奥久慈茶の里公園を出発して、次は福島県矢祭町の戸津辺の桜を目指します。
ナビのリードのままに村の道をはしり、再び国道118号に出て北へ向かいますと、並走する久慈川の対岸に大きな岩峰が見えてきました。
国道脇に大きな駐車スペースがあり、鮎を焼く店や土産物屋などが並んでいました。
車を停めて、水郡線の矢祭山駅の横の踏切を渡って、川の方へ歩いてみました。
踏切を渡る前から、久慈川に架かる赤い橋が見えていました。
橋のたもとまで行くと、橋は「あゆの吊り橋」と名付けられているようです。
久慈川の中に長い釣り竿を操る人影が見えていました。
久慈川の清流は鮎釣りが有名なようです。
今にして思えば、鮎を食べて来ればよかったかな、とも思うのですが、鮎を食べるなら、やっぱり般若湯と一緒でなければ味気ないので、車を運転する旅ではどうしても、食指が動きません。
矢祭山駅から10分ほどで戸津辺の桜に到着しました。
戸津辺の桜は樹齢600年を超える県指定天然記念物のエドヒガンザクラで近郊では一番早く花をつける早咲きの桜です。
その戸津辺の桜の下に、地域の方達でつくる「戸津辺の桜を守る会」が植栽したヒガンバナが、赤い毛氈を敷き詰めたように花を咲かせていました。
桜の古木を背にしたヒガンバナは見事な光景を見せていました。
幾つかのカメラアングルを試しながら、秋のひと時を存分に楽しませてもらいました。
後で説明しようと思いますが、桜と彼岸花はとても相性が良いように思います。
日本全国の桜の名所が、春の一時期だけ人を集める現況は非常に勿体ないと思います。
この戸津辺の桜と彼岸花のように、あるいは、埼玉県幸手市権現堂の桜と彼岸花のコラボレーションのように、もっと数多くの桜の名所で彼岸花を育成すれば、集客効果は倍増するはずです。
将来の日本の地域振興のために、全国の桜堤などの桜の下に、彼岸花の新名所をつくる検討をされては如何でしょうか。
現在の桜並木の維持に要する手間や費用とそれほど変わらずに、秋に新たな観光客のピークを作れる可能性があると思うのです。
平和で安全な国の各地に、秋を真っ赤に染める花園が増えれば、海外からのお客さんも増えて、若い人々の地域への愛着は今まで以上に増すはずです。
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