繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

ヤマハ4輪スポーツカー 最高!!!

2015-11-04 16:51:51 | 日記
東京モーターショーで世界に先駆けて、YAMAHAのスポーツカーコンセプトモデル「スポーツライド コンセプト」が発表されました。
これは「ドライバーとマシンの関係を二輪車に近い世界観で表現。」『人機官能』という「人と機械を高い次元で一体化させることにより、人の悦び・興奮を作り出す技術」を使っています。ヤマハらしい提案じゃないですか。
パッと見たところ何の変哲もないような? 2シータースポーツカーですが(笑)、これが凄いのです。

私の凄いと言う感覚は、「創り手が創りたいものがあって意思・情熱を持って創っているか?」というところにあります。
またそれは、そのクルマのコンセプトがしっかりしていて、それがクルマに表れていて、創り手の情熱が伝わってくるかどうか?という価値観です。
そういう眼で見ると、今回のモーターショーでそういうクルマは少なかったですが、その中の1番はこの「YAMAHAのスポーツカー」でした。


これは、新骨格ボディーをベースとしており当然軽量高剛性ですが、さらにエンジンが何とかで、ニュルで何とか・・・等というスペックを聞かなくても、高性能は当たり前だし、そんな事は抜きにして十分魅力的で正真正銘のスポーツカーなのです。
少々高くてもどうしても買いたいな!!!というモノでした。
何故、そんなに買いたいという気持ちが先に来るのか?
実は私も興奮して混乱していますので、整理して書けませんが(笑)、とにかく書き進めたいと思います。

「ドライバーとマシンの関係を二輪車に近い世界観で表現。」と言っているように、ドライバーをセンターとして前後に伸びたメーターバイザーとメーター、シートの後ろのカウルというかテールと言うかそういうもので、二輪車の走り感をモチーフとしてデザインで新しさ感と精密感がでています。

一番は、「メーター周りの、緻密で精巧でカチカチとした、まるで高級時計のような、メカ感」です。


私のスマホ写真テクニックでは、うまくとれていませんが、メーターバイザーをスケルトンにして中のメーターメカを見せています。
また、メーター自身は少し2輪っぽいもので、走行感があります。


インテリアは、レザーで統一され馴染み良いものです。シートは鞍のようです。
エンジンスタートボタンは、そのままではロックレバーがその前に位置し押すことが出来ず、スタート時にはわざわざボタンの前のロックレバーを回転させてから、ボタンを押すようになっていて、つまり「儀式」が必要になっているのです。
ドアを開けて、インリアをパッと見た時にそのカラーと質感はエルメスとのコラボかなと一瞬思ったくらいの、質感高級感が漂っています。
(この表現はデザイナーの方は嫌がるとは思いますが、とにかく質感が高いと言う意味です。)
また、ドライバーズシートのヘッドレストの後ろは、まるで二輪にあるような「テール」(流線型ボックス)がデザインされています。カラーは「サンバースト」です。勿論、高級楽器の仕上げになっています。
極め付きは、このドライバーズシートに座ったドライバーの両足が位置する内側にシルバーの凸が見えると思いますが、コレを両足の内側で挟んで運転するという事なんです。つまり二輪のように。


他にも、デザイナーの想いや情熱が表現されている創りは内外共に沢山ありますがこの辺にしておきます。
ここまで、創り手の想いが伝わるコンセプトカーはありません。また是非、実現化してほしいものです。
当然、今回のモデルはいい意味でやりたい放題で、つまりコストを度外視しているということはわかりますが、是非量産化するときもこのままでお願いしたいと思います。やりたい放題と言ってもここまでやれる人、やったクルマは珍しいと思います。
2,000万円超えの売価になったって良いじゃないですか、他に無いのだもの。唯一ですよ。
フロントボンネットセンターとフロントフェンダー等にヤマハの音叉エンブレムが輝いていました。新鮮でした。

「ZF」って会社しっていますか?

2015-11-02 10:15:48 | 日記
モーターショーに行ってきました。
私が一番注目したのは、「ZF社が造った、アドバンストアーバンビークル」というEVです。
と言っても、ご存知の方は少ないかもしれません。
ZF社(ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社)は、ATやアクスルドライブ、アクティブシャシシステムに加え、
自動運転を見据えた運転支援システムの統合開発、供給を行う会社です。
今度横浜にR&D拠点まで作り本格的に日本進出します。(人材募集していますよ、キット。)
その方向はクラウドとやりとりする「自動運転」とスマホで乗員が降車後に操作出来る「自動パーキングシステム」。
さらに、「PHEV等の統合開発」と時代性をとらえたものです。
社長まで来日されていますから各カーメーカーを訪問されるのではないかと思っています。



Continentalも、自動運転化技術は進んでいます。
そうContinentalと言えば、タイヤを思い出す古い方?もおられるかとは思いますが、
タイヤだけでは無くZFと同様、先進企業なのです。
Continentalは自動運転には、自前での開発に力を入れるのは勿論ですが、協業の必要性も謳っています。
日本のカーメーカーの考え方として自前主義が一般的ですが、時代が変化し必要技術の内容が
変わってくるとこういうことなのではと思います。


話をZFに戻しますと、都会での取り回しや小さなスペースでも詰めて自動駐車出来るように、
大きくステア出来るようになっています。



勿論、一般のFF車やFR車などでは、こんなにステアできません。
つまり、FFではまずドライブシャフトが成り立ちません、FRでは後ろのタイヤが駆動してフロント
を押すので、これだけ切れていれば前に動かないことはすぐおわかりになると思います。

じゃ何故ZF社のアドバンストアーバンビークルは成立するのか?
モーターが左右の後輪にインホイールで付いていて、トルクベクタリング出来るようになって
いますので、極端な話左にフル転舵した時は右後輪だけ駆動さすと「動く」らしいです。
私は残念ながら実際に試乗していませんがZFの技術者の方にそう聞きました。

これこそ、EVの特性を使った新しい機構・構造です。
これだけステア出来れば、確かに小さなスペースでも駐車できますね。二車線の道路でのUターンも
可能らしいです。
さらに、乗員が降車後にスマホ等で自動駐車すれば、乗り降りを考えなくていいですから
「ギリギリ」駐車も出来ます。

完全自動運転とかになってくると、EVの方が制御もしやすいのではと思います。
だいたい、自動運転EVが効率よく走りだすと、ガソリンスタンドに行くのは面倒な事になりますよね。

未来は明るいです、希望がわきますね。
EVは元々未来のモノですから、希望がわかないといけません。
今のリーフやアイミーヴのEVは、少しでも内燃機関のクルマ並にと考えて作られていますが、
所詮「他人の褌で相撲」になってしまいます。
もっと、EVの得意技?を突き詰めて行くべきです。
そうするとその結果、形も内燃機関のクルマとは変わってきて、新しく希望の持てる形になると思います。
「ネガのカバーを考えるより、ポジを伸ばす」ということです。
人生もそうですよね・・笑。