ねこじゃらし2

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210218 冬芽 ハクモクレン・ヤマザクラ・オオモミジ・ユリノキ・トウカエデ ほか

2021年02月18日 | 植物・園芸など
草月展の帰り道、赤坂~市ヶ谷、冬芽を見て歩いた
豊川稲荷の東側、元赤坂あたりのビルの庭に、名札の付いた植物があった
名札、うれしい、ありがたい
 

ハクモクレン
低い位置に立派な冬芽を発見
今日は、枝先の毛や、一周する托葉痕が確認できた
托葉痕はこの芽の下、左に短枝が出ている分かれ目のすぐ下にも確認できる
 
Fさんとご一緒して歩いた新宿御苑のハクモクレンが脱ぎ捨てた芽麟から冬芽観賞が始まった
自粛の冬も冬芽で楽しくなってうれしいです
 
ハクモクレン 白木蓮 
Magnolia denudata Desr.
マグノリア デヌダタ
モクレン科 モクレン(マグノリア)属
 
参考: ①冬芽ハンドブックp.25
 


ヤマザクラ
冬芽のソメイヨシノとの違いは、ヤマザクラは無毛で先が少し開くこと
日本の固有種で、自然分布は本州(宮城県・新潟県以西)・四国・九州の丘陵・低山
西日本で一般的な桜で、淡い紅白色の花と同時に開く赤みの濃い若葉が美しい
ソメイヨシノ誕生以前に鑑賞されていたのはこのヤマザクラで
奈良の吉野山や京都の嵐山が名所
材は版木用材として最適
 
ヤマザクラ 
Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H.Ohba
ケラスス ヤマザクラ
種小名がヤマサクラ
バラ科 サクラ属
 
冬芽ハンドブックp.38 サクラハンドブックp.10
ポケットガイド野山の樹木p.98 庭木・街の木p.119
 

オオモミジの冬芽の特徴は
二つ並んだ頂芽は、頂芽ではなく、仮頂芽
枝痕が残った場合、頂芽の働きをする側芽なのだそうだ
膜質鱗片(冬芽の腹巻みたいな・・・)がイロハモミジより大きい
赤く艶があり、
仮頂芽が二つ並び、
仮頂芽と側芽は同じ大きさ
・・・枝痕も膜質鱗片も確認できなかった
 
オオモミジ 
Acer amoenum Carrière var. amoenum
アケル アモエヌム アモエヌム
ムクロジ(旧カエデ)科 カエデ属 
 
分布: 北海道~九州、
若葉が赤紫色の園芸品種もある
江戸時代にイロハモミジ・ヤマモミジ・オオモミジを改良した多くの園芸品種が作られ、以来親しまれている
 
参考:
冬芽ハンドブックp.56  紅葉ハンドブックp.45
日本花名鑑④p.5
ポケットガイド野山の樹木p778 庭木・街の木p.119
 


赤坂御用邸東~北縁の高木の街路樹
その根元から出ていたのだけれど・・・
芽を見ると、アカメガシワのようだ
参考: 冬芽ハンドブックp.50
 


これも根元から出ていたのだけれど、この高木の枝ではなさそう
・・・宿題
 


名札が付いていました、この高木の街路樹はユリノキでした

どれも、高い位置で冬芽は観察できないな・・・とあきらめていたら
幹・胴から短枝が出いてました
 
アヒルのくちばしのような扁平な冬芽は芽麟が2枚
幹は彫刻刀で彫ったように縦に裂ける
托葉痕は一周する
・・・とある、頂芽と葉痕の間の薄橙のちょっと盛り上がった線が托葉痕だろうか
だとするとこの短枝の出ている位置の下に見える幹を一周する線も托葉痕だろうか

迎賓館前で見上げてみると、チューリップのような花の名残が
剪定されていないからなのか、見ることができる
しかし、あの大きな葉がばっさばっさと落葉するのだから
掃除は大変なんじゃなかろうか
 
ユリノキ百合木
Liriodendron tulipifera L.
リリオデンドロン ツリピフェラ
ユリノキ科 ユリノキ属
 
北アメリカ東部原産
参考: 冬芽ハンドブックp.24
ポケットガイド庭木・街の木p.150
 
 
四谷で新宿通りを渡って、コモレ四谷の植栽

マンリョウ 万両 
Ardisia crenata Sims
アルディシア クレナタ
サクラソウ科 ヤブコウジ属
 


ツワブキには種ができている、タンポポみたい
 
ツワブキ石蕗 
Farfugium japonicum (L.) Kitam.
ファルフギウム ヤポニクム
キク科 ツワブキ属
 
海岸性の常緑多年草 本州~沖縄
参考: 日本花名鑑④p.169
 


ナツツバキと思われる
無毛の芽麟と白い伏毛のある芽麟が見える
樹皮がはがれて美しい斑模様になる

ナツツバキ別名シャラノキ沙羅木
Stewartia pseudocamellia Maxim.
スチュアーティア プセイドカメリア
ツバキ科 ナツツバキ属
 
東アジアから北米東部に9種自生するナツツバキ属の3種が日本に自生する
 
この冬、住宅の庭に良く見かけることに気が付いたナツツバキとヒメシャラ、
ヒメシャラは5月、ナツツバキは6ー7月に花が咲く
そのころコロナはどうなっているだろうか
 
参考: 日本花名鑑④p.436
冬芽ハンドブックp.30
 


外堀通りを行く
対生の冬芽に、おっメタセコイアかな? とおもったけれども何か感じが違う
特徴的に剥がれる樹皮

短冊状に荒々しく剥がれた樹皮から、トウカエデではないかと思う
 
頂芽は1つで頂生側芽を伴い、多数ある芽麟は正面から7枚ほど見えて縁に毛がある
中国原産,樹勢が強く街路樹・公園樹に多く利用されている
園芸種も多く庭木・盆栽にも利用される、
国外原産の楓としては最もなじみの深い(私はなじみ深いとは言えない。意識してなかったけれどきっとたくさん見ていたはずの)樹
 
トウカエデ唐楓
Acer buergerianum Miq.
アケル ビュルゲリアヌム
ムクロジ(旧カエデ)科 カエデ属
 
分布は中国・台湾
参考: 日本花名鑑④p.6
冬芽ハンドブックp.58 庭木・街の木p.88
 
以前、東京都の街路樹マップを都庁で配布していた
いまも作っているのかナ?
地図上に樹種が記してある今思えばとても貴重で便利な地図だった
紹介してくださったのはF先生で、さすが、生態学・植物学に造詣の深い先生は情報収集能力が違うなと感服したことを思い出した
 
ネットで検索したら、東京都建設局に街路樹データがあり、
都内の街路樹は平成31年4月1日現在1,014,614本
トウカエデ唐楓は、都内全体で第4位、都道の3位、市町村道の4位だとわかった
 
ちなみに、都内全体で5位がケヤキ、4位がトウカエデ、3位がサクラ類で、東京都のマークのイチョウは2位、それを抑えて堂々の一位がハナミズキ
ベスト5が全部落葉樹だというのも意外
街路樹といえば、落ち葉の掃除が厄介だとか、ムクドリが集まって困るとか
とかく迷惑がられる存在かと思っていたけれど
この情報によれば、東京都では2006年から10年間の街路樹倍増計画が始まり、
今や100万本の街路樹があるという
今日歩いた迎賓館前はユリノキが150本ある街路樹の見どころになっている場所だった
あの地図、今も作っているのだろうか、
都民情報ルームで有償配布しているという「TOKYO道路のみどり」がそれかしら
 

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