腫瘍内科医一家のニューヨーク滞在記

ニューヨーク研究留学中での出来事を感想を交えてメモ代わりにつづります。

ニューヨークと松井秀喜選手

2009年11月03日 15時30分53秒 | 日記
 ニューヨークは不思議な町である。
 ニューヨークで職場や町中で出会った人たちと話してみると、多くの人は他国出身の移民である。そして、あきらに貧富の差が大きく、我々日本人から見れば、決してみんなが幸せではないように感じる。なのに、町中で話した人たちのほとんどが、ニューヨークのことを誇らしげに語る。そして、決まってヤンキースのファンである。

 自分のような日本の地方都市の人間は、残念なことにあまり地元のことを誇りに思っていないところもあるが、ニューヨーカーに誇らしげに語られると、無意識のうちに、日本や第二の故郷となった三重県のお国自慢をしている自分がいる。
「日本を離れてみて初めて、自分がいかに日本を愛していたかわかる。」この言葉の意味が初めてわかった気がする。

 ニューヨークという町自体が、一つのブランドになっていることも肌で感じる。
 ニューヨークは多くの分野で世界最高レベルが集まっているとされる。しかし、世界中の人たちが集まって共生するこの町は、一方で、とても暮らしにくい町でもある。マンハッタンは町並みが汚く、物価も私たちのような地方出身者には異常とも思えるほど高い。
 この町では自分はただ埋もれてしまうだけでないかという恐怖を感じながらも、一方で、この町で戦うことに誇りを感じる自分もいる。ここで頑張っている多くの人はこのような心理に陥っているのではないだろうか。

 日本でのジャイアンツ時代には不動の4番であった松井秀喜選手。今シーズンも十分勝負強い打撃を見せている。なのに、ワールドシリーズ真っ最中のこの時期に、今シーズンでヤンキースを去らなければならないかもしれない、との報道が連日なされている。
 こんな状況でも勝負強い松井選手のことを心から応援したい。
 是非、来年暖かくなったら、大ファンの6歳の息子とともにヤンキースタジアムで活躍する松井選手を見に行きたい。