自動車産業は過去には右肩上がりの華やかな経験がありましたが、現在は右肩下がりです。
(その理由は、日刊自動車新聞さんの17日から始まった連載コラムに書かせていただきました。)
その中で働いている特に比較的若いこれから働き盛りと言う人達は実感されていて切実な問題と思います。
考えたら日本の多くの産業は戦後華やかな右肩上がりを経験し、その後にバブル崩壊、リーマンショックなどがあってその産業が右肩下りになっても、元々の右肩上がり体質を大きく変えることなく、あるいは変われずに、やってきたように思います。
ただ近年とうとう、それが限界にきてしまった、というふうに感じます。
つまり、時代は変わっているのです。当たり前のこの事を今真摯に考えるべきではないでしょうか?
いきなり、自分の想いをぶつけてしまいましたが、自動車産業、業界は来るトコまできていると感じた2015東京モーターショーでした。
ちょっと、来場者数をデーターで見てみましょう。
開催期間等の条件は様々異なりますが、ピークの91年の第29回2,018,500人までは順調に右肩上がりでしたが、その後バブル崩壊と共に右肩下りになり、01年の第35回1,276,900人を底に一旦回復基調になりましたが、リーマンショック後の09年には614,400まで落ち込みその後また少し回復していましたが、今回は前回比90.0%の812,500人でした。
つまり来場者数は、最盛期の約40%、バブル後最低値の約64%と完全な右肩下がりとなっています。
しかし、来場者満足度も91.0%(前回:87.3%)。次回の来場意向も89.2%(前回:86.7%)となっています。
これで、東京モーターショー主催者の方々、自動車関係企業、モータージャーナリスト等の関係者の方々は一息ついたと聞きました。
私は、来場者数が減っているのにその満足度が上がるということは、少し大袈裟かもですが「東京モーターショーのオタク化」にほかならないのではないかと思いました。
残念ながら、東京モーターショー自体も地盤沈下をしはじめて久しいです。
お隣の中国の元気が良い事もあるのでしょうが、それ以上に東京モーターショー自体に対して、グローバルなモータージャーナリスト達からすれば、東京モーターショーに来る必要性、意義がなくなってきているとも聞きます。
ついては、カーメーカーも海外メーカーを中心に展示車両を絞ったり、取りやめたりと地盤沈下です。
国内メーカーは当たり前といえば当たり前ですが、国内のマジョリティユーザーにターゲットを絞った展示が多かったように感じました。
つまり、現在とこれからの自動車の意義や社会との関わり、将来の自動車生活などの視点で発信できているメーカーが少なかったように思います。
ロスでもモーターショーは昔から開催されていますが、少し前までは、地方のモーターショー的でそんなに大きくはありませんでしたが、今では世界的モーターショーになってきています。
やり方次第なのです。
日本は、バブル崩壊を経てリーマンショックまで経験しても、やり方が変わっていないと思います。
つまり、日本は変わる必要性を強く感じていないということかもしれません。
ちょっと違うかもしれませんが「必要は発明の母」といいますが、その必要性を感じないから発明に匹敵する改革が無いのではと思います。
つまり、日本は平和で良い国なのです。
東京モーターショーの地盤沈下がおこってもまだまだ日本の自動車メーカーは世界レベルにあり、ご存知のようにトヨタ自動車は世界最高レベルの販売台数です。
この辺に慢心な部分があるかもしれません。
そんな中、私が次に感じたのは、国内は勿論ですが海外のT1メーカーさん達に元気がありました。それと何よりクルマに対する強い想いがあって、技術開発されているようにも感じました。
T1から、特にITを中心とした新しい技術、クルマ生活を変えるような技術が多く出てくるような気がします。
重厚長大メーカーは古くからの価値観でいくら考えても、いつまでたってもダメだと思います。
これからの事はこれからの人に任せないと。
若い世代と女性を登用しクリエーティブになりましょう。