毎日幸せに in青森

ヒトはどんなときに幸せを感じるのか?
形而上の話を形而下に

ブログランキングに参加しています

人気ブログランキングへ にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 青森情報へ

三頭木とはなにか

2012-09-26 | 巨樹・巨木と伝承 三頭木
東北巨木調査研究会で提唱している「三頭木」は、山の神の信仰がある三つ又の木を意味しています。
これは、ミツマタという名前の樹木があるためと、もうひとつ、単に三つ又の形状になっている木と何がしかの信仰がある、もしくはあったと推測される木を識別するために使っています。
八甲田のブナの巨木「森の神」も見事な三つ又の木で、周囲に社などの信仰の形跡はないものの、周囲の木は皆伐採されているのに、不思議と切られずに残っている巨木です。
この地域で今も残っている「三つ又の木には神が宿るから切ってはいけない」という言い伝えがあり、信仰心に関わる理由のために残されたと考えています。

しかし、山の神の憑代といわれる木は形だけで決められるものではなく、昔の人々が神の憑代として認識していたかどうかが重要になってきます。
明らかに山の神の宿る木であると、はっきりと分かる巨木が岩手県水沢市の一本木のコブニレです。社が無く鳥居には「山神社」の遍額が掲げてあり、この木自体が御神体になっています。
根元から大きく左右に分かれた幹部分をよく見ると、折れて朽ち果ててしまったらしい太い支幹の跡が分かります。元々は三つ又の樹形であったため、このように祭られているのでしょう。

一本木のコブニレ 日本の巨樹・巨木より




もう一つは階上町平内にあるホウノキで、やはり地際から三つ又に分かれたホウノキに向かう小道には鳥居があり、木の横には小さな社もあります。
鳥居には扁額は無いものの、鳥居をくぐって見上げると正面にあるこの木が御神体であろうと推察できますし、このホウノキは三つ又であるだけでなく二本の支幹が2mほど先で癒着している「窓」(連理)を持っていて、昔の人々がこの木を見て神の宿り木と認識したと想像できます。




三頭木とは、
 ○昔の人々が
 ○神の宿り木との共通認識を持つ
 ○理由である形としての三つ又の樹形 であり
 ○実際に信仰の対象になっていたか、伐採されずに残されていた
このような定義が出来るかと思います。
これについてご意見などありましたら、ぜひコメントをいただきたいので宜しく願いします。