茨城県古河市の名は良く聞くが、
しみじみ街を歩いたのは初めての様な気がする。
当博物館は平成2年古河城出城跡に開館した。
古河に城があり城下町だったことは知らなかった。
https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/
この建物の設計は吉田桂二氏で周辺の景観を生かした和の建物で
一目見た時からこだわりを感じた。
平成4年に日本建築学会賞、平成8年に公共建築賞を受賞している。
ちょっと照明を落としたロビーホールにはオランダの楽器
ストリートオルガンが置いてあり、この日も実演してくれた。
穴のあいた譜面をハンドルを回しながら奏でる太い音色を
暫し楽しむことができた。
まろやかな曲線のストリートオルガンとは対照的な
鋭角のクリスタルなシャンデリアが気に成った。
館内は3つの展示室に分かれていて
展示室1は「鷹見泉石と洋学」、展示室2は「古河の歴史」、
展示室3は「古河の文人たち」が常設展示されている。
幕末の古河城下のうち、城を中心に再現されたジオラマ。
古河城は下総国の渡良瀬川東岸にあった平城で1633年築の御三階櫓。
築城の歴史は平安時代末まで遡ると言われている。
主な城主は足利成氏(古河公方)、土井利勝で明治6年に廃城になった。
鷹見泉石(たかみ せんせき)は天明5年(1785年)
古河城下の四軒町の屋敷で誕生した。
のちに古河藩家老となり、安政5年(1858年)74歳で没。
ことさら洋学に関心が高く、
オランダ商館長から西洋名もつけられた程だ。
ロシア漂流民・大黒屋光太夫との関係、ロシア使節レザノフの来航、
間宮林蔵・近藤重蔵の北方探検、ペリーの来航、
大塩平八郎の乱、さらに渡辺華山や蘭学者たちの交流などの関係資料が
約3100点もあり、重要文化財に指定されている。
この肖像画はよく見かけた記憶がある。
特別展として昭和初期の古河の街の写真が展示してあり、
一枚一枚見ていくと自分の歴史と重なり、とても懐かしい気分になった。
やはりモノクロ写真は訴えて来る力がある。