自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

広野の春と・・・・

2014-04-26 07:54:21 | ひとり言
「しばしば、富岡の駅を見に行こう」


広野の小学校の訪問を終えたあと、外で待っていたASMさん。


長女のNRU、次女のTMK、三女のNON、長男のRYGもいる。


この家族とは、3年前の母畑温泉八幡屋さんの避難所以来のお付き合い。


最初に訪れたのが、海岸。


「これ以上先にはいけない」


川沿いに車を止めると、少し先には海が広がっている。


「この川でよく遊んだ」


目黒川は川じゃなくて巨大な排水溝、でも、この広野の川は、本当の川。


子どもたちの言葉が心に響きます。




周辺には建設中の町営住宅がある。


避難所から帰ってくる街の人たちのための住宅らしいのだけれど、まだその数は全く足りていないらしい。


しばらく、車を走らせてコンビニへ。


何をするのかと思ったら、


「子供たちがいるからマスクを買う」


放射線の強い地域に行くために準備する。



広野から富岡町に入ると、様子が一変する。


家々は、地震の傷跡のまま、住まう人を待っている。


道路もまだ完全には整備されていない。


屋根瓦が落ちている家、壁が壊れて中が露出している建物、そしてたどり着いた場所が、富岡の駅


おそらく、海沿いを走る線路沿いにあるのどかな駅だったのだろう。


見るも無残に水の力で破壊されたまま。


線路には流された乗用車がそのままになっている。


海岸の方には、数十人が除染活動をしている。


そして、黒いビニールにくるまれた大量の除去された土。


「もうビニールが劣化して破れてきているんですよね」


未だにステ場所が決まらないまま、放置されている。


放射線量計は「0.3」以上の数値を表示していた。


駅前には、この富岡町が誇るダムや「夜の森の桜」などの、名所の案内板がある。


訪れることのできなくなってしまったこれらの素敵な場所を想像していると、なんだか胸が熱くなってくる。


さらにボクたちは、東電が原子力発電所の建設と引き換えに作ったサッカー施設、Jビレッジを通り、楢葉町へ。


天神岬スポーツ公園まで登って、海を眺める。


青空の下、海は穏やかで火力発電所が見える景観は美しい。


ここに、津波が押し寄せたとは思えない。


田畑は誰も手入れすることなく、ただ最終処理を待つ汚染土壌が並んでいる。


それでも、海に続く小道には育ちすぎたぜんまいがそこここに春を感じさせてくれている。





震災から3年。


3回目の春だけれど、本当の春はまだ還ってきていない。


明日、もう1回だけ広野のことを書きます。

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