草原の四季

椎名夕声の短歌ブログ

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歌集に載せなかった歌

2024-02-12 11:13:52 | 和歌・短歌

歌集は単なる歌の集積ではなく、それ自体が創作物である。
まして、冒頭あたりに目を引く歌を載せ、ベストセラーを目指すなどという浅ましい考えは僕にはない。
まあまあ出来は良いと思いながら、あるいは面白いだろうと思いながら、歌集には載せなかった歌で、ネットにも載っていないと思われる椎名夕声の短歌を一挙公開いたします。ただし2024年1月号まで。

(ワンちゃんの歌)

半年で抜けるとウキウキして待った乳歯がこれか猛獣の牙

ことばなぞ邪魔なだけだと知らされるひょんなことから柔順になる
無謀にも高いところに登ったが降りられぬのか尾を振っている
ダンボールを噛み散らかしているあいだ独り遊びのおとなしい犬
買ってきたボール三日で噛み砕く妨害せんとあちこち撫でる
生傷のたえない日々が続いてるひだり手首はフランケンシュタイン

(2012年)
不覚にもたった一回笑いたり穂村弘の「にょっ記」を読んで

(2023年)
雪の降る町を思い出通り過ぎ平凡な過去美化されており

(2024年)
圏央道の外側だもの土浦はどっこいそれでも人口増えてる

コメント
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