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十和田湖信仰

2012-08-20 | 青森
十和田信仰は北東北に広がる信仰で、『十和田明神』の祠を持つ神社は多くあります。
不思議な事に各県の神社庁から調べてみると、十和田神社の名称を持つ神社は、十和田湖の中山半島にある十和田神社のみ。
ドライブの途中に見かけた各地の小さな十和田明神社は、主だった神社の末社になるのか、またはそれ以外になるのかは不明です。

十和田湖の噴火があったとされる915年。
10世紀がどのような時代だったのかというと、菅原道真が死去したのが903年。
その道真を元の右大臣に復命したのが923年。993年にはさらに上の位を追贈している。
道真に代表される御霊信仰の盛んな時期であり、空也上人が浄土教を庶民に広めた時代でした。
この噴火がどのような規模のものだったかについては各論あるようですが、祟り為すものを恐れ、神として祭り上げることで安堵していた時代です。
そして北東北は、依然として蝦夷の反乱が何度も起こる時代でした。
この時代頃からと推測できる十和田信仰の御神体は、御蔵半島の御蔵山ともいわれています。
十和田湖の周囲から十和田湖に向かう道路はいくつかあって、それは昔の参詣道であったとも。
江戸時代末まで女人禁制のため、女性が参詣する場所が今の展望台になっているともいいます。
奥入瀬渓流の銚子大滝近辺から、昔の女性が十和田湖を参拝した古道と続いているそうです。
少し登って視界の開けた場所に、祈りを捧げるための参詣所があるのだと。
今、その古道は案内が無ければ分からなくなっていると聞きました。

御神体の御蔵山は、遊覧船で近くから見学すると巨大な磐座(いわくら)で、神々しいばかりの存在感を感じます。
昔の信仰心を集めた御神体は、今もその迫力で人々を魅了するのだと実感しました。


中山半島越しに見る御蔵山

船から見る十和田神社 御占場      御門石と御蔵山


発荷峠展望台からの眺め。
十和田湖周囲にあるいくつかの展望台からは、御蔵半島の御蔵山がよく見えます。