「ま」さんはふくらはぎと腰と背中と肩が痛いらしい。
触ってみると 疲れがたまっている感じがする(そう言われてから触っているのでそう感じるだけかもしれないけど)。
辛いのは明らかで いかにも可哀相なので
対策を私なりに考えてみた。
結局、考えても分からないので 薬局に行ってみた。
目についたのは『ゆたぽん』。
肩に掛けられるやつがあるらしい。
これは凄そうだ。
迷わず買った。
とりあえず 自分で試してみたら ものすごく気持ちいい。
で、
帰宅した「ま」さんの肩に掛けてみた。
人がしてるのを見ると
・・・・便座カバーを乗っけてるみたいだった。
色が激しいピンク色だったせいもあるかも。
子供のころ 実家はこんな色の便座カバーもあった気がする。
見た目はともかく
とても気持ち良かったらしい。
カバーはいつか 手作りしようと思う。
絹を使ったらもっと気持ちいいんじゃないかと考えてる。
それまでは それを使っててね。
私はこないだ、コンタクトレンズを買った、
影響されてか 「ま」さんも欲しくなったらしい。
で、
一緒に出かけた。
検眼したり 診察されたり 装着の練習をしたりの一連の過程を経て
新しく生まれ変わった「ま」さんは
お目々ぱっちりの キューティー・ナイスガイだった。
自分では『キューピーちゃんに似てる』と言っていたが
私はギズモの方が より近いと思った。
ほいでもって
「ま」さんのまつ毛は ものすごくしっかりしている。
眼鏡が無いと もっと まつ毛が目立つ。
帰宅してから
ビューラーでさらにカールをつけてみた。
どこまで「くるんっ」てなるのか 試してみたくなったのだ。
ますます ギズモに似てた。
愛する旦那ちゃんが
TVCMの女の子みたいに 急にモテモテになっちゃったら困るなぁ。
私は寝言を言う、らしい。
奇妙な言葉を夜中に発する、らしい。
今朝、「ま」さんはいつもとは違った目で 私を見ていた。
『夕べ、変なこと言っちょったなぁ・・・』と 妙に距離を置いた言い方をする。
気になるので問い詰めたが なかなか答えない。
もったいぶってるというより 言いづらい、って感じ。
ますます気になるので さらに積極的に聞いた。
だって私には後ろめたいことなんかなんにもないもんっ!
浮気してるとか、隠し子がいるとか、
夫の携帯をこっそりチェックしてるとか、
茶箪笥にへそくりがあるとか、内緒の借金をこしらえたとか、
<配偶者に知られてはならない秘密>は何もないもんね。
強気に聞き出そうとする態度に観念して
「ま」さんは大きく深呼吸して 小さめの声でぼそっと言った。
私は昨夜
「あんた、ワタシの
付け根と割れ目の間が
好きなんやろぉ?」と
叫んだ、らしい。
・・・何の事だか さっぱりわからない。
貞淑なハズの妻が(笑) 急に 別人になった気がしたらしい。
申し訳ないけど 知るもんか。
愛する旦那ちゃんは肩が痛いらしい。
で、
いつもの体操の締めくくりに
寝ころばせて脚を高く上げた状態で
腕を引っ張ってみた。
ちっとも気持ちよくなかったらしい。
危険だから引っ張るのは もう やめようと思った。
プロの技。
今日、結婚式があったので
私は貸衣裳の着物を着て
美容室で特殊メイクばりのぶあつい化粧をして 髪を外巻きクルクルにした。
遠目には 驚くほど変貌を遂げた(近目には単なる壁塗り仮面であったが)。
どれくらいの変貌かと言うと
<実の父親が 一瞬 自分の娘だと認識できなかった>くらい。
でも、
「ま」さんは すぐにわかったらしい。
これが夫婦のつながりというものなんだろうか?
それとも 単に
全体的に変な立ち姿を 私の特徴として捉えているというだけだろうか?
家に帰って顔を洗ったら すぐにいつもの自分に戻っちゃって
なんかつまんなかった。