最近では、海外でも俳句がブームとか。 でもそれは、いわゆる「短詩」にすぎないのです。
日本語でしか、俳句は成立しませんよ。 「何故と?」 聞きなせい!!
次の3句を声をだして、読んでみてほしい。
県境を越へて若狭の藤の花
合歓咲ひて空の高さや県境
青あらし県境のとろろそば
同じ漢字でも、読みがそれぞれ違いますね。音読み、訓読み、古語的読み方・・・・・
言葉のひびきに微妙なニュアンスの違いを感じましょう?
醒ヶ井・梅花藻
そして、嬉しいことに、四つ、五つ、六つというように言葉の数が違います。
17文字にまとめるために、これほど重宝することはござんせんのさ。
一の音読みは、緊張感、スピード感を表現するために、二の訓読みは、おおらかさ、安定感の
ために、三の古典読みは、優雅さ、たおやかさを伝えるために・・・・使い分けるのです。
同じ漢字でも、村、邑、邨・・・・日本語の素晴らしさを俳句に生かしてゆくんですよ。
枝折といふ村もありけり翁草
観音を守る邑なり桐の花
一番大切なこと・・・・「駄句」を恐れないことです。やったッ、なんて句は1年に2、3句できれば
御の字です。 かの虚子大先生でも「虚子200句」なんて句集を読めば、駄句のオンパレード
です。嫌になった頃、キラリ光る名句が登場します。さすが虚子!! てなもんです。
写生俳句の巨匠、高野素十にこんな句があります。
生涯に回り灯籠の句ひとつ
亡くなったお弟子さんへの追悼句です。「一生懸命、俳句を創ってきたけれど、お前さんの句と
いったら、回り灯籠の一句が残っただけだね」と、愛惜と名残をよせての一句です。
将来の句集に載せるだけの、俳句なんて、1年に2、3句できたら良いほうですよ。
そして、おおっ、出来ました。というような俳句ができたら、その作品を筆で書きたくなりましょう?
水彩画を添えて、一句書きたくなりまする。趣味が際限もなく広がるのですよ。
近くの公園では、マンネリになります。ちょっとした旅に立ちましょう。
俳句を始めると、退屈なんかしていられない。 楽しんでくださいね。