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価値観の多重性

2012-12-20 | 思うこと
今まで色々なボランティアをしてきましたが、いつも疑問に思うのは、サービスを提供する側と受ける側にはっきりと分かれてしまうこと。
ボランティアですから賃金を貰うわけでもなく、「もう止めます」と言ってしまえばサービスを受ける側に瞬時に変わってしまいます。この二極性に疑問もあって意地でも提供側の立場を選択していたのですが、考えてみればサービス=商品の考え方に囚われていただけとも考えられます。
物事にははっきりと白黒の付く事など少なくて、大概はグラデーションのように中間の考え方も多数存在します。
ベストな選択というモノがあるとすれば、それは極大に偏る物ではなくて、中間点のどこかの位置に、微妙なさじ加減で求められるものだとも思います。
お客の立場で少しだけ手伝うような選択も、あっていいのじゃないかと感じます。

一つのボランティア団体の推移をみると、多くの人が賛同して立ち上がる時期の後に、活動が停滞しつつ新規の参加者も少なくなる時期を過ぎ、消滅へと向かう繰り返しではないかと思うのです。
元々必要と思われた社会的ニーズが解消されれば、それは消滅してもいいのでしょう。
しかし、それまで築いてきた人間関係などの目に見えない財産までが同時に無くなってしまうのはもったいない話です。
特に人間関係のつながりは、築いていくのに時間がかかる上、必要に応じて短時間でできるものでもない。
今では大抵の市町村にボランティア応援のための部署がありますが、通常の資産とは違う価値観についての認識が少ない。
出来上がった人間関係を大切な資産として考えてみると、応用やさらなる拡大、別次元への移行などの可能性がたくさんあります。
一般的な資産とはまったく別の、もっと重要な価値を持つ物もあり、それは現在の資本主義的な価値観と重層になるように思います。
価値観の多重性は、もっと広く認識されてほしいところ。これからの日本の在り様は、別の価値観の裏付けの上に成り立つと思っているのですが。