繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

メルセデス・ベンツ250CE 愛情物語(故障話)

2015-12-20 09:46:53 | 日記
今回は、どういう訳か「故障話」のはずがお題は「愛情物語」になっています。
「故障=愛情」というお話と、「最近のクルマが忘れているコト」のお話です。

前回書きましたが、買ってすぐの帰り道で気づいたのは、ヘッドライトの暗さとターンレバーが左右に操作してもそこでとどまらず中立に戻ってくるというものでした。
ヘッドライトは後に車検を取るときに苦労するのですが、今のLEDは勿論さらにキセノンは勿論当時のバルブ式の半分くらいのもので、会社では「行灯」と呼ばれていました。
とはいっても当時でも縦型ヘッドライトの部品は少なく、車検の時は磨きまくってやっと通してもらったという感じでした。
最大の故障と言うか不具合は、宇都宮から和光市までの移動の為の高速に入った時から始まりました。
最初は調子よくいつもの通り直6は快調でした。しかし、少し走ったトコで、なんだか出力が落ちたんです。アクセルは踏んでいるのに。
おかしいな?と思いながら、嫌な予感で走っていると又「ぐぅ~」っと出力が落ちました。この時には流石にその理由がわかりました。直6のウチ、1個また1個と失火しているようなんです。つまり直4で走っている。
それでも、高速道路上なので何とか和光市の会社までいってから修理屋さんに連絡するしか無いと、恐る恐るでも100km/h弱位で走りました。
フト燃料計を見ると、高速に乗る前に満タンにしたガソリンが半分近くになっています。
あれ??? タンクに穴があいている?
そんな訳はなく、直4で頑張って100km/h近くで走っていたので、思いっきりガソリンを各シリンダーに送っていた様で、ロスも甚だしかつ多様です。
それで、仕方なく速度を80km/h以下位に落として走りました。これで和光市の会社までは何とかたどりつけるかな?
と。
しかし、100kmチョットの距離を70L程使うのか?と思わず燃費を計算してしまいました。
約1.4km/Lの燃費です。まさに「桁違い燃費」。 
そんなこんな気持ちを紛らわせて、何とか走っているとまもなく岩槻ですぐ次が浦和で外環に乗り換えて普通なら15分ほどあれば充分和光市に着くと言う時に、またまた今度はチト大きく「ガクン」と出力が落ちました。「ヤバイ又1つ死んだ」とうとう、3気筒だ。
「直6で良かった、直4だともう終わっている。」という思いが上がってきて、自分でも自分の思考回路がわからなくなってきました。
当然、もうアクセルはいくら踏んでも速度は出ずに、40km/h位になり、と同時に車体も結構揺れ始めました。
そのまま何とか浦和に着き、今度は外環に乗り換えですが当時は勿論ETCはなく、料金所で止まらなくてはなりません。
停まったらどうなるのか?
と思っているウチに料金所に着きました。
停まると「ガタガタガタ」と車体は揺れています。
料金所のオジサンは「大丈夫ですか?」と。
「ええ、なんとか・・・」と言おうとしたら「ストン」とエンスト。
「あっ終わった」と。しかし、一旦ニュートラルにしてセルを回して見ると、なんと「ガタガタガタ」となりながらもエンジンは回っている。そのままアクセルを床まで踏んでエンジンは「ぶっぶっぶぁ~」って感じで何とか回転が上がりそのままDレンジへ「ガッツン」と入れて、普通なら急発進ですが、エンスト寸前で何とかスタート。
もう車体は「ガタガタガタ」。ええっ?ガソリンはもう無い。
しかし、何とか何とか、やっと和光市の会社までたどり着きました。
着いてから妙に怖い気持ちになってよくここまで来れたなと250CEとの連帯感が増しました。
普通頭で考えると、「もう二度と乗りたくない」となると思うのですが、「連帯感」さらに、老体に鞭打って悪かったなと「愛情」まで。
人間って不思議です。

その後は、大きな故障はなく2年ほど乗りました。
大きなハンドルで大きめのクルマを走らせ、さらにサスのキレが良くて、また狭い道もハンドルのキレが良くすいすい。
クーペでも今のセダンより広くて視界よくて。
当時、飼っていた我が家の犬「小春」にとっても大好きなクルマでした。多分古くて変なPVCの匂いとかがしないせいかなとも思いましたが、とにかく喜んでのりました。
サンルーフはありませんでしたが、曇った日でも室内が充分明るいので、晴れた日などは最高でした。
また閉鎖感がなく、そういう雰囲気が良かったのではないかと思っています。
乗員全員がドライバーではありませんから、こういうことは大切ではないでしょうか。
今のクルマはエクステリアデザインを流麗にするあまり、乗員の快適性は重要視されていないように思われます。