自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

描くことの素晴らしさ

2014-03-01 07:57:16 | 絵本
3月ですね。


季節の移り変わりは、そのまっただ中にいる時には感じられない。


でも、もう3月なんです。


昨日アンネ・フランクのことを書きました。


アンネが本棚に隠された部屋の中にいた時も、収容所にいた時も、彼女には自由はなかった。


何処へでも好き勝手に行ける自分からは、想像もできない苦しみがあったに違いないと思う。


半面、彼女は自由だったんだろうな、とも思うのです。


イメージを描くことは、ボクよりもはるかに自由だったのではないか。


そして、そのイメージが、普遍的であればあるほど人々の心に届いていく。


もうひとつ、こんな絵本がある。


これは、ユリ・シュビッツと言うポーランドに生まれた作家。


第二次世界大戦によって故国を離れ、転々としてアメリカに渡った。


ボクの大好きな絵本『よあけ』の作家。

おじいさんと、孫が湖畔で夜明けを迎える美しく静かで感動を呼ぶ作品。


そのユリ・シュビッツの『おとうさんのちず』


戦争で命からがら逃げ出し、ラクダのふんでできたような家に住まい、ひとかけらのパンも食べられないほどのひもじい日々。


わずかなお金でパンを買いに行ったおとうさんが、パンの代わりに大きな大きな地図を買ってくる。


食べるモノを買わなかったお父さんを、心の中で責めるボクやお母さん。


でも


「つぎのひ、おとうさんは かべに ちずを はった。

ちずが かべいちめんに ひろがると

くらい へやに、いろが あふれた。

ぼくは、うっとりした。

そして、なんじかんでも あきずにながめたり、こまかい ところに みいったり

うんよく かみが てに はいれば かきうつしたりもした。」


そして、

「しゃくねつの さばくに おりたったり、

あしのゆびが すなにもぐるのを かんじながら はまべをはしったり

ゆきやまに、のぼって ほおをきるように つめたいかぜを かんじることもできた。・・・・・」


こんなぐあいに、イメージは広がり


「ぼくは、パンをかわなかった おとうさんを ゆるした。」と結ばれる。


過去にとらわれ、執着し、それを手放すことができない人生は、本当に苦しい。


許すことは、未来に与えることだという。


まだ2か月しかない今年の過去に、もしも自分を苦しめる出来事があるのなら、今のうちに勇気をもって手放すこともできる。


過去にとらわれたまま未来を描いたって、それはあんまり楽しくなさそうですからね。


3月に入ったし、春から夏、そして実りの秋と言った具合に、この絵本の「ぼく」のように、人生の地図を広げて自由に描いてみるのもいいかもしれない。





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