自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『きよしこ』

2009-12-25 05:16:09 | おもしろかった本
メリークリスマス!

クリスマスイヴ、そして今日のクリスマス。

恋人たちにとっての大切なひと時なのでしょうが、それぞれのイベントのほとんどが、クリスマスとは全く関連がないところが、オモシロイですね。



ボクは、プロテスタントの学校に通っていたので、クリスマスにはミサがありました。


小学校の頃、ボクは、クワイヤー(以前にも書いたことがあるかもしれませんが)でした。

クワイヤーっていうのは、聖歌隊のこと。


ベレー帽をかぶって、白い上っ張りを着て、長いキャンドルを持って、教会の中をゆっくり歩きながら歌ったりしていました。



今考えても、どういうきっかけで聖歌隊に入ったのかさっぱりわかりません。



ある年のクリスマス、クワイヤーの中から3人だけ選ばれて、2階席から「3人の博士」に関する歌を歌ったことがありました。


声がひっくり返って、恥ずかしい想いをしたような気がします。



クリスマスの歌と言ったら、普通「ジングルベル」か「きよしこの夜」ですよね。


今日は、この「きよしこの夜」のお話。


『きよしこ』重松清


きよしこのよる・・・・・主人公の少年の名前は「きよし」

この少年は、なぜか、この歌を「きよしこ、の夜」と解釈していた・・・。


何とも面白い話の始まりなのですが、実はこの少年は吃音・・・・・つまりどもりなんです。




カ行とタ行がうまく言えない少年です。


名前を呼ぼうとしても、何かを発言しようとしても、この「カ」と「サ」が最初に来てしまう言葉だと、うまく言えないために黙ってしまう。


吃音者の苦しさをほんの少しだけ知ることができました。



でも、この物語は、そんな少年の悲しい話でも、けなげなお話でもないのです。


たんたんと、きよし少年の小学生時代、中学高校時代が綴られています。


父親の転勤で、小学校を5回も転校し、そのこともあって、なかなか友達ができません。

吃音を矯正する夏休みのスクールで、ようやく友達ができても、みんなが吃音のために、うまくお互いを表現し会えません。



それでも、彼によって語られない心の声が、物語にちりばめられていて、ボクの心を刺激します。



どうやら、著者自身のお話でもあるようなのですが、読み終わった後に、気持ちよさが残る、好きな作品でした。

もう少し、この著者の作品を読んでみようと思います。


きよしこ、の夜

この歌の詩がとても新鮮に見えてきます。


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