繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

日本における自動車の意味

2015-09-25 09:34:39 | 日記
国交省道路局が発表しています、「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」
というのをごぞんじでしょうか?
http://www.mlit.go.jp/common/001104396.pdf

私にとれば、よく利用する第三京浜の料金は上がるのです。
現行15.7円/km →24.6円/km。なんと約1.57倍です。
だいたい計算してみると、現行が玉川~保土ヶ谷までが260円ですから、1.57倍すると408.2円。キット410円位とられるのでしょうね。

ただ、国交省からその具体方針として下記のように(抜粋)書かれています。
1料金体系の整理・統一 (対象は圏央道の内側)
【料金水準】 現行の高速自動車国道の大都市近郊区間の水準に統一 【車種区分】 5車種区分に統一
2起終点を基本とした継ぎ目のない料金の実現
○ 起終点間の最短距離を基本に料金を決定 (圏央道経由の料金>都心経由の料金の場合)
しかし、これだけじゃ何のことか?だと思います。

具体的に「八王子~桜土浦」を例にして料金を見てみましょう。


首都高速経由で、103.7km 2,900円→3,630円。
圏央道経由で、134.3km 4,520円→3,630円。
外環道経由で、146.2km 4,880円→3,630円。
と同一発着、同一料金で、一番安い新料金に統一されて、みんな同じになります。つまり、どこを通って行っても同じ料金と。
別に、当たり前な感じはしますが・・・? 
元々は、何か複雑な料金体系だったんですね。

同一料金って良さげだけれども、それだったら燃費もあるし、距離の短い首都高速を皆さん使ってかえって首都高速が混んでしまうのではないかと、危惧しました。
しかし、読み進むと次のようなページがありました。


つまり、今後の混雑状況をよく見て予め首都高の料金を高くしておくことや、その時の混雑状況によって料金を変動性にするアイデアも含めて、段階的な見直しのイメージがあると言うのです。
これなら、私の危惧にたいしても答えてくれています。
ただ、やり始めてから混雑状況を見てからと言うのは、チトのんびりしているなとも思いますが、お役所仕事と言われて久しいお役所ですから仕方ないかなとも思います。
いずれにしても、世の中には不条理はつきものですからね。

料金徴収は出来るだけフェアにという今回の取り組みは、何で最初から??とか、もっと早くに??とかの時間的な事に疑問は残りますが、おおむね歓迎と言うことになると思います。

しかし、第三京浜を奥さんと走る度に「安いね」と言って「お得感を満喫」していましたから、今回料金が上がることになって社内での会話が1つ減ります。
「フェア」はいいけど、「お得感」「自分だけ感」なんてのは人間の気持ち的に良いですね。

ここで、普段から思っていることをついでに書きますと、「何で日本の高速道路は有料なのか?」また「何でこんなに高いのか?」
例えば、イタリアでは高速道路の八割位は民営化されていて日本とは比べ物にならないくらい安いです。
また、残りの二割位は国が管理していて無料です。
フランスでも同様に高速道路は有料と無料がありますが、有料区間で例えばパリを起点として~130km程度で9.9ユーロ、300kmで21ユーロ(2012年8月のデータ)位と大変お安いです。
実は中国も有料ですが、お安いのです。
ドイツやイギリス、オランダ等は無料です。アメリカも無料です。
こうやって見てくると、「何で日本だけ?」と思ってしまいます。

よほど、税金徴収が苦しいか?、車で中長距離を移動させたくないか? --もう国鉄も無くなったはずですがね? 車が走ると環境に悪いから?

特に、ドイツ等は道路も良くて高速が出せるので、都市間は殆どの場合、電車より車での移動の方が「早い、安い、旨い」(笑)のではないでしょうか? 電車は遅れたりするとも聞きます。

日本で、「車離れ」とか言われていますが、「車が使える環境にない」のも1つの原因かもと思うのです。
高速道路が無料になれば、もっと皆さんも自動車に乗るのではないでしょうか?
ついでに、高速道路の制限速度もうんと上げれば、より有効になりますね。
ただ、日本人は運転が下手だからとお役所の方々は思っているかもしれませんが、確かに事実あんまりうまくはないとは思いますが、これには「打つ手」はありますし、結果自動車の価値が上がることは間違いないと思います。
そうか、高速道路料金は順次もっと高くしていって、車の量を制限し、富裕層の特権にという考え方もありますね。(笑)

私は、日本にいると車は近場しか乗らず、近場は信号だらけで走らす事もあまりできず、車に興味がわかず「次の車は何にするかな?」とか決して思いません。
しかしドイツなどへ行くと車を有効に走らせることが出来るので「次はあんな車がいいなと」つい思ってしまいます。
つまり、車が生活に入ってくれるのですが、日本ではせいぜい片足という感じですね。

日本では、「車は悪」的な感じに思われている気もします。
それは狭い日本の道路で混合交通で事故は発生するし、「車が走り回らなければ安泰」とする考え方も成立して、そういう方々もおられるのではと思います。
当然、色々な考え方はあって良いと思いますが、日本の国力、経済、税徴収に対しても、私は車をもっと走らせられるようにした方がプラスになると考えています。
そうそう、車検制度のような自動車の保有の足を引っ張るものもありますね。今時の車はガソリン入れて(エンジンオイルも入れて、笑)いれば、何も点検などしなくても、◯◯年は走ってくれるのではないですかね? 勿論途中で壊れたり消耗した部品はその時に修理すれば良いのです。

日本の基幹産業の自動車は、今現在は円安になってメーカーは潤っているでしょうが、長い目で見ると国民の足としてもっと使えるようにした方が、メーカーだけでなく自動車産業のためにも勿論国民のためにも良いとおもうのですがね?