醸楽庵だより

芭蕉の紀行文・俳句、その他文学、社会問題についての評論

醸楽庵だより  495号  白井一道

2017-08-25 15:04:20 | 日記

   孫崎さんへの手紙
2017年8月25日
白井一道
孫崎享様へ

 72歳になる老人が孫崎さんへのファンレターを書きます。私は岩上さんと同じように孫崎さんが書かれた『日米同盟の正体』を読んだのが初めてでした。その後『戦後史の正体』を初め読んできた。今、『日米開戦の正体』を読み始めた。読み始めたきっかけはIWJが放送した岩上さんと孫崎さんの話を聞いたからだ。トランプ政権が誕生した時にも岩上さんと孫崎さんの話を聞いたが、それ以来だった。
 印象に残った話は北朝鮮危機に関する孫崎さんの話だった。アメリカ政府首脳が北朝鮮問題について、危機を煽るようなことをしているということは、危機だとは認識していないということだときっぱりと発言した。その数日後、日本政府は防衛費の増額を発表した。2プラス2の会談のため、アメリカに行った小野寺防衛大臣はGDP1%枠突破もありうるというような発言をした。日本国民は止む無く受け入れるのだろう。これが狙いなんだと孫崎さんの話を聞いてわかった。そして思った。年金減額がやむを得ないこととして日本国民は受け入れるのだろうと思った。
 私は公立高校の世界史の教員を38年間してきた。『日米開戦の正体』を読み始めて思った。古代ギリシアの民主政治は衆愚政治となり、滅びていく。ソクラテスの死は民主政治の崩壊だった。民主政治が衆愚政治になったからである。嘘と詭弁のデマゴーグが民衆の支持を得て、ギリシアを滅ぼした。米軍艦に救助された母と子を日本は守らなくていいんですか。安倍総理はテレビに向かって話した。嘘と詭弁のデマゴーグになり果てた安倍総理の姿がテレビに踊っていた。これはまさに衆愚政治だ。ポプュニズムとは衆愚政治のことだ。衆愚政治の始まりは小泉政権からであろう。デマゴーグとして小泉氏は一級品だった。彼の演説会場には立錐の余地もなかった。大衆が彼の周りを何重にも取り巻いていた。それに比べ安倍総理の周りには「あべやめろ」の横断幕が取り巻いた。
 尖閣列島は日米安保条約第五条の適用範囲だとアメリカは承認している。だから尖閣列島に中国軍が進出したら日米安保条約に基づいてアメリカ軍は出動しないと孫崎さんは説明してくれている。孫崎さんの話を聞くと日本政府の答弁は説明を中途半端にして全体を説明したことにしていることがよく分かる。これも一種の嘘と詭弁ということなのだろう。安倍政権の政治は衆愚政治になり、亡国の政治なのだろう。
 このまま日本は滅んで行ってしまうのだろうか。なんとしてもこの今の政治を変えたいと思う。少なくとも教育予算や福祉予算を減額するのではなく、ミサイル防衛費を減額するような政治を実現したいなぁーと、思う。安全保障とは世界のどの国とも仲良くすることであるということを孫崎さんから学んだ。防衛費を増額することが安全保障ではない。日米同盟ということは、アメリカの敵を日本の敵にすることのようだ。日米同盟の強化とは、安全保障を強化するのではなく、反対に日本の安全を脅かすものであるということを孫崎さんから学んだ。
ささやかながら私も孫崎さんから学んだことを周りの仲間たちに知らせ、日本が少しでもいい社会になるように努めたいと思っている。
 孫崎さんの顔をパソコンのモニター画面を通して見ているととても元気そうなので、勇気づけられる。今でも皇居一周のランニングをしておられるのですか。素晴らしい。これからも元気に私たちに日本の国がより豊かに、生きることがいいなぁーと思えるような国にするために頑張ってほしい。私も孫崎さんのような活躍はできませんが、できる範囲で頑張りたいと思っています。