草原の四季

椎名夕声の短歌ブログ

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短歌研究の訂正記事

2024-12-24 20:05:29 | 和歌・短歌

短歌研究1月・2月合併号に僕の歌集に関する訂正記事が載った。
本来であれば12月号の「過去1年間の歌集総覧」という一覧表に載るのが当然なのに、短歌研究社に歌集を贈呈しなかったためだろうか、漏れてしまったからである。
当然載るべきという意味は、1年前同誌1月号に当該歌集の広告が載ったからである。

以前このブログの4回前に書いたが、どの雑誌の編集部にも歌集は贈呈しなかった。そのブログ記事では、これから歌集を出す人は贈呈しなさい、と書いたのだが、贈呈しなかったことは、僕の秘かな自慢である。
短歌研究誌は長い年月定期購読し、今年の夏に定期購読をやめたのだが、編集部に歌集を贈呈するという発想は浮かんだことがなかった。これは、あとから考えると不思議なことだ。
同誌には「歌集歌書評・共選」という欄が昔からあり、複数人の歌人が評を書いている。問題なのは「共選」の意味するところである。業界のやり方はさておき、一般人の受け止めは、複数人の歌人が共同で、もしくは分担して評を書くということだ。なので、編集部の音頭取りが不可欠であり、仮に評を書いて欲しい歌集があるなら、編集部に送れば、希望が叶う可能性があることになる。
なのに僕は「共選」の意味を考えてみることもなかった。編集部に送るようにという説明が一切無かったからである。

この原因はふたつ有り得る。
ひとつ目は、単にボーとしていたからであり、もうひとつは「知らないということが最適解」だからである。
例えば、裸足で砂浜を駆けて行く人は、広い砂浜の1箇所に割れたガラスが埋まっていることを知らない。知っていたら、気分良く駆けることはできない。
それと同じで、変な誘惑に惑わされることもなく、僕はどの雑誌の編集部にも歌集を送らなかったし、今それを自慢している。

業界のやり方を、僕は知らないが、ある疑いを持っている。
歌集評というやつが全ての短歌雑誌に載っているが、あれは雑誌社の差し金ではなかろうか。全部とまでは思わないが、ほとんどの歌集評は編集部から「○○という歌集について評を書いてください」と依頼されて書いているのではなかろうか?
それが事実なら、歌集評にはそんなことはひと言も書いてない訳だから、読者への裏切り行為である。評を書いた歌人の自発的意思でやっていると思っていた。
さらに言えば、雑誌社どうしで相手の出版物を誉めあっているとしたら、詐欺に近い行為と言えるだろうが、真相は知らない。

さて本題だが、何回か前のブログで「短歌の真髄は認識にある」と書いた。直観による宇宙の把握ということだが、凡人が直観だけで宇宙を把握できるかどうかについて、世人と同じく僕も疑問を持っている。じゃあ、やはり理論的なものが必要なのかというと、それを否定しないが、必須とは考えていない。教典を脇に置くだけで良いと思っている。千年以上前に確立し、千年以上多くの人が拠り所とした教典をである。

直観と直感とは似たり寄ったりだが、例えば地球温暖化を直感的に理解できるグラフィックとして下図がある。1980年代までは涼しかった地球が、この20年ほどの間に急激に温暖化して来たことが一目瞭然である。
この図は、しかし細部が嘘だから、よそで使用しないようにお願いします。

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やれやれ歌集広報

2024-11-11 12:51:14 | 和歌・短歌

1年前に第一歌集を刊行してから、最低限の広報はしたつもりだった。

1月には奥村晃作氏がツイッターに取り上げてくださり、3月には山田航氏が現代短歌誌に取り上げてくださり、順調な滑り出しと思っていたら、それで終わりだった。

所属する短歌人会の月刊短歌人には、色々あって広告を出さなかったので、仲間内ですら知らない人が多いだろうことに後悔を禁じ得なかった。

しかし「うた新聞11月号」に下図のとおり紹介していただき、感謝しているところです。

歌集の価格は春時点のもの。

 

(備考)

著者取り次ぎはありません(著者取り次ぎだと消費税分130円ほど安くなりますが、送料がそれを上回ります。アマゾンは送料無料)

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新人賞

2024-10-13 08:20:48 | 和歌・短歌

短歌の新人賞に、ほとんど応募しない理由は明確だ。作品が出来たら、可及的速やかに発表したいからである。そして、僕には月刊誌に発表する環境があるので、間に合っていますという訳である。

 

しかし、10~20年に1回くらい良い作品が沢山出来た時に、ちょうど新人賞の応募期限が近いという、13年蝉と17年蝉との同時発生的な偶然がある。
略歌歴を添付することになっており、提出した後で少し気になった。歌集刊行について書かなかったが、歌集刊行は歌歴だろうかと。

 

書き下ろしの歌集を刊行する人は、ほぼいない。通常は発表済みの作品から抜粋し、構成を整えて歌集とする。ゆえに、歌集刊行は人生のイベントではあるが、取り立てて歌歴と言うほどの出来事では無い。

 

もうひとつ気になったのは、人生で初めて短歌を意識的に作った動機である。こちらは明らかに歌歴だが、一般的に略歌歴には書かれない。

でも、それはたいした動機じゃないケースがほとんどだから、と言えるだろう。
僕の場合、中原中也にシンパシーを感じたゆえに、中也の出発点であるところの短歌を書いたのである。
そのシンパシーの中身だが、短歌の真髄は、認識であるということだ。
このブログの第1回に書いた中で「真」つまり真理ということである。真が無くて善や美があっても何になろうか。

江藤淳の「作家は行動する」という本にも書いてあったが、読者は作家の認識を追体験するということだ。

 

四の五の言わず、次回からは両方とも略歌歴に加えておこう。

しかし、選考委員会に気に入られようという気持ちはマイナス100%だから、本賞受賞はないだろう。次席がもらえれば有難い。

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歌集もバーゲンしたっていいじゃないか

2024-08-31 14:41:37 | 和歌・短歌

歌集だって、秋のバーゲンセールをやったっていいじゃないですか。

パブファンセルフ版の「珊瑚樹」(紙書籍)を、期間限定で値下げいたします。

 

 

 

(10月27日記す)

価格の改定は、申請後3日ほどかかります。バーゲン終了の申請は既に提出済みですから、近日中に終了となります。終了日を「30日頃」と書いたのは、審査やショッピングサイトへの反映にかかる時間が流動的だからです。今回「秋のバーゲン」と銘打ったことに深い意味はありません。一度やってみようという趣旨ですから、たぶん今後バーゲンを行なうことは無いでしょう。

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これから歌集を出す人に

2024-08-21 15:46:15 | 和歌・短歌

僕が第一歌集に他人の文(解説・跋・帯)を依頼しなかった話はofficial site等に書いたが、実は当初どの雑誌社にも贈呈しなかった。

有名歌人(インフルエンサー)100人に贈呈すれば充分という考えだったが、数か月して少し後悔した。それでも意地とプライドがあるので、いりの舎のみ贈呈した。いりの舎は月刊「うた新聞」にて、贈呈された全ての歌集を紹介してくれるからである。編集部で値踏みするのではなく、例外なく全ての歌集を紹介してくれるので、プライドは傷付かない。第一歌集は拘りを持って編んだので、絶対に「ぱっと見」でウケないという自信があるのだ。ウケようなどというスケベな了見で作ってはいない。

なお、雑誌に歌集評を寄稿している人に、歌集を贈呈することもしなかった。あくまでも僕が有名歌人と認識する人にしか贈呈しなかった。当然有名歌人は100人超いるので、独断と偏見により100人に絞り込んだ。世間一般では200人以上に贈呈すると聞くが、僕の感覚では、100人でもそうとう多いと思う。それゆえ充分という訳だ。

 

要するに広告なら無名の歌人に値踏みされないということだが、第二歌集では全ての雑誌に贈呈しようかと思っている。

自分で自分を裏切ることも、ひとつの自由だからである。

第二歌集を依頼する出版社は既に決めてあり、それ以外の会社から出すつもりは無いので、契約条件と合致すればとの条件付きではあるが。

 

そういう訳で、僕の第一歌集は意地を張り通したが、皆さんが歌集を出すときには雑誌社の編集部に贈呈した方がいいと思いますよ。少なくとも後悔することが無いという意味で。

ただし「注文の多い料理店」で有名な宮沢賢治が、当時一流の児童文学雑誌だった「赤い鳥」に、何度も原稿を持ち込んだが、ついに1回も掲載されなかった、ということは念頭に置くべきだろう。

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