忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

米寿記念 富岳凌雲書作展

2013-11-17 16:02:05 | 書展
先日、伺った銀座画廊美術館での
現日会の名誉顧問でいらっしゃる、富岳凌雲先生の米寿記念の作品をご紹介します。


「山峡に こもろふ響 しづみゆき すみてするどき 川音とかはる」(窪田空穂)


「こころあらば たづねてきませ 鶯の こづたひちらす 梅の花みに」(良寛)


「一蝶を 放ちて蓮華 浄土かな」



「白雲は ひくくこごれば 暁の ひかりさしつつ 啼くほととぎす」(斎藤茂吉)



「梅しろし あたたかき日も さむき日も」(原 石鼎)

その他に大作、小品、多くの作品がありました。

ご自宅で療養中の富岳先生の作品を、こんなにたくさん拝見することができ、
私はとても感激でした。

しかも、その作品の力強いこと。

富岳先生が現日会の会長を勤めておられた頃、私は多くの励ましをいただき、
先生の温かく実直なお人柄をとても尊敬しています 

大好きな富岳先生にお会いできませんが、
近しい方々からご様子を伺い、
先生のご回復を心より祈っております。

(皆様に見ていただきたく、富岳先生にお断りなく、ブログに掲載させていただきました。
支障があるようでしたら、ご一報ください。)







2013書TEN―変わる― 私の作品 その2

2013-11-16 21:50:34 | 書展
先ほど地震がありました 
我が家の地域は、震度3。
3回ぐらいに分けて、揺れがきました。

この一週間、「2013書TEN―変わる―」の紹介にお付き合いいただき、
有難うございました。

本日2点で高知展の模様は、終了といたします。



《陶淵明「帰去来辞」の「実の途に迷うこと其れ未だ遠からず、今の是にして昨の非なるを覚りぬ」から》
昨日は非と思ったことが、今日は是と思われること。
境遇が変わったために、考え方もすっかり変わってしまうことだそうです。

信念や思想が変わることは、恥ずかしいことのように思いがちですが、
間違っていたり、その状況にそぐわないものであれば、
直ちに訂正、修正しなければならないということでしょうね。

私は、いつも間違いだらけなので、訂正ばかりしています。
でも、間違いに気づくことが大切だと思います 


私の「龍馬のことば」です。



「世の人は我を何とも言わば言え わが成すことは我のみぞ知る」

ちょっと細かったなあ…と反省 
運筆のリズム、流れを意識しすぎました。
メンバー10名の作品を巻子にすると、
一体感があって嬉しいのですが、
皆さんの作品に比べて、寂しい印象。
龍馬の強い信念とは、ほど遠いなぁ・・・と。



もう一週間前になってしまったのですが、
9日の夜は、メンバーが全員集合して懇親会を行いました。

その会場が高知駅近くの「鶴巴良(つるはら)」という郷土料理のお店です。



このお店のおかみさんは、現日会の会員さんで、とても気さくな方です。
店内には、おかみさんのお人柄を表す、温かな雰囲気の作品が飾ってあります。

カツオの塩たたき、お刺身の盛り合わせ、田舎ずし、皿鉢料理、にゅー麺…
すごく美味しくいただきました。

酒豪ぞろいの書TENメンバー、ビールに土佐鶴、かなり飲みました 

皆様も高知へお越しの節は、「鶴巴良」へ是非お立ち寄りください。 




2013書TEN―変わる― 私の作品 その1

2013-11-15 22:11:35 | 書展
今日は厄日です。

鶯谷の現日会事務所で夏の書展の作品集や会報の発送作業のため、
午前10時に集合。
事務所の鍵を持っているのは私だけだったので、早めに家を出たのですが、
品川に着いたとたん、カバンの中に鍵が入っていない

品川の通路で頭の中が真っ白、顔は多分青ざめていたでしょう 
事務所が開かなければ、作業はできないので、ともに作業をしてくれるメンバーにメールをして
鶯谷の喫茶店で待機をしていただき、鍵を取りに戻りました。

お陰で作業は1時間15分遅れで開始。

しかし、皆さんの手際がよく、3時には作業終了。
3時半に宅急便の集荷があり、無事終了しました 

ほっとして帰り支度を急ぎ、トイレに駆け込んだところ、
ドアにゴツンとオデコをぶつけ、たんこぶ 

今日は散々な一日でした 

帰りに有楽町で下車。
書TENのメンバーである桃太郎さんが出品されている書展を拝見してきました。



有楽町の駅を降りてすぐ。素敵な書展です。
今日のいやな気分も、この書展で癒されました。
できれば、もう一度行こうかな…

さて、2013書TENの作品は、まだまだあるのですが、
本日は、恥ずかしながら、私の作品4点のうち2点ご紹介したいと思います。



太宰治の「人間失格」の一節です。
「自分が今まで阿鼻叫喚で生きて来た 所詮人間の世界に於いて たった一つ真理らしく思えたのは それだけだった ただ一さいは過ぎて行きます」

太宰の言葉には、人間の本音が赤裸々に表れているように思います。

太宰の言葉と重なる私がいるのです。
ただ一切は過ぎていきました。
過ぎたことにより、私は少し変わることができたと思っています。






「脱」
今の日本で「脱」と言えば、原発。
でも、日本は逆の方向に動きつつあるような…

今の時代、悪しき慣習・不合理なルールから脱出しなければ、
発展はありえない。
そんなことが、数多くあるように思います。

様々な場面で、「変わる」努力が必要です。


次回は、残り2点をアップします。

















2013書TEN―変わる― 私の好きな作品 その3

2013-11-14 23:50:46 | 書展
今日は、午後から師と共に銀座へ出かけ、
現日会の前会長の富岳凌雲先生米寿記念 第37回藍雲会書展にお邪魔してきました。

療養中でしばらくお目にかかれない富岳先生は、やはり不在でしたが、
先生の仮名作品が13点も飾られていて、それは素晴らしいものでした 

写真を撮ってきましたので、後日アップさせていただきたいと思います。

銀座2丁目貿易ビル8階、銀座画廊にて17日(日)までの会期です。

本日の銀座は、早くもクリスマスバージョンのイルミネーションが美しく、
ブランドショップは特に華やかでした。



さて、昨日に引き続き、「2013書TEN―変わる―」の作品のご紹介を。

私がいつも「凄い」と思っている木原光威氏の作品です。



「私は気圏オペラの役者です」「東岩手火山」より
宮沢賢治の詩集『春と修羅』(大正十三年四月刊)に収められている長 詩の一部です。

木原氏の作品は、何の計算もなく、わだかまりもなく、束縛もなく、
おおらかに、ゆとりをもって書かれていますね。
現日会のスローガンである「自由と奔放」というのは、彼のためにあるように思います 

彼は私よりも年下ですが、私もいつか彼のような作品が書けるように
なりたいと思います。

今回は、先にご案内した通り、10名全員で研究作品として、
それぞれ違った「龍馬のことば」を書き、2本の巻子にまとめて展示しました。
その木原氏の作品です。



朱墨と黒墨を混ぜたそうです。
間のラインは、罫線のつもり。太さが違ったり、間隔が違ったり、
面白いアクセントになっています。



私の大の仲良し、星夏さんの作品です。



「片づけて秋明菊を挿しにけり」

そして、「龍馬のことば」は



「又あふと思ふ心を導にて道なき世にも出る旅かな」

どちらも素敵な仮名調の詩文です。

漢字も素敵な作品を書かれる彼女ですが、
仮名の線の素晴らしさは、目を見張るものがあります。
墨色や散らし書き、表具へのこだわり、センスが光る作品をいつも発表され、
その前向きな姿勢を私はお手本にさせてもらっています。
今回も、ずっと一緒に行動していたのですが、
ちょっと飲み足りなかったのでは? 



明日は、星夏さんと共に現日会の事務所に集まって、
現日会員の皆さまへ、会報と夏の書展の作品集を送る作業をします。
朝が早いので、今晩は早く寝なければ…
あら、、、もう明日になっちゃう。。。



2013書TEN―変わる― 私の好きな作品 その2

2013-11-13 20:50:58 | 書展
本日で「2013書TEN―変わる―」が終了いたしました。
高知での開催ということで、私は前半しか会場にいられず、
高知の方々にはご迷惑をおかけしました。
ご来場をいただいた皆様、お世話になった方々に厚く御礼申し上げます 

昨日に続き、私の好きな作品を紹介させていただきます。



沙於里さんの「馬耳東風」
入口正面に飾られ、この作品が今回の書展の目玉になったように思います。
これは、馬をモチーフとした抽象作品です。
胴体の図太く勢いのある線が魅力的です。

「馬耳東風」とは、他人の意見や批評に注意を払わず、聞き流すことのたとえ。
もとは春風が馬の耳に吹く意。人が心地よいと感じる春風が吹いても、
馬は何も感じないように見えることからいうようです。

センス抜群で、もともと抽象がお得意の沙於里さんですが、
最近は文字性を意識されていたので、抽象を発表されるのは久しぶりとのことです。
文字を書いても抽象を書いてもどちらもステキです




桃太郎さん作「李青蓮三百六十日・・・」
李白の五言絶句「内(つま)に贈る」

三百六十日  三百六十日
日日醉如泥  日日に醉ひて泥の如し
雖爲李白婦  李白の婦爲ると雖も
何異太常妻  何ぞ太常の妻に異らん

一年三百六十日、毎日泥のように酔いつぶれている、これではお前が李白の妻といっても、あの太常の妻と同じだねという意。
太常の妻というのは、故事により夫を疑い夫によって投獄された妻をいうそうです。
酔っぱらいの夫をもって奥さんは大変だねという、桃さんの奥さんをいたわる気持ちが伝わってきます




翠香さんの「愚公山を移す」
どんな難事でも志をもって専念して努力すれば可能となることのたとえです。

今回のテーマは「変わる」ですが、
外的要因により「変わる」こともありますが、
自分の人生を振り返ると、ほとんどが「変える」ことを意識し、「変えよう」と努力をして
はじめて「変わる」ことができるように思うのです。
苦しく辛いことも「変える」努力をもって、自分が「変わる」ことができる。
この作品が教えてくれるように思います。

しかし、私の場合その「変える」努力が長続きせず、
思うように「変われない」というのが、実情ですが・・・


ますます冷え込んできました。
今日は今シーズン初めてホッカイロ装着しました。
でも、やっぱり日中は熱くなりすぎて…
ちょっと気が早かったですね