「ま」さんは いま、深夜バスに乗っている。
明日の朝、東京に到着する。
今回のバスは最新式で 設備充実、
お茶つき、スリッパつき、オシボリ使い放題な上、
フルフラットシートらしい。
居心地がよいのは大変結構である。
日頃の疲れがたまっている「ま」さんであるから
ゆったりと過ごして欲しいと思う。
ただ、私には 一つだけ心配なことがある。
あまりの寝心地の良さゆえに
バスの中でパンツを脱いでしまうのではないかと 懼れているのである。
「ま」さんが朝起きるとノーパン状態であることは以前ここに書かせていただいたが
ノーパンだけならまだしも
必ず 布団も毛布も どこかに蹴飛ばしてしまう夫である。
たとえ レンタル毛布を使用していたとしても、
人様に秘密部分を全開にしてしまうであろうことは自明の理なのである。
それがいかに立派なシナモノであったとしても
世の中にはルールというものがある。
万一、そばの女性が『ちかんです!』とか叫んだら
または バス会社の人にワイセツ物陳列罪で通報されてしまったら
私は世間になんと言い訳すればよいのでしょう?
いや、モチロン 私は夫を信じている。そして味方であり続ける。
だから そうなったとしても 夫の習慣を 大きい声で 世間に訴え 無実を勝ち取るための努力を惜しまない。
でも、そんなことに時間を費やすのは 不毛だ。
そんな事態は未然に防いだ方が よっぽどいい。
だから 予防線を ここに張っておくことにした。
私の夫は寝ているときに
自然にパンツを脱いで
秘密部分を全開にしてしまいますが、
エロいことが目的ではなく、
きついパンツのゴムからの開放と
皮膚の風通しとを
無意識のうちに求めてしまう結果なのです。
そういう意味で 夫は天然の野生児なのです。
悪意も善意もございません。
それが夫のありのままの姿なのです。