繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

「ZF」って会社しっていますか?

2015-11-02 10:15:48 | 日記
モーターショーに行ってきました。
私が一番注目したのは、「ZF社が造った、アドバンストアーバンビークル」というEVです。
と言っても、ご存知の方は少ないかもしれません。
ZF社(ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社)は、ATやアクスルドライブ、アクティブシャシシステムに加え、
自動運転を見据えた運転支援システムの統合開発、供給を行う会社です。
今度横浜にR&D拠点まで作り本格的に日本進出します。(人材募集していますよ、キット。)
その方向はクラウドとやりとりする「自動運転」とスマホで乗員が降車後に操作出来る「自動パーキングシステム」。
さらに、「PHEV等の統合開発」と時代性をとらえたものです。
社長まで来日されていますから各カーメーカーを訪問されるのではないかと思っています。



Continentalも、自動運転化技術は進んでいます。
そうContinentalと言えば、タイヤを思い出す古い方?もおられるかとは思いますが、
タイヤだけでは無くZFと同様、先進企業なのです。
Continentalは自動運転には、自前での開発に力を入れるのは勿論ですが、協業の必要性も謳っています。
日本のカーメーカーの考え方として自前主義が一般的ですが、時代が変化し必要技術の内容が
変わってくるとこういうことなのではと思います。


話をZFに戻しますと、都会での取り回しや小さなスペースでも詰めて自動駐車出来るように、
大きくステア出来るようになっています。



勿論、一般のFF車やFR車などでは、こんなにステアできません。
つまり、FFではまずドライブシャフトが成り立ちません、FRでは後ろのタイヤが駆動してフロント
を押すので、これだけ切れていれば前に動かないことはすぐおわかりになると思います。

じゃ何故ZF社のアドバンストアーバンビークルは成立するのか?
モーターが左右の後輪にインホイールで付いていて、トルクベクタリング出来るようになって
いますので、極端な話左にフル転舵した時は右後輪だけ駆動さすと「動く」らしいです。
私は残念ながら実際に試乗していませんがZFの技術者の方にそう聞きました。

これこそ、EVの特性を使った新しい機構・構造です。
これだけステア出来れば、確かに小さなスペースでも駐車できますね。二車線の道路でのUターンも
可能らしいです。
さらに、乗員が降車後にスマホ等で自動駐車すれば、乗り降りを考えなくていいですから
「ギリギリ」駐車も出来ます。

完全自動運転とかになってくると、EVの方が制御もしやすいのではと思います。
だいたい、自動運転EVが効率よく走りだすと、ガソリンスタンドに行くのは面倒な事になりますよね。

未来は明るいです、希望がわきますね。
EVは元々未来のモノですから、希望がわかないといけません。
今のリーフやアイミーヴのEVは、少しでも内燃機関のクルマ並にと考えて作られていますが、
所詮「他人の褌で相撲」になってしまいます。
もっと、EVの得意技?を突き詰めて行くべきです。
そうするとその結果、形も内燃機関のクルマとは変わってきて、新しく希望の持てる形になると思います。
「ネガのカバーを考えるより、ポジを伸ばす」ということです。
人生もそうですよね・・笑。