side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

フェイクスピア @東京芸術劇場

2021年05月27日 | 演劇・舞台
5月24日から公演が始まった NODA・MAP フェイクスピアを観に行った
確かチケット販売が3月下旬で、その時は2回目の緊急事態宣言が解除された後だったと思う。
その後、再度の緊急事態宣言になり、本公演も中止になるかと危惧していました。

*****ご注意 ネタバレあります*****

今回は主演が高橋一生
作品名がフェイクスピアで、予想していたとおり、序盤はシェイクスピアの四大悲劇(リア王、オテロ、マクベス、ハムレット)のモチーフが出てくる。
場面は恐山で、亡くなった人が憑依する という場面で、高橋一生と橋爪功が出会いシェイクスピアの登場人物に憑依されシェイクスピアの一場面となるのだが、高橋一生が女性役
先シーズンのドラマ 天国と地獄でも女性役がはまっていたが、見ていてもストレスがない。

で、ハムレットでは高橋が父で橋爪がハムレットと親子関係になり、話がシェイクスピア作品から動いていく。
同時進行で高橋が大事に持っていた「言葉の箱」を皆が追っていく。

言葉遊びの中でストリーが展開していくのは野田舞台のおきまり。
楽しく、心地よく身を委ねていたら、高橋の持っていた箱がボイスレコーダーだと分かり、突然場面は旅客機内へと。
そこから終わりまで、凄い迫力だった。
JAL御巣鷹山墜落機のボイスレコーダーから機長室を再現する場面だった。

高橋が機長(の亡霊)で、橋爪は高橋の実子だという設定
ボイスレコーダーで真実を息子に伝えたいと恐山に現れたのだった。

久しぶりの舞台、コロナ後初めてでした。
高橋一生始め、橋爪功、白石加代子ら共演者も揃い、見応えある舞台だった。
主要キャストの走り回りがいつもより少なく感じたのは、やはりコロナの影響もあったからでしょうか。

途中休憩のない約2時間強の作品
前作から1年半ぶりの新作
今回も期待を裏切らないものでした。

3回目の緊急事態宣言で延長前の期間は舞台公演が中止なったものもあり、私も歌舞伎に行くことができなかった。
緊急事態宣言延長が決まった際、収容人数の制限で本公演は可能となり、良かったなと思いました。
その理由を「現場の混乱を避けるため」の政府・東京都の公式措置だそうです。
当日券の販売は停止されています。
また、当初緊急事態宣言明けとされていた6月1日以降の公演も収容定員制限対象外として販売されていました。)

ただ、会場は隣席を開ける等をしないほぼ満席だったのには正直少々ビビった。
マスク着用は皆さんしていましたが、やはり隣に人がいれば、おのずとお喋りが増えます。
静かなザワザワ感が開演前に徐々に大きくなっていく感じがとても不安でした。

本公演の開演前の雰囲気作りなのかBGMが流れ、開演前は会場での感染対策へのアナウンスはほとんどありませんでした。
開演直前に終演後は分散退場との案内があったくらいかな。
でも、終演後にどこの席から退場するかの全体アナウンスはなく、スタッフに声掛けされて退場しました。
観客を信頼しているってことなのかもしれませんが、、、

途中休憩がないのは良かった。

人が集まれば同じ結果なのかもしれませんし、主催者・関係者には経済的負担もあるでしょうが、まだまだ沈静化の兆しさえ見えないコロナ禍にあっては今しばらく収容定員制限を前提に公演企画されたほうが、個人的に安心感が高い。

私達は今回も車で劇場へ
この事態なので駐車場が混雑しているかと思っていましたが、実際は余裕で空いていました。
やはり都内の移動は公共交通機関がメインなのでしょう。

久しぶりに都内に出掛け、人の多さは地元とは段違いと感じ、声高に話しながら歩く人に過敏に反応してしまった。誰もがマスクは着用していましたが。
今回はコロナ感染拡大防止対策の都内の雰囲気に神奈川県民としては温度差を感じた格好となりました。


Q:A Night At The KABUKI

2019年10月19日 | 演劇・舞台



野田秀樹主宰のNODA・MAP第23公演 ”Q” を観てきた
2年半ぶりの新作だ
私にとっては2015年のオペラフィガロの結婚 以来
チケットなかなか獲れなかったんです。

観後感:わかっていたけど、やっぱり野田さんて凄い
凄く楽しめたけど、終わった瞬間もう一度じっくりみたいと思った
見落とした・気づき損ねたウィットがまだまだあるのでは・・・と作品の奥行が本当に深い

あのQueenの名盤 「オペラ座の夜」の全曲を使用した舞台

ロミオとジュリエットが実は死んでいなかったが、ロミオ(上川隆也)は流刑地へ、ジュリエット(松たか子)は尼寺へと身を隠していた
そんな二人がタイムスリップして 若き頃のロミオ(志尊淳)とジュリエット(広瀬すず)にちょっかいをだして運命を変えようとする
いや、実は生きていた二人が過去を思い出して語っているのか・・・

冒頭から 歌舞伎”俊寛”を思い起こさせる流刑地に一人残される瑯壬生(ろうみおぅ)
瑯壬生を待つ 愁里愛(じゅりえ)にやっと便りが届く。だた、便りは白紙だった
思いが過去へ繋がる

舞台は12世紀末、源平合戦の時代
贅沢を尽くす平の一人息子が瑯壬生、清貧を善しとし天下転覆を狙う源氏の一族の娘が愁里愛
という設定

ストーリーは誰もが知っているロミオとジュリエットなので分かり易く、舞台を日本にしたらこんな風かな・・・と入りやすい
そこに 野田作品らしい 言葉の紐付け・関連付けが場面展開や言葉遊びを自然にさせて、舞台が進んでいく

Queenの曲が主張しすぎず邪魔にならずそれでいて心に染み入る感じがした
特に「Love of my life」が主人公二人の絡み場面に凄く合っていて、志尊・広瀬には瑞々しさとピュアな感じ、上川・松には達観や人生を受け入れきれない切なさなどなど、実に綺麗な場面だった

Queenの曲はキャッチ―なメロディや言葉も印象的だが、ボヘミアン・ラプソディが典型だが、1曲内での曲想変化が実に美しくかつ自然
野田作品も言葉の紐付けやリフレインの中で次場面へ自然と連れて行かれる

今回は上川さん、志尊くん、すずちゃん、竹中さんとNODA・MAP初参加の役者さん
この作品で集結できてよかったよ~と思うほど贅沢だった
声のとおりも良く、志尊くん・すずちゃんのカップルは絵に描いたように観ても美し、台詞を聞いても瑞々しさが溢れて美しかった
目が見えなくなった上川さんの演技、当たり前だけど、流石

ストレッチャーを使った演出や大きな布を使った演出など、思い出してもワクワクする仕掛けが沢山あった

来週から大阪・北九州公演を経て、11月に再び東京に戻ってきます
全公演当日券が出るとアナウンスされています。
(都合があえば立見でも行きたい)

今回チケット、抽選販売だったのですが、購入規則がかなり厳格
申込み時点で同行者を含む氏名の登録が必要だった
当日も入口で身分証明証と確認がしっかり行われていました。
確認が済むと トップ画像のカードがもらえました

Q:A Night At The KABUKI
東京公演 11月9日~12月11日
東京芸術劇場 プレイハウス