草原の四季

椎名夕声の短歌ブログ

HPはhttps://shiinayuusei-1.jimdosite.com/

貧乏結社の苦労

2024-06-01 15:29:57 | 和歌・短歌

僕が所属している短歌結社「短歌人」は貧乏で、会費のほかにカンパを集めないと回らない。

僕も毎回ではないがカンパしている。

財政が厳しいので苦肉の策として最近は1人あたりの掲載数を減らしている。そういう状態が6年以上続いている。

ところが、一律に掲載数が決まっていればわかりやすいのだが、提出数から必ず1首減らされる。たとえば基準(上限)が6首の場合、7首提出すれば6首掲載されるが、6首提出すると5首、5首提出すると4首しか掲載されない。これは時として悩ましい問題になる。

(7首提出しても5首しか掲載されないこともあるが、それはまた別の問題)

 

連作の短歌だと、起承転結もしくは起承結もしくは起結となるが、2首の連作と3首の連作の掲載を希望するなら6首以上提出しなければならず、しかも1首は必ずボツになる。

ボツを決める選者もご苦労なことだが、起承結3首を掲載して欲しい連作なら余計な1首を追加提出しなければならず、その場合起承承結となり、承が2首になるから、どちらがボツになるか不安な状態になる。

 

選者は完璧ではなかろうから、選者自身の価値観によって選び、提出者の価値観とは一致しないし、ミスマッチが起きる。

貧乏結社でなければ起承承結4首を掲載して終わりで、短歌人にもそういう時代があったが、最近僕の歌でミスマッチが起きた。

下記の歌はボツにすべき歌だと僕は思うし、自己評価が格段に高い方の歌がボツになってしまった。

ボツになった歌(もちろんどこかに差し障る歌ではなく、理解しにくい前衛的作品でもない普通の秀歌)は後日ふたたび提出するつもりだが、そのために起承結のうち起結2首以上を新たに作らなければならなかった。(実際には問題の歌が抜けたら成立しない歌を2首としたから起承結結)

短歌結社にはそういう苦労もあるという愚痴です。

 

留守宅の安全確認終えたあと家族を迎え風呂沸かしけり

 

上の歌はボツにしてもらう予定だった。つまりダミーである。

どこも誉める箇所が無い駄作だと思う。

しかし口惜しいことに、こちらが選ばれてしまった。

ちなみに、東日本大震災の日に家族全員で出先から逃げ帰った際の状況を詠んだ連作である。

 

(後日記)

再度のチャレンジは成功しました。

 

(2024年9月末日に記す)

一度ボツになり、再度のチャレンジで掲載された歌が、編集人(いわゆる編集長)の月評に取り上げられた。

 

(2025年初に記す)

ダミーの語は「偽物」の意味でも使用されるらしい。僕の人生では、コンピュータープログラムの確認のため、あらゆる状況を想定して作ったデータを入力してRUNさせ、確認終了後はシステムから排出するデータのことだ。なので僕のニュアンスとしては「廃棄される予定の物」である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナ禍から約3年

2024-05-19 15:45:13 | 和歌・短歌

新型コロナ禍は、2020年1月に国内感染者が初めて確認され、2021年春にワクチン接種が開始され終息し、それから3年経って月刊「歌壇」6月号で特集が組まれた。

今までも新型コロナ禍の歌の特集は繰り返されたので、ここに来ての特集では、今までの特集から漏れた歌が紹介され、網羅的な内容になるのかと予想したが、ちょっと期待外れだった。

 

新型コロナ禍で社会的問題となった分断については、当ブログでも取り上げたことがあったが、そもそも文学は社会の有り様を改善することに寄与し、貢献すべきものか、あるいは人間に貢献すべきものかという大きな論点がある。

社会の分断を解消すると言えば聞こえは良いが、感染症の抑制のために人流を制限することが効果的であることは科学的真実であり、一方で人流を止められると困る人々との軋轢は避けられない。

極論すれば、人流を抑制した結果、食糧等重要な物資が行き渡らなくなって餓死したりすることも有り得るかも知れない。

そうなった場合、新型コロナで死ぬ方を選ぶか、餓死を選ぶかという究極の選択となろう。

実際には、イギリス、イタリア、中国等で外出禁止措置がとられたにもかかわらず、我が国では折衷型の施策がとられた訳だが、それでも自由を奪われることへの反発は強く、国家権力の横暴になぞらえる歌が多く詠まれた。

幸いなことに、ハンガリー人民共和国出身のカリコ博士の発明によりワクチンが開発されたため、たった2年で新型コロナ禍は終わった。

国家権力の横暴を言う者は満足したかも知れないが、ワクチンが発明されてなかったらどういう事態になっていたか、それは謎のままとなった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

有名歌人のメッセージ中間マトメ

2024-04-27 14:43:16 | 和歌・短歌

第一歌集を出して約4か月経った。
この間奥村晃作氏、山田航氏、有名歌人H氏からメッセージを頂いた。
贈呈が漏れた有名歌人に今週贈呈したし、まだ6月頃までは他の歌人さんからのメッセージを頂く可能性があるが、取り敢えず中間マトメをする。

下図において、僕の自信作27首を塗りつぶした。そのうちオレンジ色2首は特に自信作。
H氏からのメッセージは私信ゆえ、残る御二方と僕の自己評価との対比表である。


まず、御二方がともに引いてくださった歌が1首だけあったが、それは僕の自信作では無い。(上図には載っていない)
巷でよく見る現象だが、ありふれてなくて珍しい歌はよく引かれる傾向がある。

山田航氏は、僕の超自信作を2首とも引いていない。
超が付かない自信作を2首引いてくれた。

奥村晃作氏は、僕の超自信作を2首とも引いてくれた。僕が自信作を発表したのは、この記事が初めてだから、僕としては嬉しい限り。
超が付かない自信作の方は2首引いてくれた。

御二方の引いてくれた作品で僕の自己評価と一致したのは、わずか6首だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中原中也晩年の短歌

2024-04-18 14:02:51 | 和歌・短歌

このブログの前々回の記事で紹介した中原中也晩年の短歌には大きなショックを受けた。
中也は30歳で亡くなったが、29歳頃に詠んだ短歌を「晩年の短歌」と言ってのける人間は、恐らく僕のほかにはいないだろう。
それらの短歌に、僕は痛々しさを禁じ得なかった。誰よりも中也を理解していると自負している僕だからこそである。

中也の晩年の短歌には、読者を惹きつける魅力がない。彼の詩にくらべて、なんとみすぼらしいことか。しかし、彼が終生言い続けたことは、こういうことだったんだと改めて思う。

身も蓋もない言い方かも知れないが、彼には詩を「上手に」書く能力があったから、生前少なくとも少数の文学の士には受け入れられた。

中原中也の人生は3期に分けることが出来るだろう。
まずは20歳過ぎまで。
早熟さに注目され調子に乗っていた時期だ。
次が第一詩集山羊の歌の刊行から、小林秀雄の後押しで世間に名を知られるようになった頃まで。
愛人が小林秀雄のもとへ去り、中也は結婚して第一子も生まれたが、その子が亡くなってしまう、というドラマティックな時期だ。中也は精神に変調をきたし、一時入院したが退院。
この退院のあたりからが第3期。第3期は短い。じきに病死してしまうからである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホームページを開設しました

2024-04-15 12:44:40 | 和歌・短歌

ホームページを開設した旨を、ブログTOPに記載しリンクを挿入しようと思ったけれど、gooブログの仕様では不可能と判明しましたので、ここに記事建てしてお知らせいたします。ブログTOPには一応ホームページのURLを記載しましたが、下記リンクをクリックでホームページへ移行できます。

 

  ↓ホームページはクリック

 

Home | shiinayuusei

椎名夕声マトメ

shiinayuusei

 

 

ホームページ(official site 椎名夕声マトメ)には、トピックス・自己紹介・プロジェクトを記載し、「概要」には運営者への連絡方法を記載しております。その連絡方法とは、このブログへのコメントですが、詳細はホームページ内の「概要」を御覧ください。

なお、プロジェクトは当面ありません。歌集無料キャンペーンは、今後は開催いたしませんが、アマゾンの電子書籍Kindleを初めてダウンロードする人は70パーセントOFFになるタイミングがあるようです

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする