邦画ブラボー

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「不知火検校」

2004年12月26日 | ★ハードボイルドな映画
勝新太郎が「座頭市」を撮る前の作品。
いわば「座頭市」の前身ともいえる。

ものすごく面白かった!

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検校:室町時代以降、盲人に与えられた最高の官名。
専用の頭巾・衣服・杖などの所持が許された

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悪のヒーロー不知火検校。
この役は勝自身もすごく気に入っていて
晩年舞台でも演じていたそうである。

生まれながらに盲目の杉の市は、
大人をだまし、金をせしめるなど幼い頃からワルでした。

「出世さえすれば、何でもできる」がモットー。

座頭市と違い人を斬ったりはしない。
仕込み杖は持っていません。

だがその悪党ぶりといったら、名うての悪党がびびるくらいのあくどさ。
あまりのことにちょっと笑ってしまいました。
ブラックなユーモアも漂う。
世話になった按摩の師匠さえも裏切って検校へと上りつめる。

まんまとせしめた小判を懐から山のように
じゃらんじゃらんと落とす様子、
自分の女さえも罠にはめほくそ笑むシーン、凄味があった。

勝新太郎の天才役者ぶりを堪能。
この映画で共演したことがきっかけで中村玉緒と結婚したそうですが、
さすが息がぴったり。玉緒さん、可憐で美しいです。
壮絶なラストシーンも圧巻。

検校ものとしては他に
東京12チャンネル怪談シリーズの「怪談吸血鬼紫検校」とか
田村正和がやった「髑髏検校」というのがあった。

でもこの「不知火検校」に勝てる検校はいない。
勝新は、死んでも誰にも負けない。

1960年 森一生監督作品 大映

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