり、これらの分野には今後も多くの予算を投入すべきだろう。しかし現実は正反対で、無償の福祉といった福祉ポピュリズムや、政治判断が優先された建設事業に巨額の血税が何の制止もなく投入されている。将来を見据えた建設的投資ではなく、1回使えばそれで終わりの単発の支出、あるいはどう考えても優先順位が低い分野にばかり予算が投入され、結果として負債が急増するという悪循環がすでに深刻な状況となっているのだ。

 公共部門であれ家計であれ、負債の問題を解決する最善の方法は経済を成長させることだ。それには消費の活性化と雇用の拡大が何よりも求められるが、今のように財政の余力がほとんどない状況で、経済を活性化させる方法があるとすれば、それは構造改革しかない。雇用を柔軟に拡大させ、国民に新たな働き口を提供するには、企業に対する規制を撤廃していくしか方法はないのだ。そのため国会は今からでも労働関連法案や企業活力向上特別法などを成立させて企業の活力を高め、予算の面から構造改革を後押ししていかねばならない。公共部門の負債がすでに限界に達しつつある中、バラマキ公約ばかりを口にする議員や候補者、あるいは政党は来年の選挙で有権者による審判を必ず下さねばならない。        朝鮮日報


楽観的試算からは何も生まれないTPP影響試算 

2015年12月26日 12時00分50秒 | 臼蔵の呟き

TPP交渉の全過程で、内容を隠蔽し、政権が勝手に試算して、その試算が正当性を持つはずがありません。そもそも、自民党も、他の政党も国会決議において関税撤廃を規制しました。その決議に反する協定交渉、協定が政治的に正当性を有するはずがありません。

もう1つは、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの大規模農業、一次産業と日本のような国土が狭く、家族経営の農業、一次産業を比較し、強い農業、競争力などというスローガンが不当なのです。

安部、甘利などの妄言は全くの国民だましで、農業従事者、一次産業従事者を愚弄することをやめさせなければなりません。

<北海道新聞社説>TPP影響試算 楽観論は不信招くだけ

 あまりに楽観的だ。これでは農家の不信を招くだけではないか。政府は環太平洋連携協定(TPP)の影響試算を発表した。

 牛肉・豚肉の関税の大幅引き下げに伴う価格低下など、農林水産物の生産減少額は約1300億~2100億円とした。2年前に関税の即時撤廃を前提に算出した3兆円を大幅に下回った。一方、貿易拡大などにより、実質国内総生産(GDP)の押し上げ効果は前回試算の4倍の約13兆6千億円とはじいた。

 甘い条件設定により、農林水産物の減少額は小さく、GDPのプラス効果は大きく見せている。

 来年の国会でのTPP批准への期待や、参院選で農家の反発をかわす狙いから都合のいい数字を並べたと言われても仕方あるまい。

 政府はお手盛りの試算ではなく、有識者の見方を取り入れるなど、客観的な分析に努めるべきだ。

 試算は、年数をかけての関税撤廃や投資のルールが定着したあとの10~20年後を想定した。

 首をかしげるのは、試算対象の農林水産33品目の国内生産量はいずれも減少せず、食料自給率も39%を維持すると見込んだ点だ。

 通常、輸入価格の下落は、国産品の価格安やシェア低下を招く。

 政府は、農業対策でコスト削減や品質向上を図れば生産を維持できると強調するが、これは希望にすぎない。国家財政は厳しく、長期間支援できる保証はない。

 コメの場合、米国、オーストラリア向けに無税輸入枠が新設される。政府は備蓄米買い増しで受給調整するが、両国は安値で日本市場に本格参入する可能性が高い。

 それなのに政府は生産量、生産額とも影響ゼロとした。生産者が「あり得ない想定だ」と反発するのは当然だ。政府は批判を正面から受け止め、再考すべきだ。

 加工品や関税率10%未満の品目を試算対象から外したことも、疑問だ。道内が最大産地のタマネギなどへの影響が皆無とは言い切れないはずだ。

 試算を公表する以上、より丁寧な影響額の上積みが求められる。

 GDP押し上げについて、政府は関税撤廃による輸出増が国内の賃金上昇や設備投資の強化につながるとみる。しかし、大企業は既に海外拠点を強化しており、国内投資を呼び込めるかは未知数だ。

 TPPで関税撤廃を免れた品目も、発効7年後に引き下げや撤廃の協議の対象となる。自由化がさらに進めば、試算の前提が崩れてしまうことを忘れてはならない。


新安全神話の暴挙 高浜再稼働へ

2015年12月26日 11時10分24秒 | 臼蔵の呟き

「福島第1原発事故は、暴走した原発が国土と後世にどれほど深刻な影響を与えるのか浮き彫りにした。事故を招いたのは、想定を超える事態は起きないという安全神話に、政府や東電、専門家が寄り掛かったためではなかったのか。」

そもそも、原子力発電に安全などということがあるのでしょうか。科学技術に絶対に安全などということはない。これは、原子力発電に反対する識者、原子力推進する識者ともに共通しています。しかし、結論は全く異なり、反対する人はだから再稼働反対、廃炉、再生可能エネルギーへの移行を提唱します。また、再稼働賛成派の原子力産業、電力会社、御用学者は、事故確率は限りなく低い。したがって、どのような科学技術にも100%はあり得なのだから、再稼働容認、原子力エネルギーの依存は正しいと主張します。

福井地裁が4月に判断した原子力発電所は、普通の科学技術とは比較すべきもない。絶対に安全であることが要求される技術、産業であり、そのことが100%保証されない以上、再稼働はできないとする判断こそが正当性を持つのであると思います。

今回の裁判官、福井知事、地元自治体長、賛成議員、容認派は、すべて、経済的な利益を優先し、事故による被害、損害補償額、被害発生の場合の時間的、空間的な回復不能の放射能汚染を考慮しない点で共通しています。

しかも、この裁判官、福井知事、地元自治体長、賛成議員、容認派は実際に事故が起きても一切、世紀人を取らない点でも共通しています。福島第一事故では自民党政権、東京電力、福島県知事、自治体の推進派の誰一人として自分の責任を認めていません。本当に社会的道義の一かけらもない連中です。

<信濃毎日社説>高浜再稼働へ 新安全神話を創るのか

 このままでは原子力規制委員会の新規制基準に寄り掛かり、安全性がおろそかにされるのではないか。福井地裁が、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を差し止めた4月の仮処分決定を取り消した。

 関電はきのう、高浜原発3号機に燃料装填(そうてん)を始めた。来年1月下旬に再稼働させる。九州電力川内原発1、2号機に続き、原発の巻き戻しが着々と進む。

 福井地裁は4月の決定で、新規制基準を「緩やかにすぎ、合理性がない」として、適合しても安全性が確保されないと判断した。今回の決定は、新規制基準を「最新の科学的・技術的知見に基づき合理性がある」と認定。適合した2基を安全と認めている。

 最も異なるのは、原発の安全性に対する考え方だ。

 4月の決定は、原発事故は「他の技術の事故と異なる」として、新規制基準には「適合していれば万が一にも深刻な災害は起きないといえる厳格さ」を求めた。

 今回は、原子炉施設に絶対的安全性を想定することはできないと指摘。その上で「原子炉施設の危険性が社会通念上、無視し得る程度にまで管理されているかという観点で厳格に審理・判断するべきだ」とした。

 福島第1原発事故は、暴走した原発が国土と後世にどれほど深刻な影響を与えるのか浮き彫りにした。事故を招いたのは、想定を超える事態は起きないという安全神話に、政府や東電、専門家が寄り掛かったためではなかったのか。

 それなのに福井地裁は、専門家を信頼して判断を委ね、自らは安全性の判断に踏み込まなかった。「新規制基準に合格した原発は再稼働する」という政府の方針を追認している。新たな安全神話にもなりかねない。

 高浜原発で事故があれば、被害は京都府や滋賀県にも及ぶ。福井地裁は「過酷事故の可能性が全く否定されるものではない」と付け加え、避難計画などの対策を講じることが極めて重要とした。両府県では合同避難訓練は行われておらず、計画通りに避難できるのか検証されていない。このまま再稼働を認めることは自らの判断に反する。

 両府県は関電が同意を得る「地元」に含まれていない。滋賀県知事は「再稼働を容認できる環境にはない」、京都府知事は「同意プロセスから外れているのは遺憾」としている。自治体や住民の不安を無視してはならない。


従軍慰安婦:同床異夢の韓日 岸田外相来韓

2015年12月25日 12時45分37秒 | 臼蔵の呟き

従軍慰安婦問題は、旧天皇制政府と日本軍が行った戦時性暴力であり、どのような理屈をつけても消すことができない歴史的な事実、日本軍(国家権力そのもの)の蛮行です。

安部、自民党極右、靖国派が戦争できる国造りで一番隠したい、侵略戦争のおどろおどろした日本軍の蛮行を隠蔽し、侵略戦争を否定し、聖戦とするための一貫した歴史改ざんの中心に位置づける課題です。その点では、安部、自民党極右、靖国派は従軍慰安婦という言葉を歴史上消去し、マスコミの報道からも消去することをねらっています。彼らは本当に愚かで、小心者たちです。

<朝鮮日報>従軍慰安婦:同床異夢の韓日 岸田外相来韓に韓国政府周辺では慎重論も

 日本の岸田文雄外相による韓国訪問は、産経新聞元支局長に対する無罪判決、韓日請求権協定の違憲判断却下という流れの中でますます注目を集める。韓日関係で論議を呼んだ問題が相次いで整理され、両国間のムードが好転しており、最大の懸案である従軍慰安婦問題をめぐる交渉にもプラスの影響を与えるのではないかとの期待が高まっているためだ。

 両国は最近、慰安婦問題をめぐり、相次いで前向きなメッセージが発せられた。韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)部長は23日に開かれた討論会で、「慰安婦問題はもう少し待ってくだされば、それなりの結果を報告できるだろう」と発言。日本の読売新聞は24日、両国の外交当局が12月に入り、集中的な協議を行っており、日本政府は歴史認識などをめぐる懸案の打開に全力を挙げる方針だと報じた。

 双方が今年も残り少なくなってから慰安婦問題で土壇場の交渉に入ったのは、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の意向と関係があるとされる。朴大統領は今年が韓日国交正常化50周年であることを強調し、慰安婦問題の「年内妥結」を重ねて訴えてきた。先月の韓日首脳会談で双方が「慰安婦問題の解決に向けた協議の加速」で合意したのもその延長線上にある。双方は11回にわたる局長級協議のほか、両首脳の側近である韓国大統領府(青瓦台)のイ・ビョンギ秘書室長と日本の谷内正太郎・国家安全保障局長が水面下で接触を続けてきたとされる。

 外交関係者の関心は、安倍首相の特命を受けた岸田外相がどんな妥協案を携えて来るかに集まっている。慰安婦問題で最大の争点は日本が国家責任を認めるか否かだ。日本はこれまで、1965年の韓日基本条約で全ての法的責任は果たされたと主張してきた。

 双方はこれまでの協議で、日本政府の予算で被害者に対する医療・福祉支援を拡大し、日本の首相と駐韓大使がそれぞれ手紙と訪問を通じて謝罪を表明する案で一定の歩み寄りを見せたとされる。日本政府が被害者支援に使う予算の名称についても、両国の協議が続いている。日本が過去に創設した女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)をめぐっては、韓国国内で「賠償や補償の性格ではなく、単純な慰労金ではないのか」とする論議を呼んだ。外交筋は「適切な名称を掲げ、日本政府の予算で慰安婦被害者に支援を行えば、『法的責任』を明示しなくても、事実上そう解釈できる余地が生じ、調整が可能になる」と指摘した。

 両国の政府周辺からは「段階的合意」案に関する言及もあったもようだ。人道的支援など合意可能な部分のみを年内に発表する案だ。双方は今年6月、慰安婦問題の解決策で合意直前まで至った。朴槿恵大統領が米ワシントン・ポストのインタビューで、「慰安婦問題でかなりの進展があり、現在交渉の最終段階だ」と発言したのもそのころだ。しかし、韓日間ではその後、再び対立が生じ、慰安婦問題をめぐる協議も原点に戻った。外交筋は「日本は最近まで慰安婦関連の協議を6月の水準まで戻すことをためらっていた」と話した。

 韓日関係の専門家は、慰安婦問題が年内に解決されなくても、来年1-2月より先送りされるべきではないと指摘する。その時期を逃せば、日本の島根県が制定した「竹島の日」(2月22日)、3・1節、4月の靖国神社例大祭などデリケートな日程が続くためだ。韓国総選挙(4月13日)と日本の参院選(7月)など大きな国内政治日程も重なり、双方とも慰安婦問題の交渉に集中しにくくなる。

 岸田外相の電撃訪問には期待感が大きい半面、韓国政府周辺では慎重論も漏れる。外交筋は「岸田外相が必ずしも韓国が望む妥協案を示すとは言えない。別の目的もあり得る」と述べた。国策シンクタンク関係者は「韓国は『こちらが誠意を見せたのだから、日本が応える順番だ』と考えているが、日本は『韓国にあれだけ関係改善の意思があれば、慰安婦問題でも柔軟な態度を見せるだろう』という期待を抱いている」と分析した。韓日は依然「同床異夢」の状態にあるとの指摘だ。

       李竜洙(イ・ヨンス)記者朝鮮日報/朝鮮日報日本語版