中仙道の宿場町、醒ヶ井の真夏・・・・・
太古より湧きつぐ清水が 町の真ん中を流れる
日本武尊が、熱病を醒まし
西行法師が、子をなした
流れのなかに咲く 梅花藻の花
揺れてゆられて、育ちゆき
やがて水面に、可憐なお顔をのぞかせる頃
醒ヶ井の夏は 盛りとなる
百日紅の紅が散り、 白と紅とが重なる頃よ
浴衣姿の娘たち、君知るや・・・はかない恋のかずかずを
湧水に似て、涙ひとつぶづつの恋が生まれては
哀しい別れを繰り返した、水辺の小道なのだよ
中仙道の宿場町、醒ヶ井の真夏・・・・・
湧きつぐ清水は、昼も夜も知らずにあふれ出る
ああ、母が生まれた美しい邑
詩歌が宿った、おさな心の町よ