5月の勉強会ができるのか・・・まだ何とも未だ収束が難しそう
先生から勉強会に向けて見てくるようにお知らせをいただいた
『水のない いけばな展』を見に草月会館へ
緊急事態宣言下、草月流本部も動画や写真を配信する予定でいるのに
行くことは不要不急なのか、
私はFacebookや Instagramをやらないし
思い悩んだ結果
田所先生の作品は実物を現地で拝見したいと思い、でかけました
参考: 草月HP New Challenge Exhibition「水のない いけばな展」
HPのイベント情報によると
『4期それぞれの会期中、YouTube、Facebook、Instagramでの配信を予定している他、ホームページからも視聴することができます。公開後はいつでもご覧いただけます。』・・・とのことです
- YouTube http://www.youtube.com/user/ikebanasogetsu
- Facebook https://www.facebook.com/ikebana.sogetsu
- Instagram https://www.instagram.com/ikebana.sogetsu/
日経新聞2/13夕刊と日経スタイル2/20に記事が掲載されました
「場にいける」草月流だけれども、今回は作品を作って宅配便で会場へ送る形式
先生が、今回も出品された田所先生から応募要領を入手して知らせて下さった
それを拝見すると
作品サイズは、縦+横+高さが160cm以内、重量30kg以内
素材は、枯れ物、着色花材、竹、雑木、流木、石、鉄など
水使用不可、破損の恐れが無い作品、生の素材でも水を使わない素材は可、造花、ブリザーブドフラワーは使用不可
とのことです
各期30名という応募で先着順ということでしたが、たくさんの応募があり、
結果、4期各50作品、総勢200名の花展となったそうです
入り組んだ地下鉄の乗り換えを避けて、1本でいける駅を選んであとはできるだけ歩いて到着
まるで、今日はお休みかなと思うようなたたずまいの入り口の自動ドアをはいると
観覧者は7~8名
受け付けで伺うと『写真撮影可・配信可で、積極的に宣伝してください』とのことでしたので
このブログと作楽会いけばな教室のブログとに写真を掲載させていただきます
もし・・・もし万が一、出品された作家先生がこのブログをご覧になられたら
どうかお許しいただきたい
出品者名と題名をメモしてこなかったので、記してありませんし
勉強会で自分はどうしようか、もやもやしながら拝見させていただき
私の勝手な感想を書いたので、失礼します、申し訳ありません
参考: Facebookと Instagramので、リモート家元鑑賞ツアーが公開されました。動画です。
こうして、作品1つ1つを家元直々の解説で見られるなんて、しかも自宅に居ながら・・・
withコロナの時代の思わぬ恩恵だと思いました
以下、動画を参考にして、青字で作者名・題名・花材、講評を加筆します
草月プラザ、イサム・ノグチの石庭の最上階にありました
お家元の作品から
お家元は4期にわたり、各期に異なる作品を出品されるそうです
草月のHPで、制作の様子をあらかじめ見ることができましたので、想像はしていましたが
完成作品は予想以上に竹の生々しさが印象的でした
勅使河原茜家元/Reborn-1/マツ・タケ/
枝を斜めに切って組み合わせた、ちょっと何か欲しいと思ってタケを刺した
竹の色があせていくのもまたいいと思った
参考: 動画「家元作品の制作」
改めて、入り口に戻り正面の見上げる位置に
作楽会いけばな教室に御縁のある田所先生のお作品
今回、作家先生の「お名前」と「題名」が記してある
田所先生の作品は「雪月花」
作品はどれも、歩く床と鉄テーブル・高くても腰より低い位置にある
作品は上から見下ろす位置にあるのですが
出品された先生方はどの目線を意識して作られたのか
こんなにも見下ろす草月展は無かったんじゃないかとちょっと違和感
写真を送って見てくれたいけばなの先輩にあたる同級生の由庭さんの感想は
「田所先生らしい色の作品ですね」
そうだ、以前はブルーの作品だった
そのときの作品より小さいサイズですが
同じ力強さがある
マットな濃いめのパステルカラーの鉄の花器・土台に
色とトーンを統一した花材を配した素敵な作品でした
お家元の講評も田所先生の色について評価しておられた
田所萩和/雪月花:自作鉄花器・カラタチ・ルトリ/
田所さんは色にこだわる方でピンクが何ともいえない、空間の面白さが出ている
明暗・裏表・オディールとオデットのような作品
これは鉄の土台を使用してる
嶋直香/Deux reves(二つの夢)/:ガラス・雑木・根・鉄土台/
縦の表情で下がすっきり上にどんどんふくらみも出て素材の面白さがでている
雪柳のような枝に、等間隔に実をつけた曲線の構成
江口玉枝/コロナ禍の贈物/枯れたキウイ蔓と枯れた実/
流れがあって動きそうな不思議な線の構成
雪柳ではなくてキウイだった
球体に色違いの花材をつけたのか
花材をつけてから着色したのか
堀田順子/小さな星/鉛筆/
よく考えた
なっなんと花材は鉛筆をけずったものだった・・・
これはなんだろう?って見た人を引き付ける作品
柔らかい曲線の異質素材は柔らかいのか金属なのか
中に配した枝も銀色に着色してある
前田早苗/0(ゼロ)発信/アクリルミラー・サンキライ・ノバラ実
枝を束ねて丸めて置いただけのようでいてなぜか眼がいってしまう作品
枝の色にアクセントを与える繰り返される白は皮を剥いだのだろうか
もしこうやって床置きにしたら、先生とお弟子さん達とで
床置きがいいか、下に土台を置いて浮かせたらよいか
きっと先生のご指導があり、あれこれ見比べて皆さんで議論になりそうだな・・・と
緊急事態宣言で2度目のお休みにはいっているお稽古が懐かしくなる
横山華苑/Maru/サンゴミズキ・銅版/
色を意識して同系色にしているけど質感が違い流れがある
あらためて見ると少し浮いている
白い鉄の台に流木の曲線と力強さを生かした作品
河村仙蘭/マンボウとかつおぶし/流木・無頼鶏頭・ワイヤー・自作鉄土台/
流木がマンボウに見える
額縁のような四角いパーツを組んだ作品
短い棒を編み込んだ縄を巻きつけてある
こんな風に、パーツをつくって組んでいく・繰り返しという製作方法が1つのやり方なんだ
青木霞洋/黒と赤の融合:角材・ロープ・箸・発泡スチロール/
角々としたのに曲線が入って締めている
竹を割いて結んだ土台にタンポポのタネのような花材を飾り付けた作品
束ねて結ぶという製作方法がもう一つのやり方なんだ
水戸隆子/春風、漫歩、希望(いのち)の賛歌/タケ・タンポポ/
丸竹からかなりの本数に割っていって軽やか、そこにタンポポがすばらしい
タケが一本だからいい、すべてが○だから世界観がある
枯れたソテツのせいだろうか
作品に流れというか動きを感じる
枯れたソテツに、着色素材の直線的な枝の構成とつるの曲線の構成を合わせてある
3つのパーツの色は、茶と黒と黄色
この色の選び方も大事だなと思う
色で大きく印象の違う作品になってしまう
武良友瑞/更始/ソテツ・着色キウイ・着色ミツマタ花材/
黄色の器に対して強い色だが3種の素材の違いが面白く合体している。
ソテツが入ったことがすごいいきている。
枯れたソテツの色がこんなに強く出ているのが面白い
流木の皮を剥いだのだろうか
うす橙色に花材の色を統一した作品
露華あつこ/深海の杜/流木・透かしホオズキ・麻/
ホオズキの散らばり具合がきれいで柔らかさが出ている
ツバキだろうか、葉を長ーい首飾りレイのようにした縄で
緑一色の曲線の構成
たかはし藤水/はっはっは/ツバキ/
葉を連続して針金に通した一つの物を作って、それをどう表現していくかというそこに楽しみがある
ソテツの色違いを使った構成
いけるとき、痛いソテツ
ソテツは水につけなくてもいけられるし、置いておくと枯れものになる
「ときのながれ」との題は平成から令和へ3年以上の時を経た
古いソテツと今のソテツを使いましたということなのでしょうか
この作品の近くで、作品を見て話しているお2人の方がいて
どうやら出品者のよう・・・
お声掛けして伺ってみるとこのソテツの作品の作者でした
「ここでいけるのではなく、宅配での出品だったので、
どこにどうやって置いてあるのか
今日ここへくるまでドキドキしていた。
自分ではこの右側が正面と思っていけた」とのことでした
石川静暁/ときのながれ(平成~令和)/ソテツ/
すべてソテツだが時間の流れを感じる、
ソテツはとげとげしい素材だが曲線や色の変化で不思議な柔らかみ丸みが出ているのが面白い
お二人が見ていたのはこの作品で、
最初一べつして見下ろすとただ紙が重ね折してあるだけかと思って
通り過ぎましたが、
ソテツのお2人のお話しをうかがってから、改めて回り込んで、下から見てみると
青~銀の球が素敵に挟み込んでありました
今回、お家元が各作品の展示場所をイメージデッサンをもとに決定し
会場構成をされました
作品の配置はアトリエ制作部がおこなったとのことです
鉄土台もしくは床上がりで展示すると知らされていたようです
出品された作家先生方は、どこから見てもらうつもりでどういう風に作られたんだろう
北島里夏/天への贈り物//
正面から見るのと上から見るのと見るところは一つではない面白さ、風でふわふわする
2色の縄とドライフラワーの作品
この形で自立しているということは、
中に金属でも入っているのか
ノリなどで固めてあるのか
中原揪/結ぶ/縄・着色ドライカスミソウ/
ボリューム感・形が面白く出ている
紐なのかワイヤーなのか、同質に見えてよく見ると細い太いがある
太いところは糸が巻きつけてあるように見える
亀谷美樹/結び/キウイ蔓・木綿糸/
綺麗さがすごい、糸の色が少しずつ違う、中が密でそこから広がる空間がきれい
作楽会いけばな教室でも、籠をつかっていけることがある
2個を閉じて作った球の中に異質の網とケイトウのような花を入れたパーツをつくり
同じものの繰り返しによる、組み上げ作品
野口寿泉/水なしでいけるいけばな展からの発展/竹籠・ビニールマット・レンズマメ/
素材のおもしろさ、うまく発見して組み合わせている、転がりそうな動きにつながっている
土台に黒いチキンネットを使っている
色味を統一して、ソフトコーラルのような花材などで構成した作品
今回、こうした球体に仕上げた作品もいくつもあり、これが1つのやり方のようです
今回、こうした球体に仕上げた作品もいくつもあり、これが1つのやり方のようです
天内知紅/境界/海藻・マルベリーシート・ワイヤー/
色合いが面白い組合せ、上から見たときの中の空間が光っていてよく素材の良さを出している
松葉で作ったネットの構成
これで、宅配に耐える完成度とはどんな手法によるのだろうか
荒井栄園/Towards the Light(光に向かって)/
荒井さんが追及している素材、ほんとに繊細で、ちょっとした風でもバランスが難しい
普段のお稽古で、
いけた机から、写真を撮るために作品を少し移動しただけで
花材が動いてしまう
そんな自分からは想像できない作品の確かさ
いけるというのはこういう確かさが必要なんだとどの作品を見ても思う
黒い着色と生成りの棒で三角のパーツをたくさん作り、
組み上げて作った立体の作品
私はこれが一番好きだ
山田里楓/探索-Sustainability with Desire-/紙ストロー・鉄/
方向によっていろんな形に見える、動き出しそうにも静かに佇むようにも見える
見ながら石庭を上っていくとき
もう一度降りながら見るとき
違った印象をうけた
「あらゆる角度からの視線を考える」というテーマがあるんだけれども、
お教室では、「四方見」と理解していましたが、この展覧会を見ると
まさに、真下からの視線以外斜め下からも上からもってことなんだな
なんなら、下に鏡を置いた作品もあったから全方位?の視線
なるほどです
これも「いけばな」なんだ
いけばなって「彫刻」みたいだな
蒼風家元や宏家元の時代に戻ったみたいだ
いや、もし今、コロナの時代に両家元がご存命だったら
どんな草月展を牽引されておられただろうと
想像もできない1生徒の私
『水のない いけばな』作品ということで
花器を使わない作品が多かった
一方、田所先生のように花器のような土台を構成の中心に置かれた方もいた
花材があって花器を選んで「いける」いけばな
花器は水の入れ物であり、花材を支える土台であり
「花器を主役に」というテーマを勉強するように
作品の一部で重要な構成部分でもある
水から離れることで、いろんな勉強になる
『水のない いけばな』草月展でした