父母が健在だった頃私の部屋だった、今は物置になっている2階にDVDのゲーリー・クーパーと
ジーン・アーサーの「オペラハット」を探しにいって、 思いもかけぬ一巻を見つけた。
「OZAKI 625 DAYS」 2枚組のDVDである。 まったく記憶にない。
俺がはたして買ったのか? 息子のプレゼント? ノンノン・・・じゃぁー万引きでもしたのかなぁー?
奴が18歳で新宿ルイードでデビューしてからの2年間の、625日ということだね。
まったく素晴らしい映像とサウンドである。 西郷さんもそうだが豊も日本で生まれちまったのが、
不幸の最大のものだ。 アメリカ人として生を受けたなら、その才能を本人も気づかないほどの
大成功を収めただろう。 日本人にはロックやポピュラーを甘受するだけの度量がないわね。
コンサートのなかで語る豊は、もちろん幼いさ。 けれどあいつのステージを駆け回り、
歌い、弾き、つぶやく姿勢には・・・自分にもたらされた可能性を総て発揮しようという、彼の
狂気と隣り合わせの情熱をこそ感じる。 石川啄木の生まれ変わりかしらん?
尾崎豊は天才である。 そのかけがいのない才能を殺したのは、民主主義なんぞというものを
掲げながら、 薄っぺらな政策に終始したこの国の罪だ。