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長谷堂城址公園のヒガンバナ

2018-10-04 12:54:39 | 東北のヒガンバナを訪ねて

 

 船岡城址公園を11時前に出発しました。

 

 次の目的地は山形市です。

 

 事前にナビへ入力した目的地の到着予定時間が計算されていました。

 

 山形市周辺の目的地4か所を全て巡り終えると20時を過ぎることが分かります。

 

 私は毎日が日曜日ですから、時間はたっぷりありますので、このような旅では、通常一般道をはしるのですが、今回は高速道路を利用すれば、今日中に山形市周辺の4か所全てを消化できることが分かりました。

 

 時間を節約する為に、村田ICから山形道に入りました。

 

 山形で最初に訪ねたのは長谷堂城址公園です。

 

 公園の駐車場に車を停めて、周囲を見回しましたが、駐車場の片隅に一列のヒガンバナが咲くだけで、それらしい光景は見当たりませんでした。

 

 多分、城山で咲いているのだろうと、山頂へ遊歩道を登ることにしました。

 


 

 鬱蒼と木立茂る森の中に、石段が続いていました。

 

 

 木立の切れ間から、山形市街と思われる街並みが見えていました。

 


 

 しかし、こんなふうに広葉樹と針葉樹が交じる森の中にヒガンバナが咲くことはあり得ないので、半信半疑で歩を進めて行きます。

 


 

 12、3分で山頂に到着しました。

 

 山頂では、一本のケヤキの下に長谷堂城址の石碑が見えましたが、案の定、ヒガンバナの姿がありません。

 


 

 やっぱりそうかと思いながら西側斜面を下り始めると、その場所に花開き始めたヒガンバナが並んでいました。

 


 

 ヒガンバナの横に、本沢地区振興協議会の名で「長谷堂城址公園のヒガンバナを保護育成しています」と書かれた掲示板が掲げられていました。

 

 そこにはヒガンバナの生活史が図示され、左下に平成21年11月の日付が記されていました。

 


 

 花は9月16日から22日まで、

 

 その後葉の活動期間が12月まで続き1~3月は雪の下となり、

 

 4月に再度の葉が活動し、5~8月が休眠期間となります。

 

 ヒガンバナの発芽率は10~15球に1~2個であることも併せ記されていました。

 

 つまり、山形のような雪国では、ヒガンバナの葉が光合成を行う1~3月に雪の下に埋まりますので、球根は十分に栄養を蓄えることができず、繁殖効率が低下することが分かります。

 

 この場所の株毎の花茎数を見ても、今回の旅で見てきた、茨木県北部辺りと比較して、平成21年頃から育成を図ってきた割に、かなり疎らであることが分かります。

 


 

 しかし、着目すべきことは、この場所での開花日が、9月16日~22日と記されており、このタイミングは、九州などでのヒガンバナの開花日と殆ど差がありません。

 

 このことから推測すると多分、ヒガンバナの開花には、日照時間が大きな影響を与えているのだろうと考えます。

 

 

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船岡城址公園「曼殊沙華まつり」に学ぶ

2018-10-04 00:26:21 | 東北のヒガンバナを訪ねて

 

 南蔵王町から国道4号をはしり、柴田町の船岡城址公園を目指しました。

 

 柴田町の船岡城址公園と白川堤は、全国さくら100選に宮城県で唯一選ばれている桜の名所です。

 

 東北を巡る「花の旅」でも、幾度となく訪ねている場所ですが、ヒガンバナの季節の訪問は今回が初めてでした。

 

 隣町の大河原橋で白石川を渡り、奥州街道を通って、船岡城址公園に向かいました。

 


 

 船岡城址公園は、伊達騒動で城主の原田氏断絶後に柴田氏が居住した館跡が明治維新まであった場所で、昭和45年に山本周五郎作のNHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」で有名になった樅の木が、白石川を見下ろす高台に聳えています。

 


 

 山頂に観音像が建立され、中腹に設けられた駐車場までは車で上ってゆけます。

 

 中腹に至る道の両側の、公園の山裾から、赤いヒガンバナに染められていました。

 


 

 道の脇に曼殊沙華まつりの幟が並び、

 


 

 公園内の三ノ丸広場の草地では、散策路に沿って、無数のヒガンバナが秋の陽を浴びていました。

 


 

 駐車場に車を停めて、樅ノ木へと続く道を進むと、反対側の斜面にヒガンバナの赤富士を望むことができます。

 

 この赤富士は、底辺30m、高さ12mで、一万本のヒガンバナによって描かれたそうです。

 


 

 白石川を見下ろす樅ノ木まで続く散策路の周囲は、他では類を見ないヒガンバナの光景が広がっていました。

 

 

   

 この船岡城址公園の「曼殊沙華まつり」は今年が第6回目だそうです。

 

 ということは、企画されてから10年は経ていないことになります。

 

 数回前の、このブログに書きましたが、ヒガンバナが花を咲かせる為の必要条件があります。

 

 一つは、秋から冬にかけて茂る葉に太陽光が届く場所であること。

 

 もう一つは、花が咲き始める9月中旬までに、地面が他の雑草などで覆われる場所でないこと

 

 の二つです。

 

 船岡城址公園は殆ど全山が桜や落葉樹で覆われていますから、秋から冬にかけて、ヒガンバナの葉に届く光を遮るものはありません。

 

 更に、船岡城址公園は全国有数の桜の名所ですから、ヒガンバナを咲かせる以前から除草などの維持管理が行われていたはずです。

 

 つまり、ヒガンバナの群落をつくるために、それほど多くの費用や手間をかけずに、秋に新たな観光シーズンを創設したことになります。

 

 花の名所は、複数個所が程良い距離に連なることが効果的です。

 

 例えば、福島の海通りの双葉町辺り、福島市の花見山か国見山辺りにもう一か所ヒガンバナの大群落があれば、紅葉の季節の前にバスでそれらを巡り、蔵王温泉辺りで一泊するような観光コースが完成するはずです。 

 

 しかも、日本のヒガンバナはソメイヨシノと同じ栄養繁殖なので、同一のDNAを持つと考えられ、全ての場所の開花日が揃うという、観光スケジュール上の大きなメリットがあります。

 

 そのようなヒガンバナの特性を考えると、2011年の東日本大震災の復興の一助として、新たなリソースとなるヒガンバナの名所が、限られた費用で、比較的容易に、創設し得るだろうと考えます。

 

 地域振興ボランタリー行為として、以上のような企画アイデアを提供します。

 

 宮城県、福島県知事と企画課、関連地域の自治体の皆様、如何でしょうか。

 

 

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