自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

直木賞『下町ロケット』 池井戸 潤

2011-09-10 06:59:11 | おもしろかった本
久しぶりに夢中になって読んだ。


wowwowで、ドラマになっていて録画はしているんだけど、娘が「この本、面白いから」とテーブルに置いて行った
本が、この『下町ロケット』



結局ドラマではなく、小説を読むことにした。



同じ作家の『空飛ぶタイヤ』は、小説であることを知らずにドラマで視聴した。



中小企業の運送業のトラックが、運行中にタイヤが外れて通行人を死に至らしめるという悲劇。



当然賠償責任が問われるのだけれど、運送業の社長が真実を調べ上げ、大手タイヤメーカーを糾弾していくストーリー。



中小企業が、大企業に理不尽に扱われ、マスコミもそれに連動する。


真実は、隠蔽されていく。


世の中の不条理に腹が立ちながら、痛快な結末を得る。


そんな話だったけど、今回の『下町ロケット』は、まさに今の日本にそしてボクにタイムリーな小説だった。



小型エンジンを制作している製品の質の高さを本分としている佃製作所。



大手に追いつめられ、企業倫理に反する訴訟を起こされる。



何度も行き詰まり、それでも最後まであきらめない。



なでしこJAPANもそうだったし、3.11の東日本の被災者たちもそうだった。


何があっても、生きている限り「あきらめない」



社長の佃航平は、自分の作ったエンジンバルブでロケットを飛ばす夢を持っている。



「俺はな、仕事って言うのは、二階建ての家みたいなもんだと思う。一階部分は、飯を食うためだ。
必要な金を稼ぎ、生活していくために働く。だけど、それだけじゃあ窮屈だ。

だから、仕事には夢がなきゃならないと思う。それが2階部分だ。夢だけおっかけても飯は食っていけないし、
飯だけ食えても夢がなきゃつまらない・・・・。」



夢を追いかける社長にたてついた社員に言った言葉。


自分の技術に誇りを持つこと。



これじゃなきゃねって感じです。



何だか、とても元気がもらえる物語でした。




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