醸楽庵だより

芭蕉の紀行文・俳句、その他文学、社会問題についての評論

醸楽庵だより  473号  白井一道

2017-08-02 15:00:47 | 日記

 こんな人たちに自民党は負けるわけにはいかない

侘輔 東京新聞社会部の望月衣塑子記者、菅官房長官に食い下がり、厳しい質問を繰り返しているね。
呑助 「総理のご意向」と記載された文書について質問すると「怪文書」だと菅官房長官は一言で切り捨てた。
侘助 その文書が本物だと証明され、「怪文書」と述べたことを望月記者に追求されると菅官房長官は「不可解な文書」という意味で「怪文書」だと述べたと弁明した。広辞苑では「怪文書」をいかがわしい文書。無責任で中傷的・暴露的な出所不明の文書または手紙。このように説明している。菅官房長官は「怪文書」という言葉が意味することの中から「出所不明」という意味だけを取り出し、弁明した。「いかがわしい」「中傷的暴露的」と言う意味を捨象し、追及をかわした。
呑助 「怪文書」という言葉が持っている「悪意」を取り除いた「不可解な文書」と言い直し、悪意を取り除いて言い逃れようとしたということなんでしょうね。
侘助 なかなかずる賢い手管を身に付けている人なんだろうな。悪意に満ちた人間が善人面をする。気を付けなければいけませんよ。
呑助 政治家は悪人というイメージが広がっているのはこういう言い訳をしたりするからなんじゃないでしょうかね。
侘助 国会の閉会中審査でこのようなやり取りがありましたよ。内閣改造で防衛大臣になるのではないかと言われている小野寺五典自民党衆議院議員は加計学園問題について「政治の不当な介入があったり公正な行政がねじ曲げられたりしたと感じるか」と国家戦略特区キンググループ座長の八田達夫氏に質問した。八田氏は「不公平な行政が正されたと考えている。獣医学部の新設制限は日本全体の成長を阻害している」とこのように答えた。小野寺氏の質問の趣旨は「行政が捻じ曲げられたのか、どうか」ということであったが、この質問にたいして八田氏は獣医学部の新設制限こそが不公正であり、今回不公正な行政が正され、公正に獣医学部の新設が実現したと答えていた。八田氏は国家戦略特区での獣医学部新設の過程が公正な手続きを経ていたのか、どうかということには応えず、獣医学部新設を制限していることの是非について答えた。テレビを見ていた国民はなんとなく今治市に獣医学部のある大学を新設することはいいことのようなイメージを喚起するような八田氏の発言であった。
呑助 こうして自民党は質問し、ワーキンググループ座長が答え、加計学園問題の公正さをイメージさせた訳なんですね
侘助 東京都議選の最終日秋葉原の自民党都議候補者の応援に駆け付けた安倍総理に対して「安倍はやめろ」と書いた大きな大きな布地を広げた若者たちに向かって「こんな人たちに自民党は負けるわけにはいかない」と述べた。「こんな人たち」と意見の異なる若者の意見陳述に対して「選挙妨害だ」安倍総理は述べた。このことに対して菅官房長官は「選挙運動の自由だ」と述べ、安倍総理をかばった。
呑助 実に情けない日本の総理大臣ですね。度量の大きさがないですね。