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美しい森林

2010-06-23 | 青森自然
白神山地が世界遺産に登録された時、なぜそれほど高く評価されるのか誰もが疑問に思った事でしょう。
私もまたその時そう思った一人でした。

十和田市から八甲田へ車を走らせると、蔦温泉近辺からブナが主体の森林になります。
小潅木の少ない見通しのきく落葉樹の森は素晴らしいと、いつも思います。
ブナは積雪に強い木で、冬場の雪の重みで他の樹種は枝や幹が折れてしまうのですが、ブナはそれがなく、雪の多い山で他の木よりも優先的に光を浴びられる林冠を独占できるのです。
高度の高い山の上では積雪量の多さからブナの優先的な森になります。
冷温帯落葉広葉樹の広大なブナ林は、産業が発達して開発により森林が少なくなった北半球の中でも、湿度が高く積雪の多い日本の東北地方だけに残っている貴重な森です。
戦後、用材として植えられた杉林も都市から離れている白神山地や八甲田山の高度の高い場所には大きな爪痕を残さなかった。

住みやすい暮らしと経済を追求してきて、ふと見ると当たり前にあったものはすでに無くなっている。
そうなる前に冷温帯落葉広葉樹の貴重性を示してくれたのが世界遺産登録でした。
金にならないと高度経済成長以来忘れられていた森は、実はもうそこにしかない自然だったけれども、忘れられていたからこそ残っているとも言えます。



青森県でも低山などでブナを植えようとしているとも聞きますが、積雪によって出来上がるブナ林ですから、雪の少ない場所ではいずれ他の樹種の森林へと変わっていくものと思われます。
また、ブナは高さ30mを超える大木になるため、個人の庭には不向きです。