僕が所属している短歌結社「短歌人」は貧乏で、会費のほかにカンパを集めないと回らない。
僕も毎回ではないがカンパしている。
財政が厳しいので苦肉の策として最近は1人あたりの掲載数を減らしている。そういう状態が6年以上続いている。
ところが、一律に掲載数が決まっていればわかりやすいのだが、提出数から必ず1首減らされる。たとえば基準(上限)が6首の場合、7首提出すれば6首掲載されるが、6首提出すると5首、5首提出すると4首しか掲載されない。これは時として悩ましい問題になる。
(7首提出しても5首しか掲載されないこともあるが、それはまた別の問題)
連作の短歌だと、起承転結もしくは起承結もしくは起結となるが、2首の連作と3首の連作の掲載を希望するなら6首以上提出しなければならず、しかも1首は必ずボツになる。
ボツを決める選者もご苦労なことだが、起承結3首を掲載して欲しい連作なら余計な1首を追加提出しなければならず、その場合起承承結となり、承が2首になるから、どちらがボツになるか不安な状態になる。
選者は完璧ではなかろうから、選者自身の価値観によって選び、提出者の価値観とは一致しないし、ミスマッチが起きる。
貧乏結社でなければ起承承結4首を掲載して終わりで、短歌人にもそういう時代があったが、最近僕の歌でミスマッチが起きた。
下記の歌はボツにすべき歌だと僕は思うし、自己評価が格段に高い方の歌がボツになってしまった。
ボツになった歌(もちろんどこかに差し障る歌ではなく、理解しにくい前衛的作品でもない普通の秀歌)は後日ふたたび提出するつもりだが、そのために起承結のうち起結2首以上を新たに作らなければならなかった。(実際には問題の歌が抜けたら成立しない歌を2首としたから起承結結)
短歌結社にはそういう苦労もあるという愚痴です。
留守宅の安全確認終えたあと家族を迎え風呂沸かしけり
上の歌はボツにしてもらう予定だった。つまりダミーである。
どこも誉める箇所が無い駄作だと思う。
しかし口惜しいことに、こちらが選ばれてしまった。
ちなみに、東日本大震災の日に家族全員で出先から逃げ帰った際の状況を詠んだ連作である。
(後日記)
再度のチャレンジは成功しました。
(2024年9月末日に記す)
一度ボツになり、再度のチャレンジで掲載された歌が、編集人(いわゆる編集長)の月評に取り上げられた。
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