自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

夢だった広野での再会

2014-04-27 06:36:13 | ひとり言
「広野町は、本当に美しいところ」


っていうことを何度も聞いたことがあった。


「なーんにもないけどね」


も聞いた。


いわき市でレンタカーを借りて、四倉を通り、そして広野町に入る。


海が見えて、広野の景色が広がる光景は本当に美しかった。


山の木々は、画一的な植林がされていない。


だから、なんだか全体が柔らかい。


遅咲きの山桜が、新緑の合間のあちこちに桜色を散りばめている。


川の水は清らかに済んでいる。


こんなに美しい風景のふるさとを追われた人達の心の痛みは、どれほどなんだろうか。



広野町の小学校への訪問と、ボクの大事な目的のひとつは、避難所で知り合った方々との再会。


YMK家は、家族を上げてボクを出迎えてくれただけじゃなくて、色々と広野町周辺を案内をしてくれました。


天神山公園から、KWSさんに電話。


KWSさんは、避難所の切り絵の先生。


もともとは、富岡駅のまん前にあるホテルの総料理長さん。


昨日の ブログに書いた富岡駅の真ん前。


津波が来た時に、KWSさんはホテルにいたと話していた。


恐ろしかったに違いない。


そのKWSさんは、母畑温泉の八幡屋さんのロビーで初めてお会いしました。


手先が器用で、何もすることのない退屈な時間を、趣味の切り絵を楽しんでで、気を紛らわせていたのです。


ぼくは、その時に、その素晴らしい彼の作品を見て感動。



さっそく、避難所の方々の切り絵の先生をお願いしたところ、二つ返事で引き受けてくれたのです。


それ以来、避難所は、子ども向けの時間だけじゃなくて、大人向けのアートの時間も提供できるようになったのです。


そのきっかけで、今も切り絵教室は、2ヶ所の避難所で続いているほどです。


「いまね、ブルーベリー植えてんの」


電話の先のKWSさんは、自分の家の畑で農作業中。


さっそく、車で駆けつけると、あの、にこやかで元気な笑顔のKWSさんにお会いできました。


畑には、ラフランス、たまねぎ、ながねぎ、エシャロット、などほかにもたくさんの作物が植わっています。


「ねぎもってく?」


流石にお断りしましたが、全てたった一人でやっている。


「出荷はしてないの。自分の家で食べる分だけだから」


2012年の5月に、完成した巨大切り絵の発表会でお会いして以来の再会です。


「また5月に来ますから、その時にゆっくり飲みましょう」


再会を約束して、ボクは帰途につくことに。





さらにもうひとり、KGYさん。


KWSさんの切り絵の指導で、めきめき腕を上げて、後任の先生となって、今でも切絵教室を続けているKGYさん。


長い避難所生活で、体調を何度も崩していましたが、この日は元気な姿を見せてくれました。


帰り際だったので、ラーメン屋さんにお誘いして早めの夕食を
取りながら、近況を話してもらいました。


四倉の仮設住宅も、来年の2月で終わるらしい。


広野に帰るにも、まだ町営住宅の準備が整っていない。


「役所行っても、なーんもはっきりしないからさ、もういかねーんだ」


行政を一方的に責めるわけにもいかず、かと言って、状況の変わらないいらだちはとめられない。


でも、人のいいKGYさんの笑顔にはいつも癒される。


KGYさんにも5月の再会を約束して、ボクは東京へ。


YMK家全員で、駅で見送られ、ボクはとっても温かな気持ちで東京に戻ることができたのでした。












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