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北山の三本杉

2014-07-05 | 巨樹・巨木と伝承 三頭木
梅雨の晴れ間に見学してきた巨木。
山の神として祭られる三頭木の杉巨木です。
こんな場所に、と思うような場所にあって、道も付いているものの消えかかっている状態でした。
それでもこの木の周囲は綺麗に刈り払われていて、今でも大切にされている木なのだと感じました。

先日『杣と木地屋』という本を入手して読んでいたところ、神奈川県の丹沢山地にも神木として切ってはならない木があり、その条件には窓木(連理木)などの他に「三本並んだ木」があるとの記載がありました。
「三本並んだ木」という表現は、十和田市の三本木の地名の由来にある木が、じつは三つ又になっていた木ではないかという事例もあり、別々の木が三本並んでいるのではなく、三つ又状になっている木の事をこのように表現したのではないかとも考えられます。
自然の中に生えている木が三本並ぶのはよくあるために他との区別が難しく、神の木として認識されるにはそれなりの特徴が必要です。
木地師は、流通の不便であった時代に良材のある場所を移動しながら轆轤木工をしていた職人で、その移動範囲は一人の木地師が関東東北地域を移動範囲とするほど広いという調査もあります。
そのような木地師の持つ信仰観は全国にあっても不思議ではなく、ただ明治以降急速に忘れ去られた信仰感覚がどれほど伝承されているかの違いにすぎないのかもしれません。

この日、三つ又の形状に対する信仰心の大元は何だったのだろうか、という話になり、八咫烏の足が三本である事、鳥の足跡は三つ又の形をしている事などが話題になりました。
神社の鳥居も、名称は「鳥・居」です。
山の神研究で知られるネリー・ナウマンの著作「生の緒」の中でも、縄文土器に現れる三本指の人物像が指摘されています。











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